散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

なぜか広島(20)大和&くじら

2016年09月07日 16時53分54秒 | 旅日記
さて、観光で暮にやってきたら、まずこちらに行かなくてはなるまい。駅から連絡通路で駅裏に行くと、まず見えてくるのが大和ミュージアムである。



まずは企画展「呉の人びとと戦艦大和の記憶」を見る。呉には海軍工廠があったため、軍艦の製造に関する資料が多く残されているのだ。



それはそれとして、やはり目を引くのは10分の1戦艦大和である。当然のことながら、長さが26.3メートルもあるのだ。

 

 

前から上から横から撮影してみた。最後は九州南西沖に沈んだ、現在の350分の1モデルである。

この他にも「回天」十型試作機や、零式艦上戦闘機(いわゆるゼロ戦)、特殊潜航艇「海龍」が展示されている。



アニメに脳をやられている私が展示全体を見て一番思ったのは、「大和には波動砲口がないな…」という感想だったが…。

さて、次は海上自衛隊呉資料館「てつのくじら館」である。入館無料のこの施設、何しろ目玉は通称「てつのくじら」である。

 
→ショッピングセンターの前にどーん!

大和の26.3メートルもすごいが、こちらは76.2メートル。本物の潜水艦が展示されているのである。

館内に入り2階に上がると、まずは自衛隊の掃海の仕事(機雷を除去する)に関する資料が展示されている。いまだに太平洋戦争当時の機雷が発見され、除去されることがあるようだ。陸上でたまに不発弾が発掘されるのと同じようなことなのだろう。



3階に上り、潜水艦の歴史から資料展示が始まる。私が興味あるのは、こんなことだったりして。



そして見学が終わると、展示用潜水艦「あきしお」に乗り込む。この潜水艦は中を見やすくするために一部改造はしているものの、約20年にわたり、実際に自衛隊としての任務を遂行した本物の潜水艦なのである。これを陸上に展示するときには、国内最大のクレーン船が使われ、大変な作業になったらしい。



艦内に入り、とても狭い艦長室、前が何も見えない(機械航行のため)操舵席を撮影。ボランティアの案内係(自衛隊OBなど)がいるのだが、「席に座った所を撮影しなさい」とか、押せ押せで言ってくる。私は写真に写るのが好きじゃないんだよね。

 

夜の艦内照明は赤色灯になるとのこと。潜望鏡はかなりよく見えるため、見学用に作ったデモ映像かと思ったら、実際の景色だった。

 

やはり実物の迫力はすごい。大和ミュージアムともども、セットで見学すると良いだろう。

なぜか広島(19)食堂飲み(2)

2016年09月07日 13時14分41秒 | 食べ歩き
広島駅から、今日は呉へと向かう。呉は見どころも沢山あるし、何より一風変わった食べ物があるのだ。広島から快速で約30分。札幌市民の感覚で行けば、日本海と瀬戸内海の違いはあれど、小樽に行くイメージが近いかもしれない。



呉に到着して昼食を取る。行く前は「あの有名な洋食店もあるし」「いや、呉冷麺の店も」などと思っていたのだが、駅から1分くらいのところに、あの「M」食堂が待ち構えていた。創業100年を超え、最近テレビにも登場した店である。私も記憶が新しいので「ああ、あの店」とつい声に出してしまった。

早速店に入り、まずはレモンハイを注文。広島はレモン押しだが、珍しいことにこちらはオレンジの断片が入っている。これはこれでいい香りだ。



一品もののおかずは沢山あるし、鶏肉スープ・牛肉スープ・豚肉スープなどの実に気になるメニューもある中、私はつい中華そば(400円)を注文。すぐにやってきた中華そばは、まさに探し求めていたビジュアルだ。



スープは至極あっさりしながら、程よい塩分。麺は細くてパッツンと噛み切れる九州タイプか。もやし、メンマ、豚肉、ネギのバランスも過剰なものが何もなく、これがいいのである。

常連客のくつろぎタイムに若干のアウェー感を感じつつも、これは素晴らしい食堂だった。いつの日か、私もショーケースのおかずをさっと一品とり、酒を注文できる老人になりたい。

 

なぜか広島(18)現代美術館

2016年09月07日 12時00分59秒 | ART
昨日は早めに寝たが、今日は6時起床とまあまあ好調。あまり変わり映えのしないホテルの朝食。今日はご飯に納豆、温泉卵をメインにしてみた。その後、こちらの名物、細うどん、レモンパンプディングなどを食べる。



 

その後、中国新聞とコーヒーでのんびり。

さて、今日はまず広島市現代美術館に行こう。昨日、徒歩で近くまで行ってえらい目にあったのだが、ホテルから数分歩いたところから、観光ループバスに乗ると美術館前に到着することが判明した。30分に1本のバスだが、時間を決めていくには使いやすい。



約10分で美術館に到着。この美術館、建物がまずスゴイ。



まず特別展示「1945年±5年 戦争と復興:激動の時代に美術家はなにを描いたのか」から見て行こう。

松本竣介「議事堂のある風景」:国会議事堂の周りをリヤカーを引いた男が歩いている。何ともまだ寂しい風景だ。
前田藤四郎「南の国(原画)」「琉球風景(原画)」:前者は黄色、後者は赤を中心にした色彩で、独特の風土を表現している。
森堯之「ハルビン風景」:描かれた商店の前には、小さな「サッポロビール」の看板がある。

橘作次郎「杭州湾敵前上陸」:緑の荒海が描かれている。
向井潤吉「ロクタク湖白雨」:画面左上から突然の雨、その下を飛行機が飛び、向こうには湖が見えるというスペクタクル作品。
清水登之「南方地下資源」:はっきり言って、アジア開放のための戦争じゃないよね。

山下菊ニ「日本の敵米国の崩壊(人道の敵米国の崩壊)」:いわゆるアメリカの象徴が崩れていく画なのだが、女優のベティ・デイビスが描かれており、結構、アメリカ映画に詳しかったのでは? と言いたくなる。
中山正實「海ゆかば」:神武東征の旅立ちを描き、まあ、勇ましいこと。
福沢一郎「海」:海と言っても山上の湖に見えるようなところで、一人は佇み、一人は釣りをしている。この作品に限らないが、戦前・戦中のきな臭い中では、何とも言えないシュールレアリスム作品が生まれがちな気がする。

靉光「花・変様」:奇怪な植物の画、茎には目玉が一つ見える。
北脇昇「流行現象構造」:リボン、蝶、毛虫などの物体に、関数っぽい曲線を描いた作品。これまた不思議な感じがする。
小早川秋聲「國之楯」:死んだ兵士の顔に、寄せ書きがなされた日本国旗がかけられている。この作品、戦争画でありながら、軍部が受け取りを拒否したそうだ。

吉田博「溶鉱炉」:手前の暗がりと、溶けた鉄の灼熱の色。大迫力の画面である。
北川民次「農漁の図」:ピンクの地面に家畜があふれ、どこか別世界の趣である。
石井柏亭「山河在」:日本は山の国だな、としみじみ思える作品。

佐田勝「廃墟」:青空と雲のしあ、赤い鉄骨と、石の台座だけが残されている。
高原良雄「呉近海の軍艦青葉」:船は傾いているようだ。もう、航海はできないのだろう。
朝井清「広島の夕焼け」:原爆ドームの迫力。

眞島建三「遍歴」:空に浮かぶのは笠だけが残ったキノコ雲だろうか。
北川民次「重荷」:戦後の雰囲気を思わせる、何ともやりきれない作品。
鶴岡政男「重い手」:同上。

岡本太郎「憂愁」:人肌のような岩に刺さる金属製の小旗。いかようにも解釈のできる、難しい作品だ。
杉全直「無題(風景)」:ごちゃごちゃと捨てられたものが描かれているが、空だけは曇りなく青い。
古沢岩美「憑曲」:真っ赤な画面には都市とキノコ雲、空に浮かんでいるのは赤鬼だろうか。何となく「ジョジョの奇妙な冒険」を思わせる奇作。

この展覧会だが、展示が何と11室にわたり、資料も含めて総展示数210点。見ごたえのありすぎる展覧会だった。



夏のワークショップ・プロジェクト2016と題して「あちらの世界? こちらの世界??」というスサイタカコ、関口幸太郎の展示コーナーがあった。こちらは写真撮影可能だったので、インパクトのある作品を見て頂きたい。

