このブログを開始した2006年の6月には既に坐骨神経痛が酷くて会社を休んでいた。発症は2005年。もう15年の付き合いになる。痛みがずっと続くとそれが日常的なものになり、痛いのが普通だという感じで徐々に慣れてくる。しかし長時間歩いたりすると痛みが耐えきれないほどになるので、なるべく避けるようにはしている。発症した当初は、たくさんの病院や整体やカイロプラクティックや整骨院などに通ってみたが、一向に痛みは治まらない。
逆に痛みが増して休職に追い込まれたこともある。赤坂の前田病院で前田泉医師に進められた神経根ブロック注射だ。手術台のようなものに載せられて、遠隔で大きな針を腰椎に直接打つ。これが想像を絶する痛みで、思わず叫びそうになった。すぐに麻酔液が注入されて痛みはたちまち治まった。しかし今度は動けない。ストレッチャーで病室に運ばれて、1時間位休んでくださいと言われたのでそのままじっとしていた。麻酔が切れるにつれて、痛みが増してくる。1時間経ったらおばちゃんが来て、ストレッチャーの高さを下げる。そして無情にも、降りて帰ってくださいと言い放つ。降りてみると注射を打つ前よりずっと坐骨神経が痛む。まともに歩けないので、壁伝いに受付に行って精算した。このままだと帰れないと思いながら外に出る。途方にくれながらタクシーが通りかかるのを待って手を振るが、病院の入口まできてくれる運転手はいない。漸く気づいてくれた親切な運転手がいて、病院の入口から車まで肩を貸してくれた。「すみません、ちょっと歩けなくて」と言うと「大変ですね」と同情してくれる。降りるときもマンションのエレベータまで肩を貸してくれた。これまで乗ったタクシーの中で最も親切な運転手だった。この注射で歩けなくなり、1ヶ月ほど自宅で寝たきりになった。復帰したものの、痛みが激しくて休職することになってしまった。神経根ブロック注射は一般的に行われている療法なので、多分相性が悪かったのだと思う。
半年休職してデスクワークに戻った。座っている内は痛みがないので、仕事はこなせる。立ったり歩いたりすると痛いが、長時間でなければ我慢できる。寝ているときには痛みがないので、日常生活は問題なく過ごしていた。しかしそれから14年。この秋になると、座っても寝ていても痛みが続くようになってしまった。整形外科や整骨院や整体や鍼灸にはもう懲りたので、ペインクリニックを受診してみることにした。腰に注射を打つというが、神経根ブロック注射ではなくて硬膜外注射とのこと。それなら大丈夫かと思い、打ってもらうことにした。危険もあるようで、病院を訴えたりしない誓約書を書く。
打ってみると、麻酔が効いている間は痛みがないが、切れてくると痛みが増す。元の木阿弥だが、硬膜外注射は何度も打つもので、回数を経るうちに痛みが減少してくるとのこと。これまで処方された薬を説明すると、メチコバールは単なるビタミン剤だと言われた。神経痛に効く薬として、タリージェ5mgを処方される。朝夕に1錠ずつ。翌朝に1条飲むと、少しだけ痛みが治まる。会社の椅子に座っても痛みがない。これなら大丈夫そうである。はじめて痛みを抑えてくれた医者に逢った気がした。夕方になると痛みがますのでタリージェを飲む。寝るときも少し痛いが、眠れることは眠れる。
1度目の受診の際に言われた通り、検査屋でMRIを撮る。1週間後にその検査結果を持って、2度目の受診。1度目と同じく硬膜外注射を打つ。術後は1度目より少し楽になる。タリージェ5mgを飲んでも胃が痛くなったり眠くなったりしないことを伝えると、タリージェ10mgにしましょうとのこと。翌朝に1条飲むと、タリージェ5mgよりも効きがいい気がする。しかし夕方になるとまた痛みだす。帰宅してタリージェを飲むと少し治まるので、痛みで眠れないということはなくなった。次は3度目の受診である。2度目の受診よりもさらに楽になることを願っている。