ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ナニワトンボ(連結打空産卵)

2018-10-09 20:14:47 | トンボ/アカネ属

 ナニワトンボ Sympetrum gracile Oguma, 1915は、トンボ科(Family Libellulidae)アカネ属(Genus Sympetrum)で、いわゆる"赤とんぼ"の仲間であるが、オスは成熟しても赤くならずシオカラトンボのように青灰色の粉を吹く、言わば"青い赤とんぼ"である。日本特産種であり、和名の"ナニワ"は、発見地が大阪であったことによる。瀬戸内海周辺を中心とした本州と四国に分布するが生息場所は局地的で、環境省カテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類に、鳥取県では絶滅、滋賀県と徳島県では絶滅危惧Ⅰ類、大阪府、奈良県、広島県、岡山県、山口県では絶滅危惧Ⅱ類、その他7の自治体においても準絶滅危惧種に選定している。
 ナニワトンボは「ため池」に生息するが、生息には以下のような条件がある。

  1. 樹林が、ため池に隣接していること
  2. ため池の水が、秋に落とされて水際が後退し、露出した池岸ができること
  3. 露出した池岸が、一部でも木々に覆われていること

 ナニワトンボは、2013年9月に兵庫県小野市において撮影し「ナニワトンボ」として掲載しているが、この時はオスの静止画像ばかりであった。今回の愛媛遠征では、オオキトンボに続いて本種の生息地もご案内いただき、雌雄の連結飛翔と連結打空産卵の様子を観察し撮影することができた。
 オスは、池の周囲の草叢でも確認できたが、雌雄の連結飛翔及び連結打空産卵は、水が落とされて露出した岸辺で、しかも木々で覆われた部分でのみ行われていた。満水時は樹木が池に張り出していて、水面を覆っているが、水がなくなると、その部分は枯葉や枯れ木が散在している。その場所において、雌雄が連結したまま空中から卵をばらまくという産卵を行っていた。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ナニワトンボの連結打空産卵の写真

ナニワトンボ/連結打空産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250(撮影地:愛媛県 2018.10.07 11:40)

ナニワトンボの連結飛翔の写真

ナニワトンボ/連結飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 1600(撮影地:愛媛県 2018.10.07 11:50)

ナニワトンボの写真

ナニワトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1 1/3EV(撮影地:愛媛県 2018.10.07 11:28)

ナニワトンボの写真

ナニワトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200 +1 1/3EV(撮影地:愛媛県 2018.10.07 11:30)

ナニワトンボの写真

ナニワトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1000(撮影地:愛媛県 2018.10.07 11:34)

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