PART43「秀吉」はこちら。
「麒麟がくる」は今日からお休み。どんな手で来るかと思ったら、歴代の“戦国大河”をリプレイするとか。
あーこれはうまいな。これまでのヒットドラマを“特別篇”としてオンエアするのは、ギャラとかいろんな意味で効果的らしいし。しかしわたしには懸念があった。いきなり「独眼竜正宗」だよ。
そっちの方が視聴率高かったら……やっぱりあの秀吉(勝新太郎)の立ちションのくだりはすごい。
さあ極私的大河ドラマ史再開。1997年は「毛利元就」。知ってるよー。三本の矢の人でしょ。それしか知らないけど(+_+)。あ、尼子一族といろいろあった人だよね?ということは八つ墓村関連?
だめだものを知らなくて。大河の36作目はその名もずばり「毛利元就」。さてどんな人だったんだろう。……うわあ、毛利家、大内家、尼子家が入り組んでなにがなんだか。
安芸の小国の領主の次男として生まれながら、父親と長男が酒毒によって亡くなり、仕方なく領主となる。家臣たちはそむき、内乱の連続。そして策謀をめぐらせて巨大な版図を誇るまでになり、亡くなる前に三人の息子(毛利輝元、吉川元春、小早川隆景だったんだねー)に「矢を折ってみろ」と……
原作は永井路子で脚本が内館牧子だから、女性陣の描き方に工夫はあったんでしょう。どろどろしてたんだろうなあ。「想い出にかわるまで」「私の青空」「週末婚」の人ですもんね。
と、想像でばかり語っているのでおわかりのように、わたしこの大河を見てなかったんです。緒形拳、中村梅雀、原田芳雄、草刈正雄といった大河のレギュラー陣ともいうべき男優たちに、正妻や側室が入り乱れる女優陣がからむ。松坂慶子、富田靖子、竹下景子、大塚寧々、加賀まりこ、葉月里緒奈(好きでした)、高橋由美子(大好きでした)……
それなのに主役の元就役は薄味の中村橋之助。陰謀をめぐらすって感じじゃない。策謀家でありながら気弱な人物、という描き方だったようだけれども。
オンエア中の「麒麟がくる」における齋藤道三を演じた本木雅弘を考えてみるといい。あの邪悪さがやはり必要だったのではないでしょうか。
PART45「徳川慶喜」につづく。