三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

役人はサーバント

2008年07月26日 | 政治・社会・会社

世田谷区粗大ゴミ受付センターというものがあります。ここが一応ホームページを持っていまして、粗大ゴミの受付もホームページ上からできることになっています。

最近2度ほどこのホームページから粗大ゴミの集荷を申し込みました。1度目は朝申し込んだらその日の午後に回答のメールが来て、何月何日に指定のシールを貼って指定の場所に出して下さいという知らせをもらいました。そして実際にその通りにしてうまくいきました。ところが2度目に申し込んだときには、当日にも翌日にも返信のメールが来ません。もう一度ホームページを見ると、申し込んでから4日以内に回答のメールが来ない場合は電話して下さいとあります。そこで4日間は待つことにし、料金相当のシールを買って準備しました。しかし4日目の朝、携帯電話の留守電に次のメッセージが入っていました。
「本日粗大ゴミを出されていると思いますが、集積場等を見ましたが見当たらず、もしお忘れでしたら再度お申し込みいただくようお願いします」

こちらの言い分としては、ホームページに4日以内に回答のメールが来なかったら電話して下さいとあれば、普通の人は素直に4日間は大人しく待ちます。それを4日目の朝にいきなり来て、あんたが申し込んだ粗大ゴミが出ていないと言われても、こちらとしては困る訳です。マンション住まいで他の住民もたくさんいる訳ですから、共用部分に粗大ゴミを出しっ放しにすることはできません。他人の迷惑を最小限に押さえるためにも、粗大ゴミは回収当日の朝に出すのが常識でしょうし、日本のほとんどの世帯でそうしていると思います。だから何月何日の朝に出して下さいと伝えてもらわない限り、粗大ゴミは出せません。役人という人種はとことん想像力に欠けているようで、庶民の事情がわからないんですね。

そもそも、4日以内に回答のメールが来なかったら電話しろという案内自体おかしい。ホームページ上で注文や依頼を行なう場合、少なくとも注文→確認→回答→確定というやりとりが必ずあります。それは人が行なうのではなくサーバーコンピュータが自動的に行なうことになっていて、それをシステムと呼びます。システムの構築がないままホームページ上で注文や依頼を受け付けることは、民間の場合はまずありません。人間がやると必ず遺漏が生ずるからです。粗大ゴミ受付センターの方々は、おそらくそういうこともわかっていないのだと思います。
だから回収の日時を通知しないまま、いきなり回収に行かせるなどということを平気でします。気の毒なのは実際に回収に来た現場の方々で、留守電に録音された声には連絡がうまくいっていないことに対する戸惑いと、微かな苛立ちが感じられました。現場が苦労する分区民サービスの向上に繋がっていればまだしも、単に骨折り損になっている現状では、本当に同情します。
役人を英語でサーバントと言います。サーバントは奴隷という意味もあります。奴隷はご主人様に奉仕する訳で、役人たちにとってのご主人様は言うまでもなく国民、住民です。しかし現実の役人の方々は国民、住民に奉仕しようという意思など更々なく、自分の利益を守り増やすことに余念がありません。

大阪府のあの女性、就任間もない橋下知事に向かって「どれだけサービス残業をしていると思っているんですか!」と怒鳴ったあの女性職員は、実はサービス残業をまったくしていなかったことを白状していました。
また、かなり昔の話ですが、岩国哲人さんが出雲市の市長になったとき、市民サービスを充実させる目的で土日祝日に職員の出勤を求めたことがありました。対して多くの職員は知事に反発しました。かなりの数の職員が退職したニュースを見た記憶があります。民間のサービス業で土日祝日を完全に休んでいる企業など、日本にないと思います。サービス業だからこそ、利用の多い土日祝日に営業するのは当然のことです。ところが役人たちは、行政サービスはサービス業ではなくあくまで行政なのだと思っているのか、あるいは前世紀の遺物である労働基準法に書かれてある、「一斉に休憩を取らなければならない」という現実離れした文言を盾にしているのか、いまだに日本中の役所が土日祝日に休んでいるし、午後5時を1分でも過ぎたら絶対に何も受け付けません。

民間の場合はお客様から給料を貰っているという意識が強く、顧客満足度をCSと呼んでいます。社内にCS対策室などの部署を設けている企業もあります。しかしお役人の方々の中で税金から給料を貰っていると日頃から意識している人はおそらく皆無に等しいのではないでしょうか。自分の利益と保身しか考えない役人たちが国民の税金を自由に使う状態では、国がよくなろうはずがありません。役人たちが「俺たちに明日はない」では困るのです

地方も中央も行政がそんな有様では国民、住民も同じように、自分さえよければそれでいい人間が増えるのは当り前で、クレーマーもモンスターペアレンツも出現すべくして出現したのです。本当に嫌な世の中になりました。


