今回のフィリピン魚はベラ科のクロベラLabrichthys unilineatus (Guichenot)です。昨日3月16日でついにブログが20万ヒット。ありがとうございます。
「クロベラ」という名前ですが、写真の雄は緑色の体で、体側に青色の細い縦帯が多数あり、また、淡色の横帯もあるなど美しい魚です。ただ写真を見ますと横帯がないのもいます。雌は和名の通り真っ黒の体で、尾鰭の後縁が白色になります。
雄は腹鰭が長くまるでタナバタウオ科の魚のようにも見えます。
口の部分がかわいらしい魚です。頭の形状は、魚というよりもむしろ鳥ににています。口の形状も変わっています。まるで「筒」のような形をしているのです。このような吻の形状はやや珍しいといえます。
本種はサンゴのポリプを捕食するので、ベラとしては飼育が難しいといわれています。琉球列島以南に多い種ですが、幼魚は南日本太平洋側にも現れます。クロベラ属は本種のみの1属1種、似たような吻の形状をもつマナベベラ属は、吻の付近に鱗がないこと(クロベラでは吻部にまで鱗あり、写真)、側線有孔鱗数が多いことなどで本種と区別されます。