最近は変なマークやキャラクターが増えましたが、よく考えてみると、戦国時代の兜のマークや家紋などもありましたし、ヒトラーの鉤十字やフリーメイソンのマークなんかもあり、現在の日本中の会社にロゴマークがあります。古今東西でマークを量産してきたのが人類の歴史かもしれませんね。
ところで、高齢の運転者マークがもみじマークから四つ葉マークに変更されるというニュースがありました。理由はマークの形が涙や落ち葉に見えるからだそうです。意見が寄せられたのは殆どが高齢者からで、言い分としては自分たちは枯れてもいないし悲しい訳でもない、涙や落ち葉は相応しくないといったところでしょうか。まあ、気持ちはわからなくもありません。
しかしひとつ疑問があります。何故マークでないといけないのでしょうか。文字では駄目なのでしょうか。
貸切バスには貸切と表示されています。見た人はそのバスが乗合ではなく貸切なのだと分かります。タンクローリーには危険の危の字が大きく書かれた金属板が前部後部に取り付けられています。見た人はタンクの中に危険物が入っていると分かります。これらの字の代わりにマークだったらどうなんでしょうか。デザイナーの意図が必ずしも正確に伝わるとは限りません。マークの意味が分からない人が貸切バスに乗り込もうとしたり、十分な車間距離を取らずにタンクローリーに追突したりするかもしれないのです。今回紹介されている四つ葉マークにしても、シニアのエスを真ん中に表現していることなど、説明されなければ分かりません。
変なマークをやめて、高齢者という文字にすれば分かりやすいと思います。またはタンクローリーの例に倣って老の一文字でもいい。前方を走行しているのが高齢者運転の自動車だと分かれば注意の度合いも変わります。高齢運転者本人だけでなく周囲の運転者の安全のためにも分かりやすい表示が望ましいのです。マークだと高齢者の運転なのかどうか分からない可能性が高いでしょう。周知に時間もお金もかかります。
文字にしない理由は、自分が高齢者だと不特定多数に知らしめるのは恥ずかしいという気持ちや自分はまだまだしゃんとしているというプライドを慮ってのことだと思いますが、羞恥心やプライドでは事故は防止できません。個人情報保護などという妙な法律ができたおかげで、何でもかんでも個人情報だからといって教えない傾向にありますが、変なところまでマークにして情報を曖昧にするのはよくないと思います。警察庁はやっぱりアホですね。