事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

ガリレオを全部観る17 「密室る(とじる)」

2021-06-15 | テレビ番組

その16「念波る(おくる)」はこちら

タイトルからして堂々たる密室殺人……ではなくて、被害者の遺体は外にあり、特定の時間帯に密室が構成されているので自殺と判断されたというケース。

舞台は山梨県の山中。山歩きのイベントに参加した岸谷刑事。ペンションに泊まる女性たちに

「ご職業は?」

「公務員です……………………警察関係」

こういうためらいを全国の関係者は経験しているのかも。

参加者のひとりが渓流で見つかる。吊り橋から落下したものと思われた。自殺と判断されたが、岸谷だけは殺人を疑う。被害者の同僚である女性が小さな嘘をついていたからだ。

「野木さん(夏川結衣)は湯船につかったって言ってたんです。でもわたしが次に入ったら、肌に気泡が」

文系である岸谷が、たまたま過飽和現象(一番風呂に入った人しか発生しない)を知っていたために湯川が登場。密室を構成する、というよりも“密室だとどう思わせたか”がキーポイントとなる。ただし、あるトリックを使ったのはいいにしても、その痕跡をうまく消せたのかは微妙。

大企業の研究者として白衣を着た夏川結衣が魅力的。「結婚できない男」の女医役を想起させます。今回は努力型の女(夏川結衣)VS天才肌の女(被害者)VS美人じゃない女(岸谷)の相克。途中から邪悪な表情を隠さない夏川結衣は、あの「点と線」のラストで

「すみました」

と淡々と語るシーンも思い起こさせる。ただ、わたしは被害者役の遊井亮子のクールビューティな感じも捨てがたいんだけどなあ。

どんなタイアップだったかわからないけど、ミノッティのショールームにおいて、たいそうお高いテーブルに数式を書きだす湯川がおかしい。

その18「偽装う(よそおう)」につづく

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うまい店ピンポイント そうだよもう夏だったんだ ラーメン哲 冷やし味噌

2021-06-15 | 食・レシピ

米沢屋篇はこちら

えっとぉ、痛風や中性脂肪対策のための通院。先月はすごく空いてたのに今回は……

「やっぱ給食いらない」

学校に電話。

「だと思った」

混むことで有名な医者だからね。さあチャリでどこに向かうかといえばやっぱり哲。すでにルーティン化。

おっと冷やし味噌が期間限定で。山形県人はとにかくなんでも冷やすからなあ。で、冷やしたものがすごく好き。で、この冷やし味噌ももちろんおいしいのでした。そうですよわたしは典型的な山形県人です。

医者からは

「どお?調子は」

「だいじょうぶです」

全然だいじょうぶじゃなかったんだけど、言えばまたいろいろ指示があるでしょ?また酒を飲み始めたし、きついお達しがまもなくやってくるかも。

「職場の検診あるでしょ」

「7月です」

「結果持ってきてね」

待ってろよ。すげーのが出るぞ。あ、でも医者は体重が減ったことを喜ぶわけじゃないのか。

華煌篇につづく

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「俺の話は長い」(2019 日本テレビ)

2021-06-14 | テレビ番組

噂は聞いていたの。日テレで土曜の夜にやってるドラマはすごいと。妻も熱狂していたし、ちょっとのぞいて見たら確かに面白そう。でも、例によってドラマをワンクール見通す根性がないわたしはディスカス待ち。

で、拝見させていただきました。

噂以上にすごかった。ホームドラマ(死語?)ってここまで進化していたのか。主役は6年間ニートを続けている満、31才。働く気がないわけではないのだが、自分を肯定する理論武装は完璧。んもう屁理屈をこねさせたら天才。そしてもちろん、彼の話は長い。おそらくは感情移入するのがむずかしい役なのに、生田斗真が絶妙に演じるものだから、誰もが彼を好きになっていく。

そんな息子をどうあつかっていいか常にとまどっている母親に原田美枝子。デビュー作「恋は緑の風の中」や「大地の子守唄」そして「青春の殺人者」からつきあってきた世代なので彼女がいるだけで画面からありがた感が噴き出してます。

微妙なバランスの上に成り立っている二人暮らしの家に、マイホームを新築中の姉夫婦が同居することになった3カ月の物語。姪っ子は不登校だし、元バンドマンの義兄は教材販売の仕事が嫌で仕方がない。姉は年の離れた弟の現状を打破しようとさまざまな策を弄する……