  

さらにさらに、常設展示「ヒロシマの現代美術」という展覧会もある。こちらも撮影可能だったので、別項で何点かの作品を紹介したい。



予想観覧時間を大幅に超え、バスを1本遅らせて広島駅に向かうことになった。

なぜか広島(17)バー(3)

2016年09月06日 22時24分14秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
広島の3夜目、バーも3軒目である。今日はまた違う店にということで、画家の名前を取った「D」へ。

先客は夜の店に出勤前の女性であろうか、ちょうど一杯やって店を出るところで、結局私一人となってしまった。1杯目は今日もまたモスコミュールから。どうも私は同じものを飲みすぎるきらいがあるね。



うむ、ジンジャーエールの味わいがしっかりするモスコミュールだ。綺麗に盛り付けられた通しには、生イチジクが入っている。北海道ではあまり食べることのない果物だが、広島では名産品らしい。

2杯目はこれまたロブロイを注文。ベルモットにロタンを使ったしっかりした味わいだ。



この店、1958年創業で今のマスターは2代目とか。昔、喫茶店や酒場に画家の名前を付けるのが流行ったので(ルノアールとか)、ここもそういう名前になったらしい。色々と広島近辺の話を聞かせてもらったが、宮島の鹿は時に泳いで本土にわたってくるとか、雑食性なので、若いころキャンプに行ったら、玉ねぎ以外の食べ物を全部取られたとか、鹿ばなしがおもしろかった。



ちょっとピエール瀧似のマスターに癒され、今日は早めにホテルに戻る。途中、ハイボール缶を買ったが、飲み切れずに就寝。



疲れが出てきたか。

なぜか広島(16)食堂飲み(1)

2016年09月06日 19時07分42秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
広島に来るにあたり、いくつかガイドブックを購入して飲食店の調査を行っていたのだが、その中で非常に気になる店がここであった。どう考えても一般人受けしそうにないのだが、複数のガイドブックで紹介されている、飲み屋というよりは食堂っぽい「S」である。但し、開店が18時なので、やはり飲み屋と考えるべきなのかもしれない。

開店すぐに店に入ると、先客1名。私はL字カウンターの手前部中央に座ることにしたが、後でゆっくり壁を見ると「なるべく奥からつめてください」との注意書きがあった。怒られはしなかったが、初めて来たんだから分からないよ。

注文はビール小、そして品書きを見て鯖焼き、マカロニサラダと定番どころを素早く注文した。鯖は胴体部と尻尾部を選べるようなので、胴体部を注文する。



ふむふむ、これはまさに食堂飲みというべき、良い感じだ。北海道ではほぼ見かけないが、おかずを組み合わせて定食にもできるし、おかず単品を酒のつまみにもできるというシステムである。私の前にも出来上がったおかずケースがあり、品物により「これ、あたためますね」と出してくれるのである。



続いて、煮豚も美味そうだったが、西方面は牛肉だろうということで牛肉煮込みを注文。飲み物はレモンハイを頼もう。





牛肉煮込みはゴボウやこんにゃくなど、他のものが一切入っていない純粋煮込みだ。これはいいね。

ついレモンハイをもう1杯たのんで、どうしてもここで頼まなくてはいけないメニューが名物カレー汁である。まずはその姿を見てもらおう。



当然、食堂であるからご飯にカレー汁という組み合わせもあるが、酒のつまみにも良いというものなのである。食べてみるとかなり液体に近い状態で、あまりスパイス感のない、家庭のカレーの味である。だからこそつまみになるのだろう。これはカレー好きの私にはまさにストライクのつまみであった。どこか、札幌の飲食店でこれを出さないものか。

店の方はごく普通に力まず、それでいて素早く料理を出すことに専念しているようだった。こういうある種の洗練といえるところも、私の好みである。


なぜか広島(15)平和記念資料館

2016年09月06日 16時24分49秒 | 旅日記
広島に来て、ここを避けて通ることはできない。歩いて平和記念公園方面に移動し、まずは原爆ドームを見る。昔からある建物なので、それほど大きなものでないとは思っていたが、まさにその通り。4~5階建ての小ビルくらいのサイズ感であろうか。



