世田谷区粗大ゴミ受付センターというものがあります。ここが一応ホームページを持っていまして、粗大ゴミの受付もホームページ上からできることになっています。
最近2度ほどこのホームページから粗大ゴミの集荷を申し込みました。1度目は朝申し込んだらその日の午後に回答のメールが来て、何月何日に指定のシールを貼って指定の場所に出して下さいという知らせをもらいました。そして実際にその通りにしてうまくいきました。ところが2度目に申し込んだときには、当日にも翌日にも返信のメールが来ません。もう一度ホームページを見ると、申し込んでから4日以内に回答のメールが来ない場合は電話して下さいとあります。そこで4日間は待つことにし、料金相当のシールを買って準備しました。しかし4日目の朝、携帯電話の留守電に次のメッセージが入っていました。
「本日粗大ゴミを出されていると思いますが、集積場等を見ましたが見当たらず、もしお忘れでしたら再度お申し込みいただくようお願いします」
こちらの言い分としては、ホームページに4日以内に回答のメールが来なかったら電話して下さいとあれば、普通の人は素直に4日間は大人しく待ちます。それを4日目の朝にいきなり来て、あんたが申し込んだ粗大ゴミが出ていないと言われても、こちらとしては困る訳です。マンション住まいで他の住民もたくさんいる訳ですから、共用部分に粗大ゴミを出しっ放しにすることはできません。他人の迷惑を最小限に押さえるためにも、粗大ゴミは回収当日の朝に出すのが常識でしょうし、日本のほとんどの世帯でそうしていると思います。だから何月何日の朝に出して下さいと伝えてもらわない限り、粗大ゴミは出せません。役人という人種はとことん想像力に欠けているようで、庶民の事情がわからないんですね。
そもそも、4日以内に回答のメールが来なかったら電話しろという案内自体おかしい。ホームページ上で注文や依頼を行なう場合、少なくとも注文→確認→回答→確定というやりとりが必ずあります。それは人が行なうのではなくサーバーコンピュータが自動的に行なうことになっていて、それをシステムと呼びます。システムの構築がないままホームページ上で注文や依頼を受け付けることは、民間の場合はまずありません。人間がやると必ず遺漏が生ずるからです。粗大ゴミ受付センターの方々は、おそらくそういうこともわかっていないのだと思います。
だから回収の日時を通知しないまま、いきなり回収に行かせるなどということを平気でします。気の毒なのは実際に回収に来た現場の方々で、留守電に録音された声には連絡がうまくいっていないことに対する戸惑いと、微かな苛立ちが感じられました。現場が苦労する分区民サービスの向上に繋がっていればまだしも、単に骨折り損になっている現状では、本当に同情します。
役人を英語でサーバントと言います。サーバントは奴隷という意味もあります。奴隷はご主人様に奉仕する訳で、役人たちにとってのご主人様は言うまでもなく国民、住民です。しかし現実の役人の方々は国民、住民に奉仕しようという意思など更々なく、自分の利益を守り増やすことに余念がありません。
大阪府のあの女性、就任間もない橋下知事に向かって「どれだけサービス残業をしていると思っているんですか!」と怒鳴ったあの女性職員は、実はサービス残業をまったくしていなかったことを白状していました。
また、かなり昔の話ですが、岩国哲人さんが出雲市の市長になったとき、市民サービスを充実させる目的で土日祝日に職員の出勤を求めたことがありました。対して多くの職員は知事に反発しました。かなりの数の職員が退職したニュースを見た記憶があります。民間のサービス業で土日祝日を完全に休んでいる企業など、日本にないと思います。サービス業だからこそ、利用の多い土日祝日に営業するのは当然のことです。ところが役人たちは、行政サービスはサービス業ではなくあくまで行政なのだと思っているのか、あるいは前世紀の遺物である労働基準法に書かれてある、「一斉に休憩を取らなければならない」という現実離れした文言を盾にしているのか、いまだに日本中の役所が土日祝日に休んでいるし、午後5時を1分でも過ぎたら絶対に何も受け付けません。
民間の場合はお客様から給料を貰っているという意識が強く、顧客満足度をCSと呼んでいます。社内にCS対策室などの部署を設けている企業もあります。しかしお役人の方々の中で税金から給料を貰っていると日頃から意識している人はおそらく皆無に等しいのではないでしょうか。自分の利益と保身しか考えない役人たちが国民の税金を自由に使う状態では、国がよくなろうはずがありません。役人たちが「俺たちに明日はない」では困るのです
地方も中央も行政がそんな有様では国民、住民も同じように、自分さえよければそれでいい人間が増えるのは当り前で、クレーマーもモンスターペアレンツも出現すべくして出現したのです。本当に嫌な世の中になりました。