三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

無償の行為

2008年05月25日 | 政治・社会・会社

受話器を取ると気の強そうな年配の女性の声。電話の内容は、店の餃子を食べて全身に発疹が出たから病院代を払ってもらいたい、というものでした。順を追って話を聞くと、火曜日に来店して餃子を食べて、翌日に症状が出て、よくならないので病院に行ったが、かなり重い症状らしくて入院が必要かもしれない、と医師に言われたとのことでした。
食中毒なら嘔吐や下痢の症状が出るものです。発疹が出たというだけでは、食品由来の原因かどうかはわかりません。対応としては、まず保健所に連絡し、こういう事例があったことを報告します。保健所によってはすぐに調査に来たり、本人や診断した医師から連絡があるまで動かなかったりします。一方的に強く金銭を要求してくるなどの場合には警察に届けます。警察は動いてくれませんが、警察に届け出たと相手に知らせることで抑止力となります。

別の店舗では、一万円を出したのに釣りが五千円足りなかったと、ご自宅に戻ってから電話がありました。またしても年配の女性です。レシートもないとのこと。丁度レジ締めをしているところだったので、現金が合っていることを伝えましたが、納得いかない様子。別の人間がもう一度数え直して電話すると言い、再度確認して電話。やはり納得できない様子でしたが、それ以上の対応はありません。無理に要求してくるようなら警察に届け出ることになります。脅迫、恐喝、威力業務妨害など、いろいろ罪に当てはまるでしょう。もちろんお婆ちゃんを相手に訴えるようことはしませんし、お婆ちゃんは法律のことなど何も意識していないでしょう。問題はお婆ちゃんが法律を知らないことではありません。今も昔も庶民は法律に詳しくありません。法律に詳しくなる必要がなかった。それは法律を知らなくても、やっていいことといけないことの区別ができていたからです。

問題なのは、誰もが平気で人を疑い、自分を省みないことなのです。それをお婆ちゃんがしてしまうことが、更に問題なのです。お婆ちゃんの若い時代は、簡単に人を泥棒呼ばわりすることはしなかったはずです。かつてはそういう倫理観を持っていた。ところがいつの間にかそういう感覚をなくして、自己責任を省みることなく平気で人を疑うようになった。それはそういう世の中になったということなのです。そこが問題なのです。

かつて「七たび探して人を疑え」という諺があって、物やお金をなくしたら、基本的に自己責任でした。いきなり人を疑うのはよろしくない。「人を見れば泥棒と思え」というのは、物やお金をきちんと自己管理するための方便です。あくまで「思え」ですから、心の中で思うだけで、人に向かって泥棒呼ばわりすることはありません。所謂、倫理観念が世間一般にある程度浸透していましたから、自分の財布の中のお金が思っているより少ないからといって、すぐに行った先々の店舗を疑うようなことはしなかったと思います。

私の会社の客にも、お金を払えば神様だと、支払った額以上のサービスや物を要求する人が本当に多くなりました。世の風潮なんでしょうか。そんな風潮が、かつては人の気持ちを考えて生きていたお婆ちゃんにも影響して、自分の責任や義務は棚に上げて要求ばかりするようになったのです。だから平気で電話をしてくる。お宅が間違えた、お宅のせいだ、お金を払え、お金を返せ。他人に対して常に苛々して、少しでも迷惑を被ろうものなら烈火のごとく怒り狂います。損得勘定の感覚が生活を支配して、非常にギスギスした世の中になりました。

オークスはトールポピーが勝ち、兄の無念を晴らした格好になりましたが、池添騎手の直線の乗り方はいけません。おまけにガッツポーズ。他人に迷惑をかけても自分さえよければいいと開き直っているように感じました。人格的に疑問をもたれてしまう行為です。騎手は毎日、厳しい勝負にさらされていて、互いに相手の馬の邪魔をせず、全馬が能力を出し切るような競馬を目指しています。その中で人格を疑われては、今後のレースがやりにくくなるのは間違いないところです。もう私が池添騎手の馬券を買うことはないと思います。本当に残念なレースでした。

無償の行為という言葉があります。人の役に立つことをすること。それに対して何も要求しないこと。文字通り感謝の気持ちだけを受け取ることで十分幸せになれる、そういう行為。
電話してきたお婆ちゃんたちや池添騎手の行為は無償の行為と対極にある、独りよがりの貪欲な行為です。他人の事情を考え、他人を許し、多少のことは気にしないで、困った人がいれば躊躇なく手を差し伸べることができる人は、もはや少数派になってしまったのでしょうか。無償の行為は死語なのでしょうか。


オークス~大型馬から

2008年05月25日 | 競馬
オークスG1です。
昔みたいにハナを切って飛ばす馬はなくなり、最近はスローペースから直線の瞬発力勝負というヨーロッパ競馬みたいになっています。普通なら中心は瞬発力に勝る差し馬になるところですが、今日は生憎の重馬場で、どうなるのかわからなくなりました。重馬場にも滑る場合と力の要る場合があり、今日は土砂降りにはなりそうにないのでどちらかといえば力の要る馬場と見ました。
ということは、馬体重の軽い馬よりは重い馬のほうが狙い目となります。前走で400キロしかなかったマイネレーツェル、同じく420キロのエフティマイアなどは馬込みで力尽きてしまいそうな感じ。逆に前走490キロの力強い馬体をしているソーマジック、466キロでいかにも重馬場が得意そうなリトルアマポーラが主力でしょう。前走432キロで桜花賞勝ちのレジネッタに二番はありません。ただ、前走の勝ちっぷりと血統から、レッドアゲートは買えるかもしれません。あとは前走で上がりが1番だったアロマキャンドルと、兄とは違うかもしれないトールポピー

◎ソーマジック
〇リトルアマポーラ
▲アロマキャンドル
△レッドアゲート
△トールポピー

一応印は打ちましたが、軸を絞りきれないのでここは馬連と3連単のボックスで。


中華思想は過去の遺物

2008年05月18日 | 政治・社会・会社

フジキセキ産駒のエイジアンウインズがヴィクトリアマイルを勝ちました。ウオッカは心配したとおり、届かずの2着。どうもゴール前の執念というか、最後の最後まで前に出ようとする勝負根性というか精神力というか、そういうものがなくなってしまったような気がします。体は十分できていましたから、今後これ以上のパフォーマンスを期待するのは難しいかもしれません。ダービーやジャパンカップの走りからすると、エアグルーヴ並みの活躍を期待していましたが、今日のレースを見る限り、ウオッカの今後は厳しいでしょう。ダービーを最後に引退した父タニノギムレットと同じく、早いうちに繁殖にあげるのもひとつの選択だと思います。エイジアンウインズは初距離もなんのその、見事な走りを見せました。短距離路線でダイワスカーレットのライバルになり、秋の天皇賞やマイルチャンピオンシップでも意外と活躍をする可能性があると思います。
馬券はウオッカからの馬単は外れ、フォーメーションの3連単が的中しましたが、ウオッカが負けたのでスカッとした的中とは言えません。来週も買います。

話はガラッと変わるのですが、中国人は中華思想といって自分たちこそ世界の中心にいると思っている、という考え方があります。しかし日常的に中国人に接していると、日本で働く中国人は、どうすれば自分が利するかだけに真剣で、中国の国のことなどまるで考えておらず、どうでもいいように見えます。オリンピックの話をしても、ほとんど関心を示しません。聖火リレーの沿道に出かけて旗を振ったのは仕事のない留学生などで、仕事をしている中国人たちは冷ややかに客観的に受け止めていました。中国人厨師のひとりは、留学生たちは中国政府から金を貰っているのだと、穿った見方をしていました。この見方の真偽はわかりませんが、少なくとも中華思想にとらわれているとできない見方だと思います。

中国政府が行なっていることを中国人すべてに敷衍するのは明らかに無理があるのですが、そういう論理的な見方をしない日本人が増えてきました。最近では、チベット争乱の報道を受けて、何を勘違いしているのか中華料理店に来て中国人は信用できないだの何を食べさせられるかわからないだの、ブツクサ文句を言う人がいます。私の会社の中華料理店は料理を提供するために営んでいるのであって、中華思想を広めようとか、中国を弁明しようとかしているわけではありません。中国が嫌いなら嫌いで結構ですが、嫌いの中身を少しは自己分析してみては如何かと思います。


ヴィクトリアマイル~ウオッカを信頼

2008年05月17日 | 競馬
ヴィクトリアマイルG1です。去年は大万馬券でした。
競馬は一に格、二に調子と言いますが、牝馬に限っては一度調子落ちするとなかなか戻らないところがあります。近走の成績のいい馬、負けたけれども調子落ちのせいでなかった馬を中心にします。断然人気のウオッカは、前走の海外遠征でこれまでになかった先行する競馬を見せました。最後は世界の実力馬に屈しましたが、見せ場は十分で、ダービーの頃とまでは行きませんが、調子は戻ったと見ていいでしょう。

◎ウオッカ
〇エジアンウインズ
▲ニシノマナムスメ
△マイネカンナ
△ブルーメンブラット
△ジョリーダンス

大穴はマイネカンナ。マイルは4戦とも4着以下ですが、3走前の府中マイル戦で0秒3差の4着に来ており、ここも流れ込んで不思議はないと思います。
◎から馬単で勝負。
3連単は◎〇▲-◎〇▲-◎〇▲△△△のフォーメーションを買います。


NHKマイルカップ~先行馬から

2008年05月11日 | 競馬
NHKマイルカップG1です。気になる馬が何頭か。前走ニュージーランドトロフィで3番人気ながら出遅れて7着に負けたダノンゴーゴー。アンカツ→武豊と来て、今度のヤネは藤岡。ちょっと苦しいか。久々の前走で10キロ増の馬体重で12着に負けたゴスホークケン。少し負けすぎで、仕上がり途上と見ました。4枠のドリームシグナルサダムイダテンは前走の着順が悪すぎる。3連勝のスプリングソングは距離が長いか。皐月賞でレースが終わってから突っ込んできたブラックシェルは逆に距離が短すぎる。ということで買いたい馬があまりいないのですが、府中コースということで、ここは先行馬から。

◎エイムアットビップ
〇ディープスカイ
▲レッツゴーキリシマ
△サトノプログレス
△ファリダット

馬単のボックスを少しだけ。


ガーデンバリア~その後

2008年05月10日 | 政治・社会・会社

ガーデンバリアを取り付けて、3週間が経過しました。心配だったのは効果の有無よりも、ガーデンバリアそのものが盗まれはしないかということでした。2個のうち、表の庭に置いた方は、目立たない場所なので盗られることはないだろうと思うのですが、肝腎のフェンネル畑がある裏口は遮るものもないし、簡単に置いたのでは、盗ってくれというようなものです。考えた挙句、散水栓の管に針金で留めることにしました。今のところ、2個とも盗まれずに済んでいます。

設置して以降、表の方は一度も糞をされていません。設置後2週間くらい経ったときに土を掘り返した跡がありましたが、超音波に長時間耐えて糞をするまでの執念はなかったようです。掘り返された部分を埋めて水を撒いておきました。お客さんの視界に入る場所なので助かっていると、店長は言っていました。たしかに、食事をしに門をくぐった飲食店の庭に猫の糞があったのでは食欲も半減するというもので、店長だけではなくこの店で食事をしたい常連さんたちも助かっていると思います。

