ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ムツアカネの産卵

2016-08-21 22:39:47 | トンボ/アカネ属

 ムツアカネ Sympetrum danae (Sulzer, 1776) は、トンボ科アカネ属であるが、オスは成熟しても赤くならず黒色化する「黒い赤とんぼ」である。体長は3cmほどで、最小のヒメアカネより少し大きい。北海道、秋田、岩手、福島、群馬、新潟、長野、岐阜の各県にのみ分布し、北海道と東北では、平地の 挺水植物の茂っている池や湿地にも生息するが、本州では生息場所が限定され、標高1,500メートル以上の山岳地帯の高層湿原や池沼に局地的に生息しており、成虫は7月下旬から10月中旬まで見られる。
 和名の「陸奥」は、陸奥(青森県と岩手県の一部に相当する地域)のような寒冷地に多く生息していることに由来すると言われているが、青森県では1942年を最後に記録がなく、 絶滅したと考えられる。環境省RDBに記載はないが、群馬県RDBでは絶滅危惧Ⅰ類、福島県と秋田県、岐阜県のRDBでは準絶滅危惧種に選定している。

 ムツアカネは、羽化水域を遠く離れることはほとんどなく、羽化直後の若い個体は湿原周辺の草むらや木立のあいだに静止しており、成熟すると高層湿原や池沼にて交尾、産卵が行われる。交尾は、午前中に行われ、産卵も午前中からお昼過ぎにかけて行われる。連結打泥産卵である。
 今回訪れた池では、一週間前には1頭も見られなかったが、今回はたくさんのペアが産卵を行っていた。降雨量が少ないためか一週間で水位が下がり、岸から水際の間に泥の部分が露出したことでそこがムツアカネの格好の産卵場所になっていた。

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ムツアカネ

ムツアカネ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 250(2012.9.22)

ムツアカネ

ムツアカネ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 200(2016.8.20)

ムツアカネ

ムツアカネ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/640秒 ISO 200(2016.8.20)

ムツアカネ

ムツアカネ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 200 +2/3EV(2016.8.20)

ムツアカネ

ムツアカネ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 200 +2/3EV(2016.8.20)

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