しかしながら、この建物を見れば、過去に思いを馳せざるを得まい。周りには各国の旅行者らしき人たちがいたが、いずれも言葉少なくドームを見上げたり、写真を撮影している。



ついぐるりとドームを一周し、平和記念公園側に橋を渡ったところからも撮影。



この周辺は様々な記念碑が沢山あるが、これは別項で写真を公開したいと思う。今日の広島はかなり暑い。休憩所に入り、珍しく炭酸入りジュースを飲む。冷たさがのどに染み渡る。

 

平和記念公園内の「平和の灯」。中央に小さく炎が見える。



「原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)」。「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という碑文があるのだが、本当に繰り返さないための努力をすべきである。



国立広島原爆死没者追悼平和祈念館では「原爆体験記―ヒロシマ原点の記録―」という企画展をやっている。



館内ではスロープを下っていくと、平和祈念・死没者追悼空間というスペースがある。壁には当時の広島の町名が刻まれており、当時をイメージできるようになっているのだが、少々作りがきれいに過ぎるようにも思える。本当の被害はこんな静謐な感じではなかったのだろうと思うのだ。



しかし、その後にある遺影コーナー(原爆により亡くなった方の名前と顔写真が記録されている)は、事実の重みを感じさせる。

次は広島平和記念資料館だ。



展示室に入ると被災当時の広島市の模型があり、その上に赤い球が浮かんでいる。これは地上600メートルで爆発し、1秒後に直径280メートルにまで広がった火球を表現しているらしい。想像以上の至近距離で核爆発が起きたことが分かる。



次の写真は広島に投下された原子爆弾の模型である。さほど大きなサイズではない。



ほぼ一面焼け野原となった中、たまたま倒れずに残った煙突。

 

ここまでは一般的な資料感覚で見ていたのだが、次に原爆の熱線のため住友銀行広島支店の階段に人影が残されたという資料があった。さすがにこれを平気で写真に撮る神経は私には無い。ここからしばらく、ひたすら資料を見つめるばかりである。

展示室が終わり、通路スペースのようなところに、先日来日し、広島にもやってきたオバマ大統領が作った折り鶴が展示されていた。

 

私はオバマ大統領が平和をこよなく愛する人とも簡単には思わないが、少なくともメッセージを発信していることは間違いないだろう。「核兵器の先制不使用」に反対したとの報道があった、日本の首相よりはね。

色々と物思いつつ、平和公園を後にする。

途中で旧日本銀行広島支店における「収蔵資料展」があったので、それも見学して、今日の活動は終了。

 

やや時間もあり、疲労感も強い。一旦ホテルで休憩しよう。

なぜか広島(14)広島つけ麺

2016年09月06日 12時59分58秒 | 食べ歩き
さて、昼食は広島のB級グルメと行くか。それほど猛烈に興味をひかれたわけでもないので、広島つけ麺でも、汁無し担々麺でも良いのだが、ブラブラ歩いているうちに発見した、「B」という店に入ってみることにした。普通のラーメンや悪魔ラーメン(辛いのか?)もあるようだが、ここは広島つけ麺にしてみよう。

注文は麺小盛り(1玉)、トッピング追加なし、3辛としてみたが、辛さは卓上の辛味を自分で調節しながら入れてくれとのこと。そうか、店に申告するタイプではないのか。

しばらくすると広島つけ麺が到着。細い麺の上に、茹でキャベツ、ネギ、刺身のつま状の大根、チャーシュー3枚、ゆで卵半分が乗っている。



つけダレは、ゴマが大量に浮かんだあっさり味。



確かにこの時点では辛味が無いため、小匙で辛子味噌のような赤いものを入れてみた。さらに山椒を少し入れ、麺をつけて食べてみる。おお、これはなかなか辛いね。後で辛さの度合いが書いてあるのに気が付いたのだが、小匙1杯入れると、もう3辛位なのだそうだ。加減が分からないので、危なく味も見ずにもう1匙入れるところだったよ。

