事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

ドクター・ストレンジをもういっちょ。

2017-02-08 | 洋画

 

PART1はこちら

オペの最中にロックを流す医師ストレンジ。助手がいきなり曲を変更。あきれたストレンジは

「おいおい。チャック・マンジョーネのフィール・ソー・グッドか。77年だ」

「残念。78年でした」

「違う。77年だ」

オペのさなかに検索する(笑)助手。

「ほんとだ。ヒットしたのは78年だけど、出たのは77年です」

お前らは手術中にイントロ当てクイズをやってるのか。でもわたしの世代はマーベルの術中にはまり、にんまりしてしまう。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で10ccを流したのと同じ戦略。

もういっちょ行きましょうか。

魔法の図書館司書は中国系。

「ぼくはドクター・ストレンジ。あなたは?」

「ウォン」

「ファーストネーム?ただのウォン?アデルみたいに?」あははは。

「…………」

「ボノとかビヨンセとか……エミネムとか。知らない?大スターなんだけど」

あとでその司書がヘッドフォンでビヨンセを聴いているというオチがつく。

腕のいい外科医は性格がねじ曲がっている、というのは世界共通のルールであるようで、マーベルのブラックジャックであるストレンジは、傲慢な性格で昔の恋人からも距離を置かれている。その恋人はレイチェル・マクアダムス。このふたりが顔を近づけたショットに、わたしも妻も同じようなことを考えた。

わたし「カンバーバッチ顔でかっ!」

妻「レイチェル顔ちっちゃい!」

およそ2:1の比率です。

こんなネタばかり披露しててもしょうがないですね。3D好きの妻は「もっと画面から飛び出してくるかと思ったのに」と不満げだったけれど、わたしはストレンジのフリーフォールに足がすくんだ。息子たちはわざわざ新潟まで出かけて4DXで見てきたとか。おれには無理だ。

見終わったらあとに残るのは3Dのせいで目のしょぼつきだけ。他はなんもなし。娯楽映画のお手本のような作品でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ドクター・ストレンジ」 Doctor Strange(2016 ディズニー)

2017-02-07 | 洋画

見る前に知っていたのは

・マーベルのいつものシリーズであること

・主演はわれらがベネディクト・カンバーバッチ

・アメリカで大ヒット

これだけ。おかげで「ほー」と驚くことがたいそう仕込んであった。タイトルからしてキューブリックの「博士の異常な愛情」Dr. Strangeloveをひねったのだろうから、素直な作品ではないと思っていたけれど……

・魔法使いの先輩弟子の黒人俳優はどっかで見たことあるな。あ、「それでも夜は明ける」主演の彼じゃないか。ということはカンバーバッチと再共演ってことか。

・ソリの合わない同僚の医師もどこかで……おお、「トランボ」でエドワード・G・ロビンソンを演じたあいつだ。

・悪役は、一度見たら忘れられないルックスなのでわかりやすい。「カジノ・ロワイヤル」で血の涙を流し、「ローグ・ワン」でヒロインのお父さんを演じたマッツ・ミケルセン。

・魔法の師匠はなんとなんとティルダ・スウィントン。「オルランド」「フィクサー」「スノーピアサー」など、普通の役はまずやらない彼女は、今回フルヌードになったり脇汗かいたりはいたしませんでした。

つまりは、およそマーベル漫画まつりに参加しそうにないくせの強い役者を集めて(カンバーバッチがその筆頭だ)、キャスティングに凝りまくっていることがまず理解できる。もちろん、大ヒット確実だからできることなのだが。

マーベルの戦略はもっとはっきりしていて、なんとかして大人の観客をこのシリーズにひきこもうとしていることがうかがえる。以下次号

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぼくのわたしの2016 マイベスト読書篇

2017-02-06 | 本と雑誌

 

