事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

極私的大河ドラマ史PART46 「武蔵 MUSASHI」

2020-06-28 | 大河ドラマ

PART45「徳川慶喜」はこちら

そっかー、今日の“麒麟をまつ”は「利家とまつ」だったかあ。わたし、これを見てなかったの無理ないなあと。わたし向きでは絶対になかったもの。

「葵 徳川三代」「北条時宗」「利家とまつ~加賀百万石物語」「武蔵 MUSASHI」……2000年代に入ってからも、わたしは大河ドラマから遠ざかっていた。というのも、企画がどうにも煮詰まっているような気がしたの。

「葵」は家康、秀忠、家光の合わせ技、「北条時宗」ってなにをした人?「利家とまつ」は明らかに仲のいい夫婦のホームドラマ(いや別にそれがいけないってわけじゃないけどわたしは邪悪で苛烈な夫婦のほうが好きw)、唯一これは、と思ったのが「武蔵」でした。

おそらく井上雄彦の「バガボンド」人気が背景にあった企画だとは思います。どちらも吉川英治の原作。バガボンドはあれからどんどん離れていますが。しかしなんとこの大河は壮絶にこけてしまったのだった。

近年のことなのでまだ憶えています。1回目のエピソードが、黒澤明の「七人の侍」そのまんまではないかと訴えられ、これが印象を悪くした。

脚本は鎌田敏夫さん。かつて大河の真裏で青春シリーズや俺たちシリーズを書き、「金曜日の妻たちへ」で大ヒットを飛ばした人だ。

主演は市川新之助(現海老蔵)と絶対失敗しない米倉涼子。えーと、何も申しますまい。武蔵の父親役にビートたけし、又八に堤真一、佐々木小次郎に松岡昌宏……鉄壁の布陣に思えたのに人気は低迷した。

思うに、この時期NHKは女性視聴者を意識しすぎたのではないだろうか。もちろん、視聴者の主流は女性であることは事実にしても

「大河ドラマ=オヤジ向け」

という開き直りがあってもよかったと思う。無責任な話ですけどね(笑)。

さて、次回は気合いが入っておりますよ。あの「新選組!」ですから。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「歌舞伎座の怪紳士」 近藤史恵著 徳間書店

2020-06-28 | ミステリ

こ、ここまで弱っちいヒロインも珍しい。ブラックな職場でパワハラを受け、自己肯定感をかけらも持ち合わせていないニート。小さなことに傷つき、パニック症候群に陥ってしまう。

そんな彼女に、祖母がある依頼をする。自分の代わりに、歌舞伎を見てくれないかというのだ……

歌舞伎座で(他の劇場でも)彼女の前に現れる年配の紳士。彼のおかげで彼女は次第に誇りを取り戻していく。

予想された展開だけれども、歌舞伎の入門書としてもすばらしい。演目と事件がリンクするあたりの技はさすが近藤史恵だ。オペラ座の怪人ならぬ歌舞伎座の怪紳士が、やはり……あ、言えねー言えねー。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする