前にミナミハタンポについて記事をかいたのですが、今回は昨年の夏に訪問した高知県土佐清水市・以布利(いぶり、いふり)の大敷網(大型の、定置網)で漁獲されたハタンポ属の魚をご紹介します。
まずはミナミハタンポです。この魚は前回のブログ記事でご紹介しましたね。大きな鱗が特徴ですが、本種の鱗は2層からなり、表層のはがれやすい大きな鱗の下に、さらに大きさがまちまちな鱗があります。
また側線有孔鱗数が45-54枚あることも特徴です。
もう1種定置網で漁獲されたのがミエハタンポです。
ミナミハタンポに似ていますが鱗は細かく、1層のみです。そして側線有孔鱗数が多く、67-80枚あることが特徴です。
ミナミハタンポは定置網で大量に漁獲されていたのですが、ミエハタンポは1匹しか見られなかったです。このほか、同じく細かい鱗をもち、表層の鱗がはげにくいツマグロハタンポという魚もいるのですが、この種は私も1個体しか見たことがありません。
この3種が、本州から九州の定置網や夜釣りで漁獲されるハタンポの仲間ですが、分類学的な再検討を要するものもいます。