「山笑ふ」は春の季語で、春の日ざしや麗らかな陽気、芽吹いた若葉、全体にのどかで明るい感じがする春の山の様子を擬人化して表現したもの。
由来は、中国北宋時代の画家「郭煕」が自身の書物「臥遊録」の中に記した「春山淡冶にして笑うが如く」という言葉である。昔は、花が咲くことも「笑う」「笑む」と言っていたそうだが、春の山の様子は、人が笑う時の喜びや楽しさが形になって溢れてくるような感じもあり、表現する上で、これ以上ない言葉かもしれない。
そして、この春の山の様子で一番重要な要素になっているのが「色彩」ではないだろうか。春の山の色彩は、緑系が主体となる。英語圏では、春の緑を意味するスプリンググリーンがあるが、平安時代から用いられてきた日本の伝統色では、「緑系」だけでも81色ある。青柳、山葵色、若葉色・・・もえぎ色だけでも3つある。芽吹いたばかりの若葉の黄色味を帯びた緑が「萌黄」、暗い緑が「萌葱」、青みがかった緑は「萌木」と位置付けられている。春の山の色彩は、春紅葉というように、広葉樹の新芽が光合成で葉緑素を蓄える前に元来もつ色素が見えるため、赤や黄色等とても多くの色彩が加わるのである。
春の山は、すべての伝統色で構成されている、それが「山笑ふ」光景をつくっているのである。
そして季節は、"山滴る"へ向かう。非常事態の今が正念場。個々が自覚をもって前を向いて進んでいきたいものである。
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春の山(山桜)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/400秒 ISO 400(撮影地:東京都あきる野市 2011.04.16)
春紅葉
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F13 0.3秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:東京都あきる野市 2011.4.16)
春の山(萌黄)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/320秒 ISO 400(撮影地:東京都あきる野市 2011.04.24)
春の山(萌葱)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F14 1/5秒 ISO 100(撮影地:東京都奥多摩町 2012.05.04)
春の山(萌木)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 1秒 ISO 100 -1EV(撮影地:栃木県日光市 2012.05.19)
春の山(萌木)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 1.3秒 ISO 100 -1EV(撮影地:栃木県日光市 2012.05.19)
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