三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

春眠暁を覚えず

2008年04月26日 | 日記・エッセイ・コラム
夜中の4時に知らない番号から着信がありました。30秒ほど呼び出し音が鳴って、目を覚まして出ようとしたときに切れました。仕事の電話か、親類縁者に何か不幸でもあったのかと思いつつ、とにかく明日にしようとまた寝ました。

翌朝会社から電話をかけてみると、いくつかの店舗がテナントとして入っているビルの防災センターにかかりました。重大な過失でもやらかしたのかと冷や冷やしながら話を聞くと、深夜の巡回警備の際に施錠忘れが発見されたとのこと。それくらいのことだったのかと逆に驚きました。店舗が施錠を忘れてもビル自体は厳重に戸締まりがされている訳で、ボヤが起きたとかならいざ知らず、施錠忘れくらいで真夜中に個人の携帯電話にかけてくる神経はどうかしています。どうかしていますが、ディベロッパーとしては割と一般的なのです。大抵のディベロッパーはテナントに対して「貸してやっている」という意識を持っています。だから自分たちの規則をショッピングセンターの規則、館全体の規則だと言い張って押しつけてきます。今回もやはり同じように、反則金を徴収することになります!と言われました。いつものことです。

それはともかく、夜中に起こされたせいか、以来、身体の調子がおかしくて、仕事中に眠くて仕方ありません。頭もぼうっとして、思考能力が著しく低下しているのが自分でもよくわかります。坐骨神経痛も悪化していて最近は首の方まで痛みますから、そのせいで血行が悪くなっているのかもしれません。

「身体が動かないなら頭を使え!」と、社長に言われたことがあって、それは現状よりもっともっと頭を使えという意味合いですから、思考能力がこれ以上悪くなると会社に居れません。身体についても仕事についても状況がジワジワと悪くなっています。嫌な予感がします。


猫よけの「ガーデンバリア」

2008年04月19日 | 政治・社会・会社

世田谷区にある中華料理店の店長から次のような報告がありました。

店舗敷地内の駐車場の端に2㎡くらいの土の部分があって、そこを耕してフェンネルを植えていました。ささやかな畑です。その畑に、道路を挟んで斜向かいの家に住むお年寄が飼っている猫がいつもフンをします。猫のフンは野菜を枯らしてしまうのでその都度掃除をしていました。しかし毎日のようにフンをされるので、せっかく植えたフェンネルが枯れてしまわないように、網を張って猫が入れないようにしました。すると次の日の朝、網が取り外され、やはり猫のフンがありました。人間の足跡もあります。こうなると相手は猫ではなく人間ということになるので、もう一度網を張って、「立入禁止」の立て札を立てました。すると次の日の朝、前日と同様に網が取り外され、立て札は引っこ抜かれて放り投げられていました。そしてやはり猫のフンがありました。そういうことを繰り返しているうちに、とうとうフェンネルは枯れてしまいました。今年はもう諦めることにしました。畑には相変わらず猫がフンをして臭いがひどいのでやはり毎日片付けなければなりません。

近隣の住民の方とは大抵仲良くしていて、会えば挨拶をするし、店周りを掃き掃除するときは近隣の家の前も掃除します。「悪いわねえ」などと声を掛けてくれます。ときどきはお店に食事に来てもくれます。ただ、斜向かいのお年寄りだけはこの十年間、一度も来たことがないと店長は言っていました。

また、店舗専用のゴミ置き場に家庭ゴミが捨てられていることがあります。それも、袋に入れた状態ではなく、その場でぶちまけたような捨て方です。ちゃんと袋や箱に入れられたものしか回収してくれないので、朝はそのゴミ集めに時間を取られます。店舗のゴミは家庭ゴミと違って産業廃棄物ですから、ゴミの回収業者にキロ単位の従量料金を支払って回収してもらっています。つまり、家庭のゴミを捨てられたらそれの片付けにかかる人件費と、産業廃棄物としての回収料金の両方が発生する訳で、会社から利益を搾り出すように言われている店長としては、かなり困っています。