小池栄子安田顕、そしていまや朝ドラヒロインの清原果耶も加えた5人が完璧なアンサンブル。わたしのお気に入りは行きつけのスナックの客である本多力。こんな役者いたんだあ。

特にすばらしかったのが、義兄も満とともにニートになり、ふたりで絶唱した「出世払いの歌」。爆笑しながら、涙がこぼれてきました。

そして最終回、背広姿の満に……この展開って「あまちゃん」で宮本信子が大漁旗を振ったシーンの再来。泣けた泣けた。脚本は金子茂樹。ええ承知していますよ。絶賛オンエア中の彼の「コントが始まる」もすごいんでしょ?はやくディスカスしてくれないかなあ。向田邦子賞受賞作品。

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うまい店ピンポイント ひょっとしてもう夏? 米沢屋篇

2021-06-14 | 食・レシピ

東軒篇はこちら

「え、そうなの?技能士がお休み?」

ふーん。いやちょっと待て。ってことはおれが市役所に行くってことじゃないか。外勤にね。チャリだけど。

早速きょうの献立表をチェック。このあたり、ルーティン化しています。

そうかチキンかあ。残念だなあ、まったく残念だ。

「いらないから、今日は給食」

色んな人から

「それ、あり?」

と指摘されるんだけど、ありです。もう何でもあり。いいんだもう。

そして焼きそばの名店、米沢屋へ。大盛りイカ肉。画像がぶれているのはもちろんわたしがアル中だからではありませんよ。ありません。

続いて入ってきたのはバックパックにベースボールキャップのお兄ちゃん。

「あの……」

いかにも慣れていない。ひょっとしたら手練れのブロガーかもしれない。ひょっとしたらミシュランの狙撃手かもしれなくってよ(笑)

なことはどうでもいいのでした。あいかわらず焼きそばはおいしい。酒田にお出での際にはぜひどうぞ。来いよミシュラン。

哲の冷やし味噌篇につづく

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青天を衝け 第18回 一橋の懐

2021-06-13 | 大河ドラマ

第17回「篤太夫、涙の帰京」はこちら

血なまぐさい話はもう充分なんだけどなあ、というのがおおかたの視聴者の本音じゃないかしら。攘夷?尊皇?いいよそれもう、と。

「この戦いはなに?」妻は洗濯物をたたみながら。

「天狗党だけど」

「この人たちは悪い人たちだったわけじゃないわよね?」

確かに、時代を読めない人たちだったと切り捨てるわけにもいかない。だいたい、朝5時から働いてたんで妻はやさしい口調だけど、いつもそうなるわけが(笑)。

逆に、自分が命をかけると考えた一橋家を富ませると考えた渋沢の発想はすばらしいし、時代の空気に合っていると思う、正論はもういいよ。お金儲けの話にシフトしようよ……。

歴史にはとんでもない瘤みたいなものがどうしたって出てくる。幕末でいえば、自藩を徹底的にぶっつぶした長州とエゲレスが手を組むとか、どう考えても不倶戴天の敵である薩摩と長州が手を組むとか。あ、長州こそがプラグマティック?なわけはない。

長州と薩摩の徹底的な差は、それこそ徹底的に負けた経験の差だろう。いやもちろん薩摩も負けてはいたんだけど、その当時に、相対的に世界を観る人間がいたかどうかよね。薩摩にはそういう人材が複数いて、いい場所で勤務してた。

で、徳川幕府だって負けてはいなかったはず。小栗上野介(武田真治)がいたじゃん!

まあ、これからどう展開するかわからないけど、カンパニーをつくることがすべての解決策だってことにはどうもなんない。渋沢栄一はスーパーマンではなかったというのがこの大河の基本線らしい。実際、スーパーマンではなかったんでしょう。いやしかし今回も草彅剛はすごかった……

第19回「勘定組頭 渋沢篤太夫」につづく

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「週刊プレイボーイのプロレス」佐々木徹著 辰巳出版

2021-06-13 | 本と雑誌

1990年代の、前田日明船木誠勝を中心とした格闘技の世界の概観が、プロレス記者ではない(だからプロレス紙に負けるものかと意地になっているフリーランスライターによって描かれる。

そっちの業界もすごいけど、当時の週刊プレイボーイがいかに無茶苦茶で、だからこそ躍動していたことが伝わり、ワクワク。平凡パンチの亜流より出でて、まったく新しい男性週刊誌像を集英社は(めずらしく)確立したということだろうか。

