フィリピンに生息するヒメジ科のオオスジヒメジParupeneus barberinus (Lacepède)です。
ヒメジ科の魚は世界中の熱帯・亜熱帯域に生息するスズキ目の魚で、本種を含むウミヒゴイ属の魚は33種ほどが知られていますが、未記載の種類もあると考えられ、総数はさらに増えるものと思われます。
オオスジヒメジの特徴は、吻の端から第2背鰭後方に達する黒色縦帯と、尾柄部にある黒色斑です。この特徴は成魚・幼魚ともに有しています。ヒメジの仲間の多くの種は、幼魚も成魚も同じような模様をしているので、幼魚は成魚をそのまま小さくしたようです。
その一方で、色彩を頻繁に変えることも知られています。オオスジヒメジは白っぽい地色ですが赤っぽくなったり、模様をだすこともあります。
フィリピンはもちろんのこと、日本でも南日本の太平洋側で見られ、釣り、刺し網などでよく漁獲されています。沖縄では食用になっており市場にもよく出ます。