ある朝、早く出勤したときに、その店舗専用のゴミ置き場に、ゴミの袋を持って近づいてくる、例のお年寄りとばったり会いました。この人だったのか、と思って見ていると、何食わぬ顔でゴミの袋を持ったまま戻っていきました。厨房のチーフは怒り心頭ですが、近隣だから揉め事はダメと、店長が諌めています。

せめて猫のフンだけでも、店舗の敷地内でさせないようにできないものかと店長が悩んでいたので、インターネットで解決策を探しているうちに、「ガーデンバリア」なる商品を見つけました。電池式で防水、猫が近づくと大音量を出して追い払うというもの。電池は半年間持つし、もし効き目がなかったら半年以内であれば返品も受け付けるとのことで、買うことにしました。それが今日、店舗に届いて早速設置したとのことでした。少なくとも2週間以内には効果が出るそうなので、報告が楽しみです。

万が一、この「ガーデンバリア」が壊されたり、なくなったりしたら、そのときはさすがに警察に連絡するか、便利屋さんに頼んで一日中見張ってもらうか、または防犯カメラでも設置しようかなと思っています。

料理は中国人のコックさんが作っていますが、中国人と中国政府が別であるということは、店舗のお客様は皆理解しているので、純粋に本場の料理を楽しんでくれています。しかし、世の中には、日本人と日本政府が別であることは分かっているのに、中国人と中国政府が別であることを理解しない人もいます。斜向かいに住むお年寄りはもしかしたらそういう人なのかもしれません。だとすれば、救いようがありません。警察は多分動いてくれないし、役所に相談してもたらい回しで終わりそうだし、本人に直談判したら余計にエスカレートしそうだしで、なんとか「ガーデンバリア」がちゃんと効果を発揮して、猫が諦めて別のトイレを見つけて、お年寄りもそれに気づいて畑を荒らしたり自分の家のゴミを捨てに来たりしなくなるという、理想的な結果になるように願っています。

多分無理だとは思いますが。


皐月賞~穴馬ノットアローン

2008年04月19日 | 競馬
皐月賞G1です。先週に引き続き、かなりの混戦が予想され、もしかしたらまたもや大万馬券なんてことにもなりそうな気がします。

マイネルチャールズはこのところ中山2000mを3連勝。勝つたびに時計が1秒ずつ短縮されていて1番人気は当然ですが、先行して抜け出すという優等生競馬が本番でも出来るほどの馬なのかというと、ちょっと疑問。でも成績はこのメンバーでは抜きん出ています。

ブラックシェルは前走、出走馬中最も速い上がりタイムを記録しましたが惜しくも届かず2着ということで、本番での巻き返しを期待されて2番人気に押されています。武豊ジョッキーはヴァーミリアンの結果やポルトフィーノの取消など、あまり風が吹いていない感じ。馬も輸送でイレコミが心配。

ショウナンアルバは、前走の引っかかり具合はひどく、よくあれで3着に来たものだと思います。本番はもう少し速くなるだろうから、期待できるかもということで3番人気ですが、またしても気性の悪さを出さないとも限らず、信頼性はいまひとつ。

スマイルジャックは桜花賞ジョッキーの小牧騎手。前走のスプリングステークスは前々走から10キロ減の馬体重。今年のメンバーを考えると食い込む余地はあるかもしれませんが、普通なら、本番では用なし。2着のフローテーションに、もう一発があるかも。

ノットアローンの若葉ステークスの勝ちタイムは弥生賞よりも0.2秒速く、前残りになりそうな馬場状態を考えると、有力かもしれません。瞬発力という面でも、芝コースで2着を2馬身(0.4秒)以上離して勝ったことがあるのは、この馬を入れて4頭。

ノットアローン(未勝利戦1800mで0.8秒差)
ドリームシグナル(シンザン記念芝1600mで0.4秒差)
レッツゴーキリシマ(かえで賞1400mで0.5秒差)
ショウナンアルバ(未勝利戦1600mで0.4秒差)

レースの格としてはシンザン記念のドリームシグナルの0.4秒差に価値があり、次は、ノットアローンの0.8秒差。

他の馬では、休み明けを叩いたフサイチアソートキャプテントゥーレ、如月賞勝ちのレインボーペガサス、着順は別にして、いつも出走馬の中で1、2番目に速い末脚を繰り出しているベンチャーナインなど、取り上げればキリがありませんが、中ではキャプテントゥーレかなと思います。

