源氏蛍の様子を千葉県にて観察してきた。
昨年、千葉市付近に上陸した台風15号と台風19号による被害が大きく、ホタルが生息する河川もダメージがあり、今年の発生の状況を心配していた。生息地はいくつもあるが、その内の1つである谷戸には、20014年から定期的に観察に訪れている。その生息地は、千葉県内でも発生時期が早く、5月の中旬頃から発生が始まり、下旬にはピークを迎える。昨年の様子は「ホタルの乱舞~里山で舞う東日本型ゲンジボタル~」として、今年の4月は幼虫の上陸の様子を「ゲンジボタルの幼虫上陸」として本ブログに掲載している。幼虫の上陸観察では、時期が遅かったこともあり数が少なく、やはり成虫の発生数がどうなるのか危惧していたところ、親友から今年も多くのゲンジボタルが出ているとの連絡を受け、早速、30日(土)行ってきた。 午前中は、東京都内の湿地にてサラサヤンマの産卵を撮影し、午後から千葉県へ向かった。現地には17時に到着し、谷戸の最奥から環境を細かく調べ、昨年とは違った場所がベストポイントであると推察し、カメラを据えた。 20時半を過ぎると飛翔数が減り、雑木林の木々の葉や下草に止まって光るようになった。今回は飛翔風景だけではなく、成虫が発光している様子をマクロレンズで動画撮影することも目標であった。丁度、下草で発光しているオスがいたので、ファインダーを覗きながら発光する発光器にマニュアルでピントを合わせて写真と動画映像を撮影し、下記に掲載した。(成虫のマクロ写真は、月明りだけで撮影。飛翔風景は、生息環境をご覧頂くために明るめにRAW現像している。) お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、
HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。 夕暮れの水田 ゲンジボタル ゲンジボタル ゲンジボタルの飛翔風景 ゲンジボタルの飛翔風景 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2020 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.
19時半になると、茂みの中でゲンジボタルが発光を始め、徐々に発光数が増えて行った。水田と雑木林の間に幅60cm程の細い流れがあり、幼虫はそこを住処にしている。場所によっては細流を木々が覆いつくしており、それが暗い空間を提供しており、その空間では、まさにクリスマスイルミネーションのごとく、たいへん多くのゲンジボタルが発光を始めた。
ここに生息するゲンジボタルは、東日本型の遺伝子であるため、先週に見てきた高知県の西日本型ゲンジボタルとは全く違う谷戸という生息環境。そして発光間隔も西の2秒に対して、こちらは4秒である。また、飛び方もたいへんゆっくりで優雅である。
気温は20℃で無風。カメラを向けた方向でも多くが飛び始めたが、この日は月齢7.4で半月。地面に自分の影が映るほそ明るい。案の定、ゲンジボタルたちも雑木林脇の細流上を飛び回ることが多く、隣接する明るい水田まではほとんど飛んでは行かなかった。これで、車のライトや観賞者の懐中電灯が当たれば大きな打撃だが、この生息は車が通ることもなく、観賞者は地元の方々がほんの数名。人為的光害からは守られているのは安心である。
6月には1~2カ所、出来ればこれまでに行ったことはないゲンジボタル生息地で観察と撮影をしたいと思っており、7月にはヒメボタルを2~3カ所において観察と撮影を計画している。
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/125秒 ISO 2500 -1/3EV(撮影地:千葉県 2020.5.30 18:52)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / バルブ撮影 F2.8 6秒 ISO 6400(撮影地:千葉県 2020.5.30 20:42)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / バルブ撮影 F2.8 6秒 ISO 6400(撮影地:千葉県 2020.5.30 20:50)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 9秒 ISO 200 12分相当の多重(撮影地:千葉県 2020.5.30 19:31~20:22)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / F1.4 ISO 6400(撮影地:千葉県 2020.5.30)
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