メタルギアソリッド4~イージーモードをクリア

2008年07月14日 | アニメ・コミック・ゲーム
先月半ばに買ったプレイステーション3のゲーム「メタルギアソリッド4」ですが、仕事から帰って寝るまでの僅かな時間と、休日の酒を飲んでいない時間に少しずつやって、数日前にやっとクリアしました。イージーモードですけど・・・・。買ってすぐにはじめたものの、14型のテレビ画面では小さな文字の表示が見えなかったので、オープニングも終わらない段階でゲームを中断して、買った40型液晶テレビの到着を待ちました。実際にはじめたのは先月末からです。仕事は早いときは朝8時半から、遅いときは夜12時までかかるので、寝る時間を削ってゲームに充てました。10日ほどかかりました。

感想は、とにかく動画の時間が長いということ。クリア画面に表示されたゲーム時間は約18時間ですがその内半分くらいは動画でした。動画の間はただ見ているだけでしたが、登場人物に類型的な人はひとりもおらず、みな典型として描かれているのはさすが小島秀夫さんで、物語の鉄則をきちんと守っています。ストーリーは前作を踏襲しつつ、しかし破天荒なものでした。
ゲームの難易度としては、視界に制限がなく周囲360度を見回せるので、「メタルギアソリッド2」や「メタルギアソリッド3」に比べればやりやすかった印象です。あくまでやりやすかったということで、簡単だった訳ではありません。逆に言えば前2作は視界の自由度が低かったので、敵に見つからないのは至難の技でした。特に「3」は全体に赤と緑の色調が主体で、色盲で特に赤と緑の区別が困難な私には本当に難しいゲームでした。これは他のゲームでも同じですが、赤と緑で状態が表示される設定が私にとって難易度のひとつになります。バイオハザードでは、赤ハーブと緑ハーブの区別がつかなくて困りました。しかしそのためにゲームができないという訳ではもちろんなく、暗闇に暫くいるとだんだん目が慣れてくるように、赤と緑の区別にも慣れてきます。目が見えなくなった人が日々の生活の中で徐々に動きが滑らかになるのに似ています。

とにかく毎日やりたくなるほど、今回の「メタルギアソリッド4」は面白い。なにせ映像がきれいですし、視界に制限がなくて操作が非常にスムーズなので、従来のゲームで感じていたストレスがほとんど解決されている画期的なゲームです。今はひとつモードをあげて、NAKED NORMALで挑戦しています。イージーで得た武器やアイテムがそのまま使えるのも、やる気を出させてくれます。このゲームのおかげで、かなり日ごろのストレスが発散できています。

小島秀夫さん、ありがとう!


老いてますます?

2008年07月11日 | 政治・社会・会社

こんなクレームがありました。60過ぎの男性からです。

自分は愛煙家。いつでもパイプを咥えている。ショッピングセンターだろうが何だろうが関係なく、もちろん火はつけないが、パイプを咥えている。自分にとってオシャブリのようなものだ。その日もショッピングセンターの中にあるお宅の会社の店に、パイプを咥えたまま入店した。すると、お宅の従業員が「火はつけないようにお願いします」と言う。一体誰に向かって言っているのか? 60を過ぎた自分が40代くらいの小僧にそういう口の利き方をされる覚えはない。第一、火をつけていた訳ではない。にもかかわらず何故言うのか? 店員は「念のため」と言う。何が念のためだ! 客を馬鹿にしているにもほどがある。自分はスーパーバイザーの経験が長く、客あしらいがどういうものか、十分に心得ている。あの店員の接客はまったくなっていない。客を威圧するような坊主頭も客商売として相応しくない。お宅の会社はあれを是としているのか?

電話がかかってきてすぐに、電話代を負担いただく訳にいかないのでこちらから掛け直す提案をしました。多くの方は自分の名前や電話番号が知られるのが嫌なので、そのままでいいと言います。名前も電話番号も伝えてくれるのは、正々堂々と意見を述べようとしている場合と、クレーマーで何か要求したい場合と、同じくクレーマーだが単にストレスのはけ口として言いたい放題を言いたい場合と、それから電話代のことを本当に気にしている場合とがあります。この方は提案を受け入れてくれました。
掛け直した電話の第一声からクレーマー気味の人だなという印象でした。私の立場と名前を聞いてきます。苦情を言うことに慣れた人の常道です。それでもお客様。最後まで話を聞き、理不尽だと思いつつも謝罪しました。ただ、店舗の従業員の立場もあるので、必要と思われる一言だけは言いました。
「最近は嫌煙権を主張するお客様は非常に厳しく、禁煙の店内で喫煙するお客様がいるとすかさず注意されます。喫煙するお客様に直接注意するのではなくて、立場の弱い従業員を注意するのです。多分そうなることを恐れたのだと思います」
すると少しだけ、トーンが下がりました。必ず厳しく指導して改善することを約束して、ひとまず納得はしていただきました。