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レッド・メタル作戦発動(上・下)マーク・グリーニー&H.リプリー・ローリングス四世 早川文庫NV

2021-06-12 | 本と雑誌

海外ミステリが売れない時代に、この作品はしっかり売れたのだそうだ。ミリタリーおたくは常に新しいネタ、新しい政治状況を求めているということだろうか。

レッド・メタルとはレアメタルを指していて、アフリカのダイヤモンドが民族紛争まで巻き起こすことからブラッド・ダイヤモンドと呼ばれるように、レアメタルも大国同士が激突するお宝になっている。

しかし本筋のレアメタル鉱山の陣取り合戦よりも、ロシアの野心的な軍人が用意した陽動作戦の方が魅力的。なにしろ台湾の“中国寄り”の政治家を、米軍を東シナ海に張り付かせるためだけに暗殺するのだから。

経験者が書いているだけに、兵器や戦況の描写は圧倒的。ほとんど意味がわからないのに「ほえー」と納得させられるぐらいでした。こういうポリティカルなものはちゃんとリアルタイムで読まなくちゃ、うん。こうやって売れていくんだなとこちらも納得。

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うまい店ピンポイント 2021年夏は近いぞ 東軒

2021-06-12 | 食・レシピ

新月篇はこちら

今日はなんと八幡のとみ将がテレビで紹介されてました。そうですか、あの女将さんは池田さんっていうんですね。

ああこれで人気店に駈けのぼっていくんだろうな。まあ、うれしいことです。

さて東軒。定番。ざ・酒田のラーメンって感じ。異論もあるだろうけれど。先輩事務職員と偶然会ってしみじみとした話に。定番。

またしても米沢屋篇につづく

 

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ガリレオを全部観る16 「念波る(おくる)」

2021-06-11 | テレビ番組

その15「曲球る」はこちら

同じ顔をしたふたりの女性(桐谷美玲)が同時進行で描かれる。一方は瀟洒な邸宅でくつろぎ、もう一方は地味な服装でかいがいしく働いている。都会に住む“彼女”の方に侵入者。頭部をハンマーで殴り、彼女は昏倒する。普通の、強盗傷害事件のはずだった。しかし遠く離れたもうひとりの“彼女”がその事件を察知するまでは。

ふたりは双子。古畑任三郎の「ラストダンス」のときに紹介したように、ミステリには双子と中国人は登場させてはいけないことになっている。そのタブーに挑戦。はたして双子の間で、テレパシーは存在するのか。

「シンクロニシティ(意味ある偶然)にすぎない」と湯川は一刀両断。

「でも妹さんは犯人の顔が見えた、っていうんですよ」と岸谷刑事。

「それを早く言え」

昏睡状態の妻に向かって、経営コンサルタントを生業とする夫(桐谷健太)が

「なんで生きてるんだよぉ」

と吐き捨てる。犯人はもちろん妻の財産目当ての彼だが、ちゃんとアリバイは用意してある。報酬を払った委託殺人だったのである。

にしてもこの夫のやることは(指紋を気にもせずに人工呼吸器に触れるなど)およそ頭のいい人間のやることではない。そこで湯川は、いつもと推理の過程を逆に……

知り合いの殺人ではないかとたくさんの写真を見せて失敗。そこで妹に似顔絵を描かせることに。早く気づけよ。しかし彼女の絵はおそろしく稚拙だったというオチ。

「こんな人間、います?」

実行犯は渋川清彦。似顔絵そっくり(笑)。彼がその後、性格俳優としてどんどん成長したのに比べ、美少女だった桐谷美玲はすっかり名前を聞くこともなくなった。わからないものだ。

その17「密室る(とじる)」につづく

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ほりぃ散歩Vol.30 聖火ランナー

2021-06-10 | まち歩き


その19「丸池様」はこちら

東京オリンピックについては言いたいことがてんこ盛り。なにが凄いって、ことここに至って開催に賛成か反対かの大騒ぎ。こんなに歓迎されないオリンピックもめずらしい。

でもうちの同僚の娘が聖火ランナーになり、職場は大騒ぎ。ありがたいありがたい。すげーうれしかった。

なにしろ目の前に現物があるのが強い。意外に重いです。でもランナーのためにはいくらでも軽くしなきゃ。そうですかいろんな話が錯綜していたんですね。

燃料は下からカチッと。ウエアは進呈されたらしいけどさあ肝心のトーチは?

当事者になんないとわかんないことってあるんだなあ。

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