柳橋魚市場で2種ほど、冬らしい「北海系」の魚を購入してまいりました。今日はそのうちの1種。
ゲンゲ科のノロゲンゲBothrocara hollandi (Jordan and Hubbs)です。最近ゲンゲ科の魚類が食用として全国に知られるようになりましたが、その中で食用になるものは決して多くなくこのノロゲンゲ、カンテンゲンゲ、シロゲンゲ、タナカゲンゲくらいでしょうか。
ノロゲンゲは沖合底曳網で漁獲される魚で、従来から産地ではよく利用されていたものでした。最近は「魚食」の見直しなどにより全国で流通するようです。
よく似たカンテンゲンゲやシロゲンゲも沖合底曳網の漁獲物として知られます。この2種はノロゲンゲに似ていますが顔がややとがり、肛門周辺の鱗が丸くまばら (本種では楕円形で直角に並ぶ) であることなどで区別できます。
また分布域も種の同定に役に立ちます。カンテンゲンゲは銚子以北と日本海に分布しますが、シロゲンゲは太平洋側ーオホーツク海のみ、本種は日本海側、オホーツク海、黄海に分布します。この個体は石川県沖合で漁獲されました。
これを今日の夕食にします。