◎ノットアローン
〇ドリームシグナル
▲レッツゴーキリシマ
△キャプテントゥーレ
△マイネルチャールズ

◎から馬連、馬単と3連単マルチを買います。


弱い者いじめ

2008年04月15日 | 政治・社会・会社

自分が客だと、必要以上にエラそうな態度になる人がいます。一様にプライドが高くヒステリックで、言葉遣いもよくありません。苦情処理を担当していると、そんな人の相手を嫌になるくらい沢山させられます。従業員の言葉遣いについて苦情を言い立てる前に自分の言葉遣いを直した方がよろしいのでは?と言いたくなるような人ばかりです。
店舗の従業員と言えども人間ですから、感じのいい客相手のときは自然に笑顔も出ますし、親切にしてあげたくもなります。しかし感じの悪い客相手だと表情も硬くなるし、必要以上に親切にしようという気になりません。もちろん商売ですから、表面的にはニコニコして接客しますし丁寧な言葉遣いもしますが、特別に気を利かせることはしません。当然のことだと思います。感じの悪い客というのは、あからさまに上からものを言う人、従業員を奴隷のように扱って無理難題を押しつける人、はじめから喧嘩腰の人、自分で説明できないことを従業員が理解しないと理不尽に怒る人などです。こういった人が相手の場合、接客用語を駆使した丁重な応対とは裏腹に、胸の内では(二度と来るな!)とはらわたが煮えくり返っています。もちろんマニュアル以上のサービスは絶対にしないし、その場限りの客と見て高いものを売り付ける場合もあります。こういう事態は客にとって不利なことだと思います。接客のプロならどんな相手にも等しく丁寧に誠実に対応しなければならないという頭の固い議論はあるでしょうが、コミュニケーションという観点からすれば、客が自分の要望を満たしてもらうためには、相手の従業員と良好な関係を築くのが近道であることは自明の理です。それをしないからどこに行ってもあまりいい扱いを受けない訳で、自ら好んで損をしているとしか思えません。感じの悪い対応をされたと苦情を言い立ててくる人は、実はその人自身のコミュニケーション能力に問題がある人なのです。そしてそういうに限って自覚がなく、自分のコミュニケーション能力不足のためにひどい接客をされていることにちっとも気づいていませんし、多分一生気づかないと思います。立場の弱い人間に対してしかものを言うことのできない情けない人々です。こういう人たちは、自分たちの行なっていることが「いじめ」の構造そのものであるということにも気づきません。日本から弱い者いじめはなくならないし、いじめられた子供たちが次々に死んでいくのを止めることもできません。社会全体にいじめの構造が蔓延しているからです。日本に未来などありません。

それにしても桜花賞の結果には参りました。皐月賞はそれでなくても軸が絞りづらいメンバーですから、また大荒れになりそうな予感がします。日本に未来はないけれども、来週の競馬があり、その次の週も競馬はあります。こういう風に問題を先延ばしにしながら人類は続いていくのでしょうね。ひずみが一番大きなところから次々に破綻して、最後は誰もいなくなるのでしょう。早くそのときが来た方がいいのかもしれません。


桜花賞~エイムアットビップ

2008年04月12日 | 競馬
桜花賞G1です。ポルトフィーノが取消で、角居厩舎に暗雲が漂ってきたような気がします。トールポピーも危ないかも。
本命は前走フィリーズレビューを1番人気で10着に負けたエイムアットビップで、対抗は昨秋、そのエイムアットビップと2戦続けて勝ち負けをしたオディール
チューリップ賞勝ちのエアパスカルは前走が8キロ減の418キロ。ちょっと線が細すぎるのでここは消し。
フラワーカップ勝ちのブラックエンブレムは桜花賞に必要なピリッとした切れ味に欠けると見て消し。
ディヴェロッパーと間違えそうな名前のデヴェロッペは初コース初輸送で厳しそう。

