ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

紫金山・アトラス彗星

2024-10-13 17:58:43 | 風景写真/星

 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は、2023年1月に発見された彗星で、2024年9月27日(世界時。日本時では28日)に近日点を通過し、9月下旬には日の出前の時刻に東の低空で、地球への最接近する10月12日(世界時。日本時では13日)頃は、夕方に西の空の低い位置に見ることができる。
 これまでネオワイズ彗星やZTF彗星、ポン・ブルックス彗星がやってきたが、天候などの理由からまったく撮ることができなかった。唯一、2021年12月にレナード彗星は撮ることができたが、証拠程度のものであり、いつかは美しい彗星を撮りたいと思っていたところ、紫金山・アトラス彗星を撮れるかもしれない大チャンスがやってきたのである。紫金山・アトラス彗星は、約8万年をかけて太陽を回る軌道を一周するとされる。つまり、前回姿を現したのは、現生人類が本格的にアフリカを出る前のことだ。このチャンスは逃したくない。

 9月に就職した仕事の関係で、写真撮影の遠征ができず、ようやくこの三連休は出かけることができるようになった。ホソミモリトンボ以来であるから2か月ぶりである。天気は良好。迷わず予定していた新潟県へ向かった。まずは、マダラナニワトンボの産卵の様子を撮影し、続いて滝雲が見られる枝折峠に移動。(どちらも後日投稿予定)この峠から紫金山・アトラス彗星を撮る計画である。
 現地に到着後、早速ロケハンを開始した。Googleのストリートビューで予め確認はしているが、撮影に最適な場所であるかを実際に現地を歩いて見ておくことが大切である。ここなら大丈夫であろう場所を確かめ、17時過ぎからカメラを向けたが、西北西から北方向の空は快晴であるが、何と紫金山・アトラス彗星が位置する真西方向には厚く黒い雲。低空のわずかな空間には雲がなかったので、そこに掛けるしかない。ただし、薄明が残りかなり明るく、そのうえ空が赤い。撮影は相当難しいものと覚悟を決めた。
 いつまで経っても彗星が確認できない。肉眼では見えない。もう地平線に沈んでしまったのだろうかと諦めかけていると、17時52分に厚い雲の下に彗星を確認。レンズを90mmから300mmに交換して何とかその姿を捉えることができた。やはり、空が明るいため彗星の尾がはっきりとは写らないが、この日、この場所では、これが精いっぱいの画像。今後、彗星の明るさは次第に暗くなっていくが、太陽の方向からは離れていくため、背後の空が暗くなる。次の週末なら背後の明るさと彗星の明るさのバランスがよく綺麗に撮れる最後のチャンス、天気が良ければ再チャレンジしたい。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

紫金山・アトラス彗星の写真
紫金山・アトラス彗星
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F3.2 0.6秒 ISO 2500(撮影地:新潟県枝折峠 2024.10.12 17:57)
紫金山・アトラス彗星の写真
紫金山・アトラス彗星
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 2秒 ISO 5000(撮影地:新潟県枝折峠 2024.10.12 18:06)
紫金山・アトラス彗星の写真
紫金山・アトラス彗星
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.5 3.2秒 ISO 5000(撮影地:新潟県枝折峠 2024.10.12 18:08)
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