2007年のフランス映画だ。セシル・ド・フランスはまだ若くて美しい。女の情念と欲望が全開のシーンがあって、思わず息を呑んだ。マキシムを激しく誘うシーンだ。ほんの数秒間だが、凄い演技だった。
伊東は風光明媚な上に海の幸が豊富で、観光地としてはとても優れている。大室山と隣接するシャボテン公園は家族連れに人気の場所であり、一日中楽しめる。本作品に登場した大室山は富士山のような形をした芝生の山で、山頂からの眺望は一見の価値がある。山頂の道は一周約1キロで、ゆったり歩くととても気持ちがいい。
不思議な感動がある。差別的な意味合いではなく、この物語は母と娘だから成立した。父と息子ではまったく別の物語になると思う。いや、そもそも物語にさえならないかもしれない。父と息子がたとえ本作品のように出逢ったとしても、互いに関わろうとしないのではないかという予感があるのだ。
インド映画は何がなんでもダンスシーンを入れないと気が済まないようだ。本作品にもノリのいいダンスシーンが登場するが、驚くことにその内のひとつはストーリーに重大な影響を及ぼす。こういう仕掛けはボリウッドの得意技で、流石としか言いようがない。
地方の川沿いの町でのひと夏の物語だ。ストーリーが進むにつれて、蝉の鳴き声がミンミンゼミからツクツクボウシ、そしてヒグラシに変わる。
基本的に人間は強欲だが、大抵は理性で抑制している。身の程を知るという心の働きで、手の届かないものは最初から欲しがらないところもある。若者の自動車離れの本当の理由はそこにあると思う。
様々なパラダイムに心が雁字搦めになった子供たちを描く。製作者の意図とは異なるかもしれないが、子供たちの独善的な台詞は、独善的なパラダイムに由来していることがよく解る。それは即ち、子供たちの生きてきた環境である社会そのものが独善的だということだ。
家族の群像劇である。嘘を吐いたり被害妄想を膨らませたりする大人たちと、自分勝手で意外に強かな子どもたち。父親や母親と息子、夫婦と隣人夫婦、夫と妻。それぞれが互いに不信感を募らせて、関係性が危うくなる。しかし中には常識を持つ大人たちもいて、崩壊しそうな関係を執り成そうとするが、一度でもヒビの入った関係は、二度と元には戻らない。