谷川岳一ノ倉沢の紅葉を魔の岩壁とともに収めた。
群馬県と新潟県の県境に位置する三国山脈の谷川岳。初級者から上級者向までの変化に富む登山コースを有し、ロープウェイも整備され年間4万人を越える登山者が訪れる山であるが、多くのクライマー達の命を奪ってきた山でもある。
谷川岳の東側にある一ノ倉沢は、その険しさから剱岳・穂高岳とともに日本三大岩場の一つに数えられ、標高差約1,000m近くある切り立った岩壁が連なる急峻な地形で成り立っており、 ロッククライミングの聖地となっている。日本でも指折りのトップクライマーしか挑戦を許されないという岩壁は、2012年までに805名の命を飲み込み、遭難死者の数でギネス認定されているほどである。宙吊りになった遺体に救助隊が近づけず、陸上自衛隊の狙撃部隊が一斉射撃してザイルを切断、数日後にようやく遺体を収容した1960年のニュースはテレビ報道もされた。
現在では登山道具の飛躍的進歩により滑落死は少なくなったとは言え、見てるだけで飲み込まれるような魔の岩壁。朝日で赤く染まった様を前にすると、圧倒的な威圧感とともに、命を落としたクライマー達の想いが迫ってくる。 裾に広がる紅葉と稜線にわずかに積もった雪、そして真っ青な空との見事な対比を眺めていると、大自然の驚異と人間の小ささを実感する。
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