食べている最中なのでお見苦しいが、タレに麺と具を投入すると、こんな感じになる。



麺は細くて歯ごたえというよりは、つるつるさっぱり食べられるのを重視したものだろう。野菜は冷やした茹でキャベツは正解。ネギはちょっと固まっていたが、ほぐしながら食べるとこれもいい。大根は麺と同じくらいの太さながら、歯触りが全然違うので、少々疑問があるなあ。チャーシューも冷えているのだが、決して脂の塊のようではなく、柔らかく食べられるので悪くない。

店の兄ちゃんのダルい感じがもう一つだったが、広島つけ麺自体は、悪くない食べ物だと思った。特に夏には素麺よりはスタミナが付き、ラーメンのように暑くならない、適切なメニューだと思う。それから写真を見て、もっとレモンを絞り込んで食べてみるべきだったと、いまさら思う。


なぜか広島(13)比治山公園付近

2016年09月06日 12時07分09秒 | ART
旅は3日目に入る。朝6時前に起きて、少し広島の街中を散歩した。天気は悪くない感じ。



少し体を動かすと、朝食が美味しく食べられる。今日はレモンポトフ、スクランブルエッグ、ベーコンなど、やや洋食傾向にしてみたが、お好み焼きがあったので、円形の8分の1ほど食べてみた。ま、出来立てじゃないけどね。



ホテルから平和大通りに出て、比治山公園方面を目指す。どんなところだか良く分からないが、ガイドマップに「屋外アート」のある公園として紹介されているのだ。途中の平和大通りにはやけに灯籠がある。例えば次の灯籠は、京都豊国神社の灯籠を模したものらしい。



京橋川にかかる鶴見橋を渡る。ここにきて、ついに広島の暑さがベールを脱いできただろうか。ちょっと前までの最高気温37度とはいかないが、北海道人の私には相当暑い(結果、今日の最高気温は33度)。



暑い中、比治山公園へ。地名に「山」と入っているのに気が付いていなかったのだが、公園はそこそこの高台にあるんだね。汗だくになりながら、坂を上る。実はここには広島市現代美術館もあるのだが、訳あって、今日は美術館をパスし、周辺の彫刻撮影に専念することにした。

まずはヘンリー・ムーア「アーチ」。高さ3メートルを超える、巨大な彫刻である。



野田正明「疾風 フラッシュバック2000」。



作品紹介が近くに見当たらなかった2作品。

 

広島市まんが図書館の前にある、舟越保武「笛吹き少年」。



まんが図書館は本当にまんがばかりが収蔵されている。民業圧迫の気配がないでもない。



田中薫「1・1・√2」。



最上壽之「テクテクテクテク」。平日の日中のせいか、このあたり、ほとんどだれもいない。



実はこの公園、街並みからこんなに高いところにあるのだ。普通の道は驚くほど遠回りのため、急な坂を下り、ショートカットして街中に戻る。

 

いや、もう汗だくですわ。

なぜか広島(12)バー(2)

2016年09月05日 22時11分04秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
広島、2夜めの今日もバーへ行こう。1939年に開業したという老舗バー「K」である。先客は無く、年配のマスターが一人で出迎えてくれた。まさか開店時からこの方がやっているわけもあるまいが、落ち着いて飲めそうである。

1杯目は今日もモスコミュールから。落ち着いた手さばきで到着したカクテルは期待通りに美味い。



突き出しにブルーチーズと干しブドウ。この相性がとても良い。

札幌から来たことを話すと、今の広島はこの話題だろう。決してそれほど熱中しているわけではないというマスターも広島カープの話が始まると止まらなくなった。私も25年前の優勝は今一つ覚えていないのだが、赤ヘル軍団として初優勝した時の方が記憶にある。「覚えている選手といえば、外木場ですかね」と古い話題を繰り出してみた。

広島は野球が昔から盛んらしく「鶴岡、藤村も広島県出身」とマスターが言うので、「鶴岡一人、藤村富美男ですよね」と見たことも無い選手を知っているかの如く、話を合わせる私であった。

2杯目は今日もロブロイを注文。



3杯目はカウンターにフェルネットブランカがあったので、「あれを使ったカクテルはありますか?」というと、「無いんだよね」とマスター。「もともと、これとオレンジジュースを混ぜて飲みたいという人がいて入れたんだけど、味があまりいいもんじゃないからさ」というのである。

