1月7日
富士フイルム→らいらっく→スカイホール→道新。
帯広に移動して、勝毎サロン→市民ギャラリーと計6か所。
1月8日
帯広美術館→帯広百年記念館→帯広市立図書館の3か所。
■帯広美術館「シャガール、パスキンとエコール・ド・パリの綺羅星たち」。正直、北海道立近代美術館のコレクションなので、期待はしていなかったが、この辺の作品を見つめ直す良い機会となった。
マルク・シャガール「ダフニスとクロエシリーズ」:22点の展示があったが、近美でもこれほどいっぺんに展示することは、あまり無いのではないだろうか。初めてどういう話なのか、理解することができた。
キスリング「魚の静物」:改めてみると、サイズも大きいし、なかなかいい作品であることが分かる。
藤田嗣治「フランス娘」:服や髪の毛の柔らかい線は、浮世絵を思わせる。実はこれ木版作品らしい。
藤田嗣治「二人の女」:こちらは墨絵のぼかし技法を使ったかのように見える油彩である。今でこそ、不思議には思わないのかもしれないが、当時のパリでは新鮮だっただろう。
アンドレ・ドラン「裸婦」:これは初めて見るのかもしれない。近美も代表作だけじゃなく、きちんと展示ローテーションを考えて欲しい。
エルミーヌ・ダヴィッド「パリ郊外-二匹の白い犬」:もしかして路面電車が描かれているのか? 今回、改めて見直したのはキスリングとダヴィッドだな。
それからパスキンが50点ほど展示されていた。彼はパリで個展を開催する前日に自殺してしまったらしい。
「荒野の騎手」:アラブ風の感じがする。パスキン作品は結構初めて見るものが多かった。
「犬の愛嬌」:ちょっとカット風というか、イラストタッチの作品。
「カフェの庭で」:キュビスム風の作品。
「裸婦の構図」:決して女性の理想像ではなく、多分、娼館に実際にいたんだろうなと思わせる女性像が多い。
「新聞を読む人」:彼は「良きサマリア人」とか「サロメ」などの古典テーマも書いているのだが、現代作家というか、今の風俗そのものを描いているのだ。
「キューバの人達」:もう一つの特徴は、色彩画家としての側面だろう。決してけばけばしくはないのだが、カラフルな作品も多い。
「フロリダの黒人たち」:彼の作品にはニューヨーク、キューバなども登場する。世界が狭くなり、人間が見通せるようになってきた(思っていただけかもしれないが)時代の雰囲気が感じられるのだ。
コレクションギャラリーの方は「開館20周年記念 コレクションのあゆみ」とあって、カラーの立派な小冊子も無料配布されていた。
カッサンドル「北極星号-フランス北部鉄道」:帯美のプリントアートコレクションの一つ。レールが地平線に向かって、スコーンと突き抜けて描かれている。
小林敬生「蘇生の刻-緑の星-」:世界を思わせる円の中に、あらゆる鳥・魚・虫が濃密に描かれている。
小林敬生「陽はまた昇る-緑の星・08D-」:水辺、水中、ジャングルがオーバーラップしたような構図。白黒なのに濃厚な色彩が感じられそうな気がしてくる。
ギュスターヴ・クールベ「釣り人のいる風景」:大自然が描かれた作品であるが、小さいながらも釣り人が丁寧に描かれている。これは良い作品を入手したのではあるまいか。
素晴らしい青空を見ながら、街の中心部に戻る。
日専連のビルで、佐藤美和子の作品を発見。道展に出品していた人だな。