◎エイムアットビップ
〇オディール
▲トールポピー
△リトルアマポーラ
△マイネレーツェル

馬単と3連単。頭から狙います。


大阪杯~ドリームパスポート

2008年04月06日 | 競馬
大阪杯G2です。有馬記念以来の2強、ダイワスカーレットメイショウサムソンが人気になりますが、ここはドリームパスポートから。

◎ドリームパスポート
〇ダイワスカーレット
▲インティライミ
△メイショウサムソン

◎1頭マルチの3連単を買います。

続いてダービー卿チャレンジトロフィー。ハンデ戦でいかにも荒れそうな雰囲気。ここは58キロでもキングストレイルが本命。

◎キングストレイル
〇サイレントプライド
▲ショウワモダン
△グレイトフルタイム
△ニシノナースコール

こちらは馬連のボックスを買います。


自殺するのに人を殺すな

2008年04月05日 | 政治・社会・会社

絶望的な殺人事件が頻発しています。

両親と妻と子供たちを殺して自分も死のうとした製本会社の社長がいます。近くにマンションが建設中で、完成後の住民から騒音被害を訴えられることを心配していて、また取引先が倒産するなど、商売もあまりうまくいっていなかったそうです。
この人が家族を殺そうとした理由は勘違いにあります。自分がいなければ家族が生きていけないと思い込んだ勘違いです。最初は多分、近い将来を悲観して、自殺を考えたのだと思います。あるいは病気なのかもしれません。極度の心配性であることはまず間違いありません。しかし将来をどれほど悲観しても、家族を皆殺しにして自分も死のうという発想に至るのは極めて稀だと思います。この社長さんは家族を自分の所有物だとでも考えていたのでしょうか。奥さんや両親、子供たちの個々の人格や人権を認めていなかった。自分の商売が行き詰まり経済的に危うくなったら生活ができなくなり家族を路頭に迷わすことになると勝手に思い込んでいたのです。商売が左前になって資金繰りが不可能になったり借金取りが押し寄せて来たら、自分はとても持ちこたえられないと思ったのでしょう。自分が持ちこたえられなければ家族も持ちこたえられるはずがない。すると一家離散して皆が不幸になる。そういう一本道の発想です。決して、自分がいなくなった暁でも、家族がそれぞれの才覚で生きていけるとは思いもしなかったのでしょう。
それとも、真実は別のところにあって、実はこの社長は日頃から家族に虐げられていて、いつか皆殺しにしてやろうと思っていたのかもしれません。マンション建設の説明会に行って将来を悲観したこともあって、家族を皆殺しにする大義名分ができたと錯覚した。ところがいざ殺してしまうと、罪悪感や喪失感、不安と恐怖、嫌悪感といった感情が押し寄せて、もともとの動機であった絶望と憎悪が揺いだ。そのため死に切れなかった。
何が本当だったのか、本人以外には決してわからないだろうし、本人が真実を語ることはないでしょう。あるいは本人にも、何が本当なのか、わからないかもしれません。

自殺する人は、髪の毛ひとすじの希望さえ持っていません。今日と違う明日が来るかもしれないと思うからこそ人間は生きていけるのです。状況がこれ以上絶対によくならないと確信したら、人は躊躇うことなく、淡々と自殺するでしょう。
フロイトの精神分析入門には最初に間違いについての記述があります。うろ覚えですが、人が間違いを犯すのはどうしても正しい手順を踏みたくない理由があるからだと書いてありました。製本会社の社長が自殺できなかった理由は、状況がこれ以上絶対によくならないと確信できなかったからにほかなりません。
何故確信できなかったのか。
実は最初のひとりに手を掛けるまでは強く確信していたと思います。しかし家族を皆殺しにしていく過程で変わっていった。人間が傷つき、あるいは死んでいくのを生々しく体感して、この社長の中で隅に追いやられていた不安や恐怖という感情が、再び心を侵しはじめました。
絶望は思索と想像力の産物ですが、不安や恐怖は本能です。本能は思索も想像力も簡単に凌駕してしまいます。自分の状況が絶対によくならないと確信できれば人は躊躇わずに自殺しますが、それはその瞬間に、絶望が恐怖や不安といった本能を押さえつけているからです。しかし長続きしない。無理心中がうまくいかないのは、相手を殺したことで、押さえつけていたはずの不安や恐怖がぶり返すからです。人間というのはそれほどまでに弱い生き物なのです。
自殺しようと思ったら早めにすることです。他者を巻き込むのはえてして独善で、しかも失敗するのです。