秋田のバー以来、年配のバーテンダー氏に無茶振りすると断られることが最近多かったのだが、もしかしてこれが普通なのかな? 私が普段行くバーは、どんな注文をしてみても、それなりに考えてくれるので当たり前のことだと思っていたのだが、その考えが誤っていたのかもしれない。

結局マスターは困りつつもウォッカ+フェルネットブランカ+レモンのカクテルを作ってくれて、それを飲んだ。いい勉強になったかも。

この後、広島のローカルコンビニ、ポプラに立ち寄ってからホテルに戻る。

 

なぜか広島(11)鉄板焼き

2016年09月05日 19時47分46秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
さあ行こうと思ったものの、開店時間までまだ少しあり、繁華街を散策した後に鉄板焼きの店「N」に入る。開店から数分経過したところだが、カウンター席は半分以上が埋まっていた。後から来た客は予約なしでは入れない人もおり、危ないところであった。



鉄板間近の席で、さっきビールを飲んだので、レモンハイを注文。焼き物が出来上がる前にということで、煮込みを注文。



煮込みはネギたっぷりの素晴らしいビジュアル。中は牛すじ(かな?)、大根、ジャガイモ(珍しい)、コンニャクなど。青ネギが嬉しく、その上に、唐辛子もかかっているが、ちょうどいい辛さである。これ、煮込みの具はもちろんだが、スープ部分も絶品の美味さだね。

次は広島鉄板焼きの中でも女子受けする一品、ウニクレソンである。かなりの客がこのメニューを注文しているが、やっと私のところにも回ってきた。ウニとクレソンを鉄板焼きの上で合わせ、それをバゲットにのせて食べるのである。



クレソンを炒めると空芯菜にも似た歯ごたえと味わい。ここにウニとバターの風味が合わさり、確かに美味い。私は何でもかんでもレモンをかけるのが好きではないが、バター風味にレモンがまた合うのだね。

続いて、ホルモン炒めを注文。これはサラダのように生野菜を盛り、その上に炒めたホルモンとネギを乗せたもの。またもやレモンがついてくるのだが、絞ってみると相性がいい。ウニクレソンもそうだったのだが、最後に残った汁が異常に美味くなるのだ。



後で知ったのだが、広島は日本最大のレモン産出県であり、特に最近、レモン押しなのだそうだ。やけにレモンが出てくると不思議に思ったのだが、そういうことらしい。実際、美味いし文句はない。

そして最後は目の前で作るお好み焼きである。私と別の客のお好み焼きが同時進行である。



お好み焼きを作る鉄板の近くにいない人は、出来上がったものを皿にのせて持っていくようであったが、私はちょうど焼いている場所の前にいるため、店の人から「皿? 鉄板?」と聞かれ、つい「鉄板」と答えてしまった。

するとコテが登場。そう、広島では本来お好み焼きは箸ではなくコテで食べるのだ。しかし、店でお好み焼きを食べたことが1桁回数しかない(しかも関西風のみ)のに、大丈夫なのかね?



そうこうしているうちに、お好み焼き到着。一応理論だけは知っているため、これを放射状には切らずに、端から角型に切って食べる。…熱い、食べるのにてこずるなあ…。



しかし、このお好み焼き、キャベツの甘味が凝縮され、ソバの炒め具合よく、何よりもオタフクソースがいい。甘味はもちろんあるが、酸味やスパイシーな感じもあるため、食べ飽きない。これは想像していた以上の味である。

キャベツとソバが主成分であるため、何とかあまりもたれずに食べきることができた。広島の鉄板焼きの店、なかなか面白いものである。他にも食べたくなるメニューは沢山あったが(宴会に出ていたステーキは非常に美味そうだった)、これ以上は無理だ。残念。


なぜか広島(10)ビールスタンド

2016年09月05日 17時35分23秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
またもや1時間強かけて、宮島から宮島口へ、広電で銀山町へ移動する。今日の一杯と行きたいところだが、目的の店の開店時間まではややしばらくある。ちょうど、興味深い店、「BSS」があるので、ちょいと立ち寄ってみよう。

 