さて、肝腎のフェンネル畑のある裏口の方は、残念ながらまだ時々人間の足跡があって猫の糞もあります。以前は、どう見ても猫でなくて人間の糞だろうというものもあったそうです。昔から、犬は人につく、猫は家につくといって、犬は主従関係の中で生活しますが、猫はテリトリーの中で生活します。習慣性の強い動物で、糞をする場所を一度決めると何があってもずっと同じ場所で糞をする習性があるようです。自分の家の敷地をトイレに決められた側にとっては迷惑千万な話ですが、それは人間の都合であって、猫には関係ありません。フェンネル畑をトイレと決めたら、何がなんでもそこがトイレなのです。猫を飼っている人が他人よりも猫を優先するとすれば、猫がどうしてもその場所で糞をしたい意思表示をしたら、たとえ網で覆われていても立入り禁止の札が立っていても網をどかして立入り禁止の札を放り投げて飼い猫のしたいようにその場所で糞をさせるでしょう。
ガーデンバリアも人間相手には利き目がないので、猫に超音波を浴びせてその場所を嫌いになってもらうしかありません。猫が近寄らなくなったら飼い主も自然に遠ざかるだろうという気の長い対策です。早く解決しようとして毒饅頭を置くような過激な対策をするのは、却って事態をこじらせるでしょうし、場合によっては警察沙汰になる恐れもあります。そもそも人間の勝手な都合を猫に強制するのは人類の驕りです。当面はガーデンバリアに期待して見守るしかないでしょう。

それにしても年を取った人で理不尽な行動をする人が意外に多いのはどうしてなんでしょうか。世の中のことがもう少し広い視野で見えて当然の筈なのに、逆に近所の中華屋に嫌がらせをするようなレベルの人が目につきます。還暦は干支が一回りするだけでなく人格も子供に戻るのかもしれません。
そう言えば、政治家は年寄りが多いのに視野の広い公明正大な人が少ない。せせこましく利益を誘導しないと選挙に勝てないからでしょう。当選したらしたで、国家の諸問題は常に後回しになり、利益誘導と保身に明け暮れます。問題は一向に解決せず、庶民の間で様々な衝突が起き、ガーデンバリアみたいな、言わばスキマ商品が売れるという情けない状況になってしまっています。不満が充満して誰もが不寛容でギスギスした世の中。ガーデンバリアが売れる世の中はそんな世の中なんですね。


天皇賞~今度こそドリームパスポート

2008年05月03日 | 競馬
天皇賞G1です。今年は少頭数なのに前に行く馬が多くて、意外とジャパンカップ並みのきついレースになりそうな感じです。かつて秋の天皇賞が2000mになったとき、大川慶次郎さんが、「テンも速くて終いも速い」レースだと言っていました。蓋し名言です。天皇賞は長距離戦だけに、終いも速い、ということにはならず、我慢比べのレースになるでしょう。
だいたい、春の天皇賞は前年の菊花賞馬を買えば当たったものです。今年はアサクサキングス。かなり前に行く馬です。去年の勝ち馬メイショウサムソンも、4代制覇のかかるホクトスルタンも先行馬ですし、アドマイヤメインも当然行くでしょう。アドマイヤジュピタも前々の競馬です。天皇賞は「ふたつのマイル戦」と呼ばれるように毎年、中間で必ずペースが落ちますが、今年のメンバーでは多少落ちたところで息つくほどの時間はないと思います。ということで、先行馬総崩れの展開もありうると見ました。ジャパンカップのような消耗戦で、しかもゴール前でグイッと出そうな馬が勝つと思います。となると、どの馬も決め手に欠ける今年のメンバーの中では、今度こそドリームパスポート。対メイショウサムソンは8勝4敗で、前走でも差は歴然でした。この馬がゴール前で少しだけ出て、無冠を返上しそうな気がします。相手は長距離得意のトウカイトリックアドマイヤモナークアイポッパー。先行馬で残るとすれば地力で勝るメイショウサムソンと、絶好調のアドマイヤジュピタ。4歳馬は世代的に弱いと見て軽視しました。

◎ドリームパスポート
〇トウカイトリック
▲アドマイヤモナーク
△アイポッパー
△アドマイヤジュピタ
△メイショウサムソン

◎を軸に、馬連、馬単、3連単を買います。