PART44「毛利元就」はこちら。
今日は「麒麟がくる」とネタがまるかぶりの「国盗り物語」で来たかあ。平幹二朗の
「とおとおたぁらりとおたらり」
を数十年ぶりに聞いて満足。織田信長の高橋英樹と明智光秀の近藤正臣があれから会っていなかったというのに驚愕。
さて、毛利元就役に必要だったのは齋藤道三を演じた本木雅弘の邪悪さではないかと前回主張したけれども、その本木が主演したのが翌1998年の「徳川慶喜」。
幕末ものは当たらない、司馬遼太郎原作は視聴率がとれない、が大河におけるジンクス。残念ながらこの作品もそのジンクスを覆すことはできなかったようで、視聴率は低迷。
しかしそれは、慶喜という人物がどうにも一般受けしようがないことも影響しただろう。この人、どうも面白くないんだよね。
水戸藩主、徳川斉昭の七男として生まれながら、若くしてその英名さを讃えられ、一橋家を相続。んでもっていろいろあって(桜田門外の変とか前将軍が急死するとか天狗党の乱とか)江戸幕府最後の将軍となる。
というか日本の歴史上最後の征夷大将軍……かなりドラマチックに見えるようだけど、この人が主体的に幕府をどうしたかったかがよくわからないし、それに第一あれがあったでしょう。戊辰戦争のさなかに、兵を大坂城に置き去りにして自分だけ江戸に帰っちゃった件。あれがなんともなあ。この大河ではあれをどう始末したのだろう。
……と勝手に想像していることでおわかりのように、わたし、この年も大河を見ていません。ドラマチックな最期とかが用意されていればともかく、慶喜は貴族として遇されて大正時代まで長生き。大政奉還というアクロバットは倒幕側の、たとえば坂本龍馬あたりの手柄になっているし、どうにも気合いが入らない。
徳川斉昭を演じたのは菅原文太。有栖川家から嫁に来た母親に若尾文子。天璋院篤姫に深津絵里、井伊直弼に杉良太郎、島津久光に江守徹、勝海舟に坂東八十助、近藤勇に勝野洋、新門辰五郎に堺正章。
そしてそのほかに岸田今日子、藤木直人、佐藤慶……おおおなんか面白そうなメンツがそろってるじゃないですか。うーん見るべきだったかなあ。
PART46「武蔵 MUSASHI」につづく。