11月なのに暑い。4日は、日本ホタルの会の会議で、久しぶりに対面で行い中野まで行ってきたが、東京都心では最高気温26.3℃を観測し14年ぶりに25度以上の夏日となった。気象庁によれば、年間の夏日の日数が4日で141日目となり、1875年の観測開始以降最多だという。全国915の観測地点のうち219地点で夏日となり、38地点で11月の観測史上最高を記録したらしい。まさに異常である。
異常といえば、この秋はクマの被害がとても目立つ。環境省は、今年4月から10月末までにクマに襲われるなど被害に遭った人が全国で180人に上ったと発表している。こちらも統計を開始した2006年以来、過去最多という。私も過去に5回ほどツキノワグマに遭遇している。幸い襲われたことはないが、昆虫や自然風景の写真を撮りに行く場所は、ほとんど人が来ない山の中でツキノワグマの生息地が多い。最近では、山奥でなくても住宅地にまで出没しており、東京ではあきる野市街でも目撃されているというから注意が必要である。
せっかく紅葉が美しい季節でありながら、これまでの経験を思うと野山まで一歩を踏み出す勇気がない。今年は身の安全を優先して、紅葉を愛でる遠征はしない方が良さそうである。このまま暑さが続けばクマの冬眠が先になるかもしれないが、長期予報では来週末あたりから寒波がくるというから、「月のない快晴無風の夜と放射冷却の朝」という条件の日を待って、冬期通行止めになる前に撮りたい自然風景を撮りに行こうと思う。
この記事では、未掲載写真を含めた、この時期らしい風景とトンボの写真を集めてみた。
富士山を撮った草原では、夏は多くの絶滅危惧種のチョウが見られるが、秋は閑散としていて寂しい。撮影時は、大きなイノシシ2頭と遭遇したが、無事にやり過ごすことができた。
秋らしく真っ赤に成熟したナツアカネは、里山の田んぼで盛んに産卵しており、空中からばらまく卵も写すことができた。別の稲刈りが終わった田んぼでは、カトリヤンマのオスが数十秒のホバリングを行っており、この時期の撮影の楽しみの1つである。小さく細いヤンマであるが、秋の柔らかい日差しの下で、その美しさが際立つ。今年の夏に撮影したホソミモリトンボでもそうだが、最新機種に頼ることなく古い一眼デジカメと中古のレンズでマニュアルフォーカス、ワンショットで頭の先から腹部先端までピントが合った飛翔写真を撮るのが拘りである。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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