例年のように、一年を振り返って自己満足ベスト10を選んでみた。前編は昆虫、後編は風景をまとめた。
今年の昆虫写真も、「ゼフィルス」「絶滅危惧種」「未撮影種」「撮り直し」を目標にし、全国にその姿を追った。 予定した昆虫には全て出会うことができたが、思うような写真が撮れなかった種もあり、計画達成率は90%に終わった。ちなみに、本年、初撮影が叶った昆虫は10種類になる。
今年の1位は、富山県に4回通い、合計8日かかって撮影できたヒサマツミドリシジミである。全25種類のゼフィルスの中でも
かつて珍蝶、幻の蝶とも言われ、現在でもその生態は不明な部分が多い。撮影も難しく、秋にようやくメスの吸水シーンを撮影できたが、来年はオスの開翅を撮りたい。
2位は、オオミドリシジミ。普通種であるが、テリトリーを見張る様子をこの角度で撮影できた「ベストショット」の意味で選定した。
3位は、ヤブヤンマ。今年、撮り直しとして計画した唯一のトンボである。毎年、何種類か撮っているが、今年はゼフィルスに時間を
割いたためトンボは一種のみ。
ここに掲載した10種についての詳細は、写真下の種名に各々、過去の記事へのリンクを貼っているので参照いただきたい。
昆虫を撮るためには、まず、それぞれの種の生態を知ることが大切だ。どんな環境に生息し、何を食べ、いつ発生するのか。そして、何時にどのような行動をするのか。基本的なことを学んだ上で生息地に行き、後は探索と待機である。
そして以下のことをコンセプトに撮影し、まとめている。
- チョウ、トンボ、甲虫類等の絶滅危惧種や美しい種の生態を観察し撮影すること。
- 特徴が分かる図鑑写真であること。
- 生態写真であること。
- 保全への啓蒙となる記事内容であること。
- 以上を達成するまでは何度でも撮り直すこと。
出会いに苦労することがあっても、撮影さえ出来れば、その結果に対しての満足度は高いが、やはり「何とか撮りました」というような証拠程度の写真も多い。それではコンセプト的に満たされたものではない。しかしながら、翅が擦れていたり、思うような写真が撮れていなければ、また来年に挑戦すればいい。それが楽しいし、次への原動力にもなる。
来年も「未撮影種」「撮り直し」を目標に、日本各地に出かけて来ようと思う。(既に4月~8月はスケジュールで埋めている。)
参考:昨年までの自己ベストは、下記を参照いたさきたい。尚、2011年以前は、記事としてまとめていない。
ヒサマツミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F9.0 1/800秒 ISO 1250(撮影地:富山県 2015.9.23)
オオミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X
絞り優先AE F9.0 1/1000秒 ISO 1600 -2/3EV(撮影地:東京都八王子市 2015.6.13)
ヤブヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/8秒 ISO 400 +2/3EV ストロボ使用(撮影地:東京都内 2015.7.21)
ヒロオビミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 1600(撮影地:大阪府豊能郡能勢町 2015.6.6)
ウラミスジシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/320秒 ISO 400 +1EV(撮影地:福島県会津若松市 2015.6.29)
ウラジロミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600 +2/3EV(撮影地:長野県白馬村 2015.7.5)
オオイチモンジ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/80秒 ISO 400 +1 2/3EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2015.7.19)
ルーミスシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/250秒 ISO 400(撮影地:千葉県鴨川市 2015.11.29)
フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2000 +1EV(撮影地:岐阜県高山市 2015.7.12)
ミカドアゲハ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 400 +2/3EV(撮影地:三重県伊勢市 2015.5.17)
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珍しいチョウを沢山見せて頂いて
嬉しいです。
私の好みを書いてしまえば
やはりルーミスシジミと
ミドリシジミのどの種類も良いと思っています。
ウラミスジシジミも印象深い色で好きです。
これからも色々なチョウを見せて頂けると
嬉しいです。
チョウの翅色は、本当に綺麗ですね。
特にミドリシジミの仲間は、息をのむ美しさです。
まだまだ、満足できる写真が撮れていませんので、
来年は、もっと美しく撮れるよう、そして多くのチョウやトンボを撮れるよう、出かけて行きたいと思っております。
どうぞ、楽しみになさっていてください。