この店、本来は酒屋さんなのであるが、夕方の2時間に限り、ビールスタンドとして営業しているのである。店の人に聞くと、「あまり長時間やると、飲食店さんの営業妨害になるからね」とのことであった。興味深いのはそれだけではない。昔ながらのビアサーバーを使い、4種類の注ぎ方で、それぞれ違う味わいのビールを出すのだとか。

早速入店しようとすると、「そちらで少しお待ちください」とのこと。店内には3つの樽カウンターがあり、最大でも客は3組(各組2~3名程度か)しか入れないようなのだ。待ち行列の先頭に立った私だが、待つ間にも次々と客がくる。10分程度の待ちで、何とか入店することができた。立ち飲みで、かつビール2杯までということなので、長時間待つことはないのである。

早速メニューを見て、迷ったものの「弐度注ぎ(昭和)」を注文することにした(昭和生まれだからね)。



壱度注ぎというのがサーバーから一気にビールを注ぐもので、弐度注ぎはその後に、泡だけ置き換えるという方式の次ぎ方なのである。昭和はやわらかい泡に、平成はもっちり感の泡に置き換えるらしい。



あまりにも泡が美味そうだったので、グイッと飲んだ後の写真で申し訳ない。なるほどこれは、ビールの温度も良いし、スムースに飲めるようになっている。新橋で古いビールサーバーを使うビアホールに行ったことがあるが、それを思い起こさせるような味だ。

これはいい経験をした。本格的に飲みだす前の一杯のビール。勢いをつけて次に行こう。

なぜか広島(9)宮島にて

2016年09月05日 16時08分23秒 | 旅日記
昼食も終了し、本格的な宮島見学に入ることにしよう。表参道商店街を道なりに歩いて、海岸沿いに出ると、まず目に入るのが厳島神社の大鳥居である。工事用の足場がかかっているのが残念だが、やはり第一の見ものはこれだ。



そしてその周辺には鹿が歩いている。奈良の鹿のように、鹿せんべいめがけてぐいぐいとは来なかったのだが、今は発情期なので特に牡鹿に手を出すのは良くないらしい。後でフェリー乗り場に戻ったときに、どこかの中学生がジャージを噛まれて、逃げられなくなっていた。



そして厳島神社には奉納された狛犬がやたらに多い。どれが一番古いか良く分からないが、適当に撮影したものを、1枚アップしておこう。



ここからちょっと山側に上り、豊国神社(千畳閣)から五重塔を見る。いずれも重要文化財である。

 

五重塔は1407年建立、高さ29.3メートルである。東寺、興福寺、法隆寺、浅草寺といろいろ五重塔を見てきたが、また一つ見ることができた。

次は御手洗川を渡り、大聖院へと向かう。川の岸辺には、涼んでいるのだろうか、鹿が何匹も座っていた。



大聖院の仁王門から入り、上り下りの激しい道に耐え、いろいろと仏像・仏閣を見て回る。これはかなりハードだ。

 

ぐったり疲れて、坂を下る。「水どう」ファンなら「1番! 大聖院!」とポーズをとりたくなるかもしれないが、そんな気力もない。



さて、次は厳島神社の宝物館へ行こう。



「大太刀」:刃渡りが160~170センチはあるだろうか、本当に見たことのない程の刀である。重文。
「平家納経」:さすがにレプリカ展示である。
「三幅対 布袋・大黒・寿老人」:あまりにもさりげなく展示してあるが、狩野探幽画って本当か(失礼発言、申し訳ない)。

この後、大願寺をちらりと眺め、おみくじを引き、引き潮になった状態の大鳥居を見る。



しかし、東側から厳島神社の拝殿には行けないんだよね。一旦、西側まで戻り、拝殿を見学したうえで、もう一回戻ってフェリーに乗る気力が無い。ここまで来ておきながら、厳島神社の拝殿に上がらないという荒技に出てしまった。もう一生来ないかもしれない宮島。これはこれでしょうがないか。

ところで、私は長らく宮島の事を単なる地名だと思っており、本当に島だったことに気が付いたのは、比較的近年だったと白状しておこう。

なぜか広島(8)名物穴子

2016年09月05日 13時40分26秒 | 食べ歩き
今日の宮島は台風の予報もあったためか、訪れる人はおそらく少ないだろう。穴子めしを出す有名店でも店の外まで行列しているところは無いように見える。参道をぶらぶらし、世界一のしゃもじなどを見ながら、昼食の場所を探す。



