本日のギャラリー巡りは、市民ギャラリー→札幌市写真ライブラリー→大丸→富士フィルムフォトサロン→大同→時計台→道新→丸井→アートスペース→ivory→趣味の郷→さいとう→スカイホールの13箇所。
■市民ギャラリー「第46回道都大学中島ゼミ展と四つの個展 版と型をめぐって」。やっぱり見ごたえがある。
藤林剛「slowly」:太目の曲線を画面の中央に引いたシンプルな作品。
松本直谷「バールの様なもの」:バールの様なものでパソコンを叩き壊す寸前。気持ち分かる。
久保田麻子「積み」:デフォルメされた鳥の形を積み上げた染色作品。パターン化されずランダムに積みあがっているところが良い。
ミカミイズミ「けものFormation」:黒地に緑・青・赤と少ない色で効果的な表現。
柚原一仁「たいる」:四角形中心のシンプルな形だけで表現。
大泉力也「落下美人」:簡単に美人の形は見て取れない抽象版画だが、良く出来ている。
石井誠「海底のカフェ」:海の底を思わせる色彩がとても良い。あえて小品を出す自信があるのだと思う。
「札幌西高等学校美術・書道・写真部校外展」。
稲岡千尋「甘くて、苦い」:中央に赤のパプリカを大胆に描いた作品。周辺の小物に水戸麻記子さんっぽい”ヘンさ”を感じる。
「北大美術部黒百合会100周年記念展」。OB作品の方が圧倒的に良く出来ている。
神原一雄「タワー~わが青春」:青黒い東京タワーを描き、作者の思いを感じる。
岡田操「火の比古」「LamentoⅠ」:裸体で仰向けの人物と、死に装束をつけてうつぶせになる人物の2作品。そこだけ死を思わせる雰囲気が漂う。
住吉雄平「コロニー」:立方体を複雑な形に積み上げた写真作品。不思議な雰囲気。
野又圭司「遺跡」:近美にも出展された作品だな。そこだけ圧倒的な世界が生み出され、展示会場を引き締めている。
■富士フィルムフォトサロン「米山ヒトシ写真展「楽園のいぶき」 Breath of Paradise」。海外で蛍を撮影した作品。あまりの光の凄さにのけぞる。逆にCGかLEDで作ったように見えてしまうくらいである。
■大同ギャラリー「北海道版画協会50周年記念作品集展」。小品が所狭しと並んでおり楽しい展覧会。萩原常良「新緑旭岳」は旭岳を真正面から堂々と描いた作品。宮井保郎「DAY DREAM」は緑の色に凍りついた世界のようだ。
■時計台ギャラリー「北海道現代具象展」。今年も見ごたえあり。
羽生輝「オソツナイ」:いつもの感じといえばそうなのだが、極北の厳しい風景。
畑中優「逃げてきた道-望郷」:背景にものすごい物語を感じる。
醍醐芳晴「BELLY DANCE」:ちょっと珍しい雰囲気。例えるとエドガー・ライス・バローズの「火星シリーズ」の表紙の様だ。
佐藤武「不安な風景」:上空にはいつもの巨大石ではなく、楕円の水溜りのようなものが浮かんでいる。もう一つの小品も、鳥瞰図から文字と建物を取り去ったような不思議風景。
伊藤光悦「ON THE BEACH」:わずかな水に微笑むようにして眠るクジラ。
安田祐三「春の夢」:大きな古木の根元に眠る女性。黄色のバラが3輪、小鳥が2羽。神話のような雰囲気だ。
茶谷雄司「変わりゆくもの」:暗幕の上で横たわる黒髪の女性。服はグレーで、わずかに襟元に白が見えている。これから色づいていくという表現か。
■ivory「藤谷康晴展覧会-ウルトラサイレンス-」。ライブドローイングをやった時と展示内容は同じ。しかし気持ちの高まりを抑えて普通に見ることができる。私は不可知論者に近い立場なのだろうが、もしかすると、この世には見えないものがあるのかもしれないという気がしてくる作品群だ。
もちろんそれを科学で解明する可能性もあるわけで、5次元以上の高次元に折りたたまれている何かがあるのかもしれないし、この宇宙が単なる書割りでセットの裏に何かがあるのかもしれない。
■趣味の郷ギャラリー。年末恒例の絵画オークションが行われていた。無名の人の作品の場合、「3000円・・・、はい決まり!」となる場合と、「3000円→2000円→1000円→500円、はい誰もいない」となる場合がある。
それでも遠めに「お、ちょっといいな」と思った作品は万単位でも誰かが手を上げるのだから、面白いものだ。
ちょっと不思議に思ったのは、会場入口にオークション参加者の記名簿があったのだが、誰一人名前を見かけたことがない。というのは普通ギャラリーで行われている展覧会の芳名帳を見ると、ギャラリーウォッチャーとでもいうべき人がいて、かならず見かける名前が沢山あるのだ。
しかしオークション参加者はギャラリーを回る人たちとは少々層が違うのかも知れない。参加している人の顔をみても、全然見かけたことのある人がいないのであった。