2015年版はこちら

それではマイベスト読書篇。まずはミステリ部門。

第1位 「ジャック・リッチーのびっくりパレード」ハヤカワ・ミステリ

第2位 「希望荘」宮部みゆき著 小学館

第3位 「悲しみのイレーヌ」「傷だらけのカミーユ」ピエール・ルメートル著 文春文庫

第4位 「アメリカン・ブラッド」ベン・サンダース著 ハヤカワ・ミステリ

第5位 「アックスマンのジャズ」レイ・セレスティン著 ハヤカワ・ミステリ

ジャック・リッチーの短編集は本当に素敵。未訳の作品がたくさんあるはずなので、どの社でもいいのでよろしくね。ピエール・ルメートルについては、「カミーユ」よりも「イレーヌ」の方が上だとは思う。それにしてもこのシリーズは日本で圧倒的に受け入れられたなあ。

つづいて非ミステリ部門。

第1位 「三の隣は五号室」 長嶋有著 中央公論新社

第2位 「超・反知性主義入門」「ポエムに万歳」「踊り場日本論」「場末の文体論」小田嶋隆著

第3位 「永続敗戦論」 白井聡著 太田出版

第4位 「落陽」 朝井まかて著 祥伝社

第5位 「」 東川彰良著 講談社

長島有の「三の~」はすばらしい作品だったなあ。現代史をこんな形で語れるなんて。2位と3位は、わたしの政治へのスタンスを決定づける本だった。小田嶋はいま絶好調じゃないすか。今年いちばん読んだのは朝井まかて。ノーマークだったのに「すかたん」にやられ、「落陽」でとどめをさされた感じ。

ランキング以外のところで、ヤナギサワの「本当の学校事務の話をしよう」(太郎次郎社エディタス)に特別賞を(笑)。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おんな城主直虎 第5回「亀之丞帰る」

2017-02-05 | 大河ドラマ

第4回「女子にこそあれ次郎法師」はこちら

前回の視聴率は16.0%と予想よりも上昇。お茶の間ではあの子役の演技がうけていたみたいだし。あーわからん。

で、今回からようやく大人バージョン。あの子役たちがどんな大人になったかのお披露目の回。だからものすごくわかりやすいつくりになっている。

おとわ改め次郎法師にようやく柴咲コウ登場。子役と同じような演技をかますので気が遠くなったら(おまけにあの乳母はそのまんま再登場。ううう)、後半は彼女らしい味が出て来たのでホッ。幼なじみの鶴と亀は三浦春馬と高橋一生。誰が鶴を演じるかはさんざんじらされる。佐清かよ

「あら、三浦くんなの?」

奥さん、あなたの親戚かなんかですか。

他の登場人物もそれぞれ年齢を重ねていて、特に筆頭家老の吹越満は一夜にして(九年かかってるけど)髪が真っ白になっている。彼は息子の亀、じゃなくて小野政次に

「お前はわしのようになる」

と宣言。次郎法師を簡単に手玉にとったあとなので重みがある。しかし息子は井伊家に忠誠を誓うのみだと返す。「おめでたい奴」と吐き捨てたのが彼の遺言になる。いいですな。いずれ政次はダークサイドに堕ちて権謀術数を駆使するように……え、そんなお話じゃないんですか?

放蕩息子の帰還という、日本人が大好きなお話の定型。寅さんが鶴でさくらと博が次郎法師と亀という構図。鶴は優等生すぎますけど。

出家しているヒロインと、帰ってきたばかりで視聴者がまだ感情移入していない鶴の対面に、森下脚本は傑山(市原隼人)をオブザーバー(視聴者の視線の象徴)に加えることでバランスをとる。その方が感動は深まります。JINでこのパターンはさんざん使われましたもんね。

そして今川家方面では、人質になっている徳川家康(阿部サダヲ)と瀬名(菜々緒)登場。あ、そうなんだ。瀬名って後の築山殿なんですかっ。とても行き遅れたようには見えないのに、阿部サダヲよりは年上に見えるのがおかしい。さっそく悪鬼のように描かれていたんだけど、これからの展開が楽しみだなあ。それにしても、2年つづけて徳川家康のあつかいが微妙でけっこう。

