カレイ目ササウシノシタ科のミナミウシノシタPardachirus pavoninus (Lacepède)です。この派手な模様の異体類は南日本太平洋岸からインド・中部太平洋の熱帯・亜熱帯域に生息します。
ミナミウシノシタはこの有眼側の鮮やかな模様のほか、毒があることでもよく知られています。毒は背鰭・臀鰭・腹鰭の基部にある開孔から出されます。
顕微鏡での拡大図。上の写真の個体の有眼側のもの。赤く囲んだ中央付近の孔がそれです。
別個体。この白いクリーム色の組織が毒の塊?それとも筋肉??
この毒は猛毒で、1500-2000倍に希釈した海水でも魚を死亡させるほどの強い毒を示します。人間の中毒例はないといわれていますが、それでも要注意でしょう。ちなみにサメはこの毒に拒否反応を示すとされていますが、真偽のほどは??
この種はサンゴ礁の砂地ではごくふつうにみられる種類で、もぐり中にも観察されています。体の色は上の写真のような暗い色のものから、明るいものまで若干のバリエーションがあるようです。
●キーワード「ササウシノシタ科」
セトウシノシタhttp://pub.ne.jp/fishcollection/?entry_id=3766242