実際に応対した店舗の従業員にどういう状況だったのか確認すると、次のような報告でした。

そのお客様は60代くらいのご夫婦で、ご主人がパイプを咥えてライターでカチカチと火をつけようとしながら入ってきました。ショッピングセンター内はテナントショップも含めて全館禁煙ですので注意しようとしましたが、自分が注意する前に別のお客様が「ここは禁煙なんだよ!」と大声で言ったものですから、ご主人は逆上してそのお客様に対して罵声を浴びせはじめました。これはまずいと思ってすぐに割って入り、ご主人にパイプには火をつけないようにお願いしました。ご主人が火などつけていないと仰るので、お気持ちをなだめるために「念のために申し上げました」と言いました。もちろんそれくらいで納得するような簡単な相手ではなく、今度は矛先がこちらに向いて怒鳴り散らされましたが、興奮なさっていて何を言っていたのか分かりません。席にもつかずにお帰りになりました。

という報告でした。どちらが本当なのかはわかりません。このお客様は60を過ぎていて仕事は一旦リタイアしているだろうし、性格もしつこそうです。ヒマで執念深いとなれば、必ずもう一度店舗に来て確認するに違いないと予想できます。店に電話をして、多分もう一度来店されるので、応対した本人か、いなければ店長、両方いたら二人できちんと挨拶して、先日の非礼を詫びて丁寧に接客するように指示しました。

すると案の定その数日後に店に行ったようで、お客様本人から今度は報告だといって、電話がありました。店長と二人で誠意のこもった謝罪をしてもらった。納得した。後世に残してやれるのは我々の経験しかない。スーパーバイザーの経験を生かして今後とも目に付くところは指導していきたいという決意表明さえしてくれました。

60歳は孔子によれば「耳順」になります。貝原益軒は「老いては子に従え」と書いています。しかし最近では、老いてますます元気一杯のお年寄りが増えました。

ヤレヤレ。


メタルギアソリッド4~まだ途中

2008年07月03日 | アニメ・コミック・ゲーム
久しぶりに腰痛について。
自分も周囲の人たちも歳を取ったせいか、腰痛を訴える人が増えました。逆に言えば周囲に腰痛を訴える人が増えたから、自分が歳を取ったことを改めて実感させられたということなのかもしれません。人それぞれに腰痛の症状が異なっていて、私の場合は椎間板ヘルニアと腰椎分離すべり症を併発した坐骨神経痛を発症しています。さすがに周囲にはそんな人は少なく、大抵は筋肉の炎症による普通の(普通のという言い方も変ですが)腰痛です。

コナミの小島秀夫さんが作り出している「メタルギアソリッド」というビデオゲームのシリーズがあります。6月12日に最新作の「4」が発売されたので、持っていなかったプレイステーション3とパックになっているものを買いました。前作「3」ではなく「2」の続編という設定で、時代も実際の発売日の年数に合わせて数年後の設定になっています。
いざゲームをはじめると、画面の隅に表示されるステイタスや武器のアイコンが14型のテレビでは非常に見辛く、仕方がないのでテレビを買い替えました。40型の画面です。サイズが3倍近く大きくなったということは3×3で9倍近く大きくなった訳で、いままで片隅にあったテレビがいきなりその存在を主張するようになりました。デフォルトの受信が地上デジタル放送になっていまして、女優さんの顔のアップを見ると前のテレビでは見えなかった皺がよく見えます。皺がまったくないように見えたのは黒木メイサさんだけで、若いというのはこういうことかと思いました。
テレビを買い替えて改めてメタルギアソリッド4をやってみたら細かい数字がよく見えて、ゲームを楽しめるようになりました。さすが小島秀夫さんという場面が随所にあります。特に体内のナノマシンのせいで実際以上に早く歳を取った主人公が、中腰の姿勢を一定以上の時間続けたときに腰の痛みを訴える仕草をするのがなんともユーモラスであると同時に戦場における日常性の側面も表現していて、ゲームのリアリティを高めています。戦争は醜い殺し合いで、そこには食事をしたり排便したりという日常もあり、また病気や怪我もあって、決して華々しいものではないことがわかります。

主人公スネークの寿命はあと1年。それが妙に羨しく感じられるのは私だけではないと思います。もちろん、戦争という劣悪な環境の中で、どこの誰ともわからない人間を相手に人殺しをさせられるのは真っ平ごめんだし、三菱重工や石川島播磨重工のように人殺しの道具をこしらえる企業で働くのもご勘弁です。そういう企業の利益のために国民の税金を垂れ流し続ける政府の味方もしたくありません。日本の国民にもはや希望はなく、旅路の終わりの近かれと祈るだけです。