赤富士と中秋の名月の組合せを山梨県の山中湖畔で撮影。
2022年9月10日は、十五夜で中秋の名月。私が撮影に行ける日で、しかも満月になる中秋の名月は2012年9月30日以来で、何と10年ぶり。しかし、土曜日は19時まで仕事。職場は羽田空港に隣接しているが、月と飛行機を重ねるのでは映画「ET」のようであるし、単に月だけを撮ってもつまらない。その写真撮影でもそうだが、これまで撮ったことがない絵にしたい。そこで日付は変わってしまうが、朝陽で赤く染まる赤富士と中秋の名月を撮ろうと半年前から計画していた。
問題は天気である。台風や秋雨前線の影響により、このところ天候が不安定で週間予報でも曇りベース。ただし、予報はあくまでも予報。実際に10日(土)は午前10時頃から晴れになり、19時に退社する時には、素晴らしい中秋の名月が浮かんでいた。
中秋の名月が満月というチャンスは来年もあるが、月の入り時刻が早いため赤富士と写すことはできない。その次のチャンスは2030年。最終的には、行って見なければ分からない。運が良いことを祈って、職場からそのまま山中湖へ向かった。羽田から環状八号線で用賀まで行き、そこから東名高速に乗る。足柄SAで食事をし御殿場から山中湖畔を目指した。現地には21時過ぎに到着。上空には雲の切れ間があるが、残念ながら富士は全く見えない。朝には雲が無くなっていることを願いながら車中泊。
中秋の名月が富士山頂と重なるパール富士も考えたが、今回は仕事で時間的に不可能である。過去には「パール富士(スノームーン)」を撮っているし、また、単に満月と富士の組合せなら「コールドムーン」として撮影済み。やはり、これまで撮ったことのない赤富士と中秋の名月を組み合わせた絵にしたい。
「赤富士」と言えば、葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」シリーズの一図「凱風快晴」が浮かぶ。赤富士は、晩夏から初秋の間に富士山が赤く見えるときを指し、紅富士は冬の冠雪した富士山が赤く見えるときを指している。また赤富士は、特別に縁起がいいものとされている。その赤富士の隣に、1年で最も美しいとされる月を置きたいのである。
11日午前3時半起床。雲はほとんどなく富士山は奇麗に見える。月も美しい。日の出時刻は、5時24分で月の入り時刻は5時52分。構図的には難があり、「赤富士を転げ落ちる中秋の名月」のようになってしまったが、赤富士の縁起のよさと中秋の名月のパワーを何とか一枚に収めることができた。この組合せは、他の場所では撮れなかっただろう。
5時半に現地を引き上げ、予定では反対側の「白糸の滝」を撮るつもりではいたが、結局そのまま帰ることにした。帰路の中央道では八王子を境に都心方面は厚い雲が広がっていた。次は、冬のパール紅富士を撮りたいと思っている。
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