まあ、どこでもそれほど変わるまいと乱暴なことを考え、「M」食堂というところに入ってみる。座敷にあがり、穴子づくし定食と竹鶴燗を注文。



定食は穴子めし、穴子肝吸い、穴子南蛮漬け、穴子骨せんべい、漬物のセットである。これ、何といっても穴子めしが美味い。甘めのタレが香ばしく香り、また穴子のダシで炊いたご飯の部分だけでも美味いのだ。肝吸いは肝の苦みが感じられて、これも良かった。

また、竹鶴は黄色みがかった色がついており、酸味も強く個性的な味。これは穴子骨せんべいでのんびりと飲む。いや、これから寺社見学をするのだから、程々にしなくては。


なぜか広島(7)宮島へ

2016年09月05日 12時25分58秒 | 旅日記
広島は今日も曇、時々雨。湿度が実に高い。まずは近くにある天満屋広島八丁堀店美術画廊と広島三越美術画廊へ。



■天満屋広島八丁堀店美術画廊「千住博版画展」「草間彌生作品展」。常設展示コーナーも含め、なかなか立派な画廊である。札幌にはこんな所は無い。
草間彌生「帽子」:なかなかの大作で、1944万円。
白髪一雄「無題」:草間彌生の作品以外にも、いくつか面白い作品を展示しており、これは小さい抽象画ながら、1296万円もする。

三越の方はちょうど展示替えだったため、常設の小さな展示を見る。

デパートの前の電車通りに出て、広島電鉄宮島口へ乗り込む。



電車の中は小ぢんまりとした座席に区切られており、街の中心部をきわめてゆっくりと進む。停留所でも、こんなにのんびりしなくてもと思うくらい、ゆったりと停車する。



おや、広島SOGOは営業しているのか。ロゴの色が札幌では赤だったような気がするのだが…



宮島口まで約50分程度かかるので、途中で一日乗車乗船券を購入。乗車日に該当する数字を削るスクラッチカード方式なのだが、力の加減が良く分からず、数字のところを削り落としてしまう。まあ、何とか読み取れるだろう。

 

広電西広島というところからは路面を走らないためか高速移動し、やっと宮島口へ。



広電系列のフェリーに乗り込む。宮島へは、JRと広電が並走しており、さらにフェリーもこの2社が運航しているので、分かりにくい。元気払いなら問題ないのだろうが、一日乗車乗船券では広電の方にしか乗ることができないのだ。



フェリーで10分弱、宮島に到着。フェリー乗り場はやけに立派である。

 

名物の穴子めしを出す食堂も沢山あるようだが、先に昼食を取ろうかな。


なぜか広島(6)ホテル朝食

2016年09月05日 09時16分33秒 | 食べ歩き
前日、そこそこ飲んでしまい、7時頃にのんびり起床。身支度をして、8時頃昼食会場へ。いわゆるホテルのバイキング朝食だったが、それなりに郷土料理も盛り込まれ、まずまず満足できる感じであった。4日間、大体似たようなものを食べたので、初日だけは少し丁寧に記述しておきたい。

まずは赤鶏の炊き込みご飯と具だくさん味噌汁。肉じゃが、安芸津ジャガイモのジャーマンポテト、がんす、赤天、のど黒干物、にぎす、豆腐、広島菜の漬物を取ってみた。



がんすと赤天は魚の練り物のフライのような感じ。肉じゃがは広島県呉市名物の結構甘い味付け。のど黒はいわゆる高級魚なのだが、小さいやつはそうでもないようだ。にぎすは外見だけキスに似ているが、別種の魚らしい。ちょっとほろ苦い味がする。

第2弾はあれば見逃せない、カレー。呉名物の甘口とのことだったが、そこそこスパイシーさがある。野菜は形を残しつつ柔らかく、牛肉はトロトロに煮込まれていた。これはなかなか美味い。



フルーツと牛乳ゼリーなどをデザートに食べる。



レストランの出口にドリップコーヒーがあったので、部屋に持ち帰り、購入した中国新聞を読みつつのんびり。

今日は9時過ぎに出発だ。