ということで事実上の第一回。視聴率は16%維持と読みました。

第6回「初恋の別れ道」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月の名言 2017年1月号PART4 プロフェッショナルズ

2017-02-04 | ニュース

PART3「保護なめんな」はこちら

「昔は毎日、ウイスキーならボトル2本、日本酒なら2升か3升は飲んでいました。」

亡くなった松方弘樹の全盛期の酒豪っぷり。唖然。年間2億円は飲んでいたというのだ。もちろんわたしのようにCGCグループから出ている紙パックの芋焼酎でなどあるはずもなく(笑)、お高いブランドの酒を、自分でグラスに注いだりはしなかったろう。酒でこうだから、釣りはもちろん、下半身のほうもすごかったらしい。

こういう破天荒な役者は勝新太郎が最後で、そのフォロワーである松方の死でとどめをさされた感じ。時代劇の黄金期、さぞや京都の夜はとてつもなかったんだろう。そして、そんな爛熟を受け止めて、なお輝きを増し(同時に腐敗もして)、魅力的になるのが京都という町なのかも。

「スクールカウンセラーを全中学校に配置するという言葉は正しくない。複数の学校を掛け持ちして、各校週1回か2回訪ねるのを配置と呼んでいいのか」

天下り問題で辞任した前文部科学省事務次官、前川喜平氏が在任中に。天下りがはたして文科省だけの問題だったのか、まあそこは言うまい。しかし名物次官であり、学校事務職員についても課題解決に意欲的だった前川氏の退場は、実はちょっと痛い。

「海上保安庁が、気象状況をお知らせします。時刻11時52分、神威岬灯台では、南の風16m、気圧1013hPa、波の高さ1.1m、焼尻島灯台では、南南西の風12m、気圧1013hPa。おわり。こちらは、やぎしり、さようなら。」

67年の歴史を閉じた船舶気象通報最後の放送文。通信機器、環境の激変が仕事の内容を変えていく典型。しかし、このように削りに削った文章は、やはりひとつの文化だと思う。プロの仕事。

中学のころ、国語の教師は「新聞に載っている、お天気概況の文をお手本にしなさい。簡潔で、すばらしい。」と教えてくれたっけ。不肖の教え子は、ダラダラした文章しか書けなくてほんとどうもすみません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月の名言 2017年1月号PART3 保護なめんな。

2017-02-03 | ニュース

PART2「FAKE」はこちら

【HOGO NAMENNA】

小田原市の職員が、生活保護費受給世帯を訪れるときに着ていたジャンパーに入っていたロゴ。「保護なめんな」と。批判を受けてこのジャンパーの着用は禁じられたという。

実はこの件は微妙。ネットでは擁護論や批判が渦巻いているだろう。わたしも公務員として(なにしろ職員への切りつけ事件があったことがこのジャンパー作成のきっかけになったというから)理解できる部分もある。さぞや日ごろ、つらい思いをしているのだろう。

「受給者に対する差別意識を持っている職員はいない」

「内部に対して『生活保護(担当を)なめんなよ。みんな頑張っているんだ』と訴えたかった」

とする市の釈明に嘘はないと信じる。

しかしジャンパーにはこんな英文も入っている。

We are “the justice” and must be justice, so we have to work for odawara. Finding injustice of them, we chase them and Punish injustice to accomplish the proper execution. If they try to deceive us for gaining a profit by injustice, “WE DARE TO SAY, THEY ARE DREGS!”

Dregsとはカスとかクズを意味する。不正受給者はカスであり、それを罰するわれわれは正義だと。

気持はわかる。くどいようだが、理解できますとも。自分たちを鼓舞するためにやったんでしょう?俺たちはチームだ、連帯している、不正は許さないぞ、独りじゃないんだ!と。しかしわたしは重々それを承知した上で、逆にユニフォームの怖さを感じる。チームとして、一体となって不正受給者に対峙したとき、自分の正義に微塵も疑問を持たなくなってしまいはしないかと。

