午前2時半起床で自宅を3時出発。久しぶりに気合を入れた写真撮影の遠征。写真を撮るのは12月4日以来であり、早起きして出掛けるのも2021年9月24日の千葉県大山千枚田以来である。多くは、前日夜に現地入りして車中泊して臨むが、片道2時間弱の距離であることから、平日の会社出勤より1時半ほど早く起きての出動。気合を入れたのは早起きだけではなく、今回の目標が、来月に撮影を予定している「パール紅富士」の予行練習だからである。
「パール富士」とは、日没前後と日の出前後に満月が富士山頂に重なり、真珠のように美しく見える様子を呼ぶ。ちなみに太陽が重なるのは「ダイヤモンド富士」と呼ばれている。パール富士は、2021年2月27日に静岡県の田貫湖で撮影し、当ブログに「パール富士(スノームーン)」として掲載しているが、この時は昇るパール富士で、富士山は日没後の暗い姿であった。次は沈む満月を朝陽が当たる紅富士の山頂と重ねて撮りたいと思い、チャンスを伺っていた。
そもそもパール富士は撮影チャンスが少ない。ダイヤモンド富士は「初日の出の」という特別な場合を除けば、晴れてさえいれば毎日2回どこかで見ることができる。太陽と重ねるわけだから、当然、富士山は黒いシルエットになってしまう。一方、パール富士に必須の満月は毎月1日しかないので、富士山頂と重ねるだけならばひと月に2回のチャンスがあるが、月の模様と富士山の様子を合成なしで両方綺麗に写そうとなると日没前後と日の出前後しかないから年に数回であろう。それが、雪が朝陽で赤く染まる紅富士となれば、年に1~2回しかチャンスがない。しかも、私の休日と重なるのは数年に1回あるかないかで、来月のチャンスは将に奇跡である。
そのチャンスが来月訪れる。そのための予行練習として満月の翌日にはなってしまったが、今回撮影に行ってきた。
まずは撮影場所の探索である。日の出時刻と月の沈む時間、方位、富士山からの距離と標高、ロケーションを考慮しながらGoogleMapで探す。これがなかなか良い場所がない。家や鉄塔、電線などの余計な構造物が写らない所で、早朝に地域住民の方々に迷惑をかけない場所をようやく見つけ、その場所で月と富士山頂が重なるかどうか試してみることにした。
8日午前3時に自宅を出発し、中央道、東富士五湖道路を走って御殿場市内の目的地に5時到着。月は、かすかに見える富士の遥か上に輝いている。しばし車内で休憩し6時から準備開始。月がフレームに収まる位置まで降りてきたところで撮影開始。月明かりにほのかに照らされたムーンライト富士も美しい。このあと山頂目指して降りてくるのか不安であったが、背後がビーナスベルトで染まりだした6時30分に富士山頂にある八つのピーク八神峰(剣ヶ峰・白山岳・久須志岳・成就岳・朝日岳・浅間岳・駒ヶ岳・三島岳)の1つ三島岳付近と重なった。撮影場所から北に数百メートル移動すれば山頂のど真ん中に沈んだと思われる。月が沈んだ後、赤く染まった紅富士を撮って終了。
今回、机上の計算と実際の現場での状況を確認することができ、来月に撮影を予定している「パール紅富士」の良い予行練習になった。当日は、前日夕方にダイヤモンド富士を撮り、車中泊で臨みたいと思う。天気が良いことを切に願う。
本記事の最後に、これまでに撮影した富士山の写真をスライドショー動画にしてみたので掲載しておきたいと思う。
関連ブログ記事:パール富士(スノームーン) / コールドムーン
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 2秒 ISO 400 -2EV(撮影地:静岡県御殿場市 2023.1.08 6:19)
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