深海魚、本日はアズマハナダイPlectranthias kelloggi azumanus (Jordan and Richardson)を紹介いたします。アズマハナダイは太平洋の暖かい海域に生息するPlectranthias kelloggiの1亜種とされていますが、Fishbaseでは亜種を認めず、統一しています。ここでは、日本でよく使用される分類にしたがい、本種をPlectranthias kelloggiの亜種としました。
アズマハナダイは本州以南の南日本から台湾のやや深い岩礁域や砂底に生息しています。本種はイズハナダイ属に属し、前回紹介したカスミサクラダイとは近縁種です。イズハナダイ属は日本では8種、世界では約44種類が知られています。
アズマハナダイは中型種で、全長18cm程度、体側には太い赤色横帯があります。カスミサクラダイは赤色横帯がありますが、細いことで本種と見分けられます。また背鰭の第2軟条が伸び、尾鰭上端軟条も伸びています。
本種はカスミサクラダイより深い海を好むようで、この個体は水深250mの場所からギンザメなどとともにトロール網で漁獲されました。練り製品の材料、もしくは観賞魚にされます。ただし採集が難しいので、なかなか観賞魚店には流通しません。