学校事務職員に置き換えてみよう。集金の未納者を許さないために、

【SHUKIN NAMENNA】

というロゴの入ったジャンパーを着て、その保護者に向かっていくとしたら、その事務職員はやはり何かを見落としてしまっていると思う。だいたい、この体育会系サークル的ノリでガンガン行く姿勢が、わたしにはどうにも我慢できないのだ。

PART4「プロフェッショナルズ」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぼくのわたしの2016 世界興行成績篇

2017-02-02 | 映画

北米興行成績篇はこちら

つづいて世界興行成績篇。くどいと思われるでしょうが、わたしこういう数字が好きで好きで(笑)

1 Captain America: Civil War BV $1,153.3  64.6%

2 Finding Dory BV $1,028.1  52.7%

3 Zootopia BV $1,023.8   66.7%

4 Rogue One: A Star Wars Story BV $1,014.3  49.3%

5 The Jungle Book (2016) BV $966.6  62.3%

6 The Secret Life of Pets Uni. $875.5   57.9%

7 Batman v Superman: Dawn of Justice WB $873.3   62.2%

8 Fantastic Beasts and Where To Find Them WB $807.5  71.3%

9 Deadpool Fox $783.1  53.6%

10 Suicide Squad WB $745.6  56.4%

……いちばん最後の数字は北米以外のシェア。去年はあまり特徴的な数字はなかったようだけれど、とんでもないのがひとつある。

12 The Mermaid (Mei ren yu) Sony $553.8  99.4%

さあこの作品はなんでしょう。北米のシェアがわずか0.6%の映画。わたしはBox Office MOJOのサイトをいつもチェックしながら(オタクですから)不思議に思っていた。

正解は「人魚姫」(原題「美人魚」)。「少林サッカー」のチャウ・シンチー(周星馳)が監督した中国映画。その中国はもちろん、アジア映画歴代最高の興行収入記録を打ち立てている。ところが日本では、1月にちまちまと少ない劇場で公開されただけ。商売の都合もあるだろうけれども、なんとも不可思議。

それはともかく、中国市場が無視できない事情はこのことだけでも理解できる。日本映画はどうなっているかというと

84 Shin Godzilla FUN $77.9  97.5%

こんなもんなのか。え、「君の名は。」はどうしたって?

1 Your Name FUN $306.8  100.0%

2017年の、いまのところトップですっ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぼくのわたしの2016 北米興行成績篇

2017-02-01 | 映画

洋画興行成績篇はこちら

つづいて北米興行成績篇。

1 Rogue One: A Star Wars Story BV $514,338,899

2 Finding Dory BV $486,295,561

3 Captain America: Civil War BV $408,084,349

4 The Secret Life of Pets Uni. $368,384,330

5 The Jungle Book (2016) BV $364,001,123

6 Deadpool Fox $363,070,709

7 Zootopia BV $341,268,248

8 Batman v Superman: Dawn of Justice WB $330,360,194

9 Suicide Squad WB $325,100,054

10 Sing Uni. $250,819,785

……法外な対価でスターウォーズの権利を買ったディズニーは、着々ともとをとりつつある。これからエピソード8(レイア姫のシーンはもう撮影済みらしい)、そしてハン・ソロの前日譚などが続々と。2000年代はハリポタなどでワーナーの10年だったけれど、2010年代はSWとアベンジャーズを擁したディズニーの時代か。

その分、パラマウントとSONYに勢いがない。特にSONYは製作本数をしぼっているようで、いったいどんな意図があるんだろうか(インド人のトップの戦略によるらしい)。

北米では大コケしたAlice Through the Looking Glass(39位)が日本では第7位というあたり、ジョニー・デップは日本を無視してはいけないことになったのがよくわかります。

にしても北米もアニメが稼ぎまくっている。コミック原作ものまで加えると、10本中8本がそっち系。ほお、という感じ。わたしも嫌いじゃないから批判するつもりはないけれど、向こうの年配の方々は、いったいどんな映画を楽しんでいるのかしら。あ、日本人だけはそれ言っちゃいけないのか。

続いては世界興行成績篇

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする