今日のフィリピン魚はブダイ科のミゾレブダイLeptoscarus vaigiensis (Quoy and Gaimard)です。
ブダイ科の魚は2亜科に分けられ、ミゾレブダイやブダイはアオブダイ属、ハゲブダイ属、イロブダイ属、キツネブダイ属、カンムリブダイ属とは別の亜科に含まれます。胸鰭の軟条がやや少なく、頬部の鱗列が1列であるなども特徴です。ブダイなどを含む亜科には5属がありますが、ミゾレブダイ属は本種のみの1属1種です。
ブダイや、タイワンブダイなどのブダイ属魚類は、両顎の歯は癒合していないのに対し、ミゾレブダイ属魚類の場合は少なくとも上顎の歯は歯板を形成します。
体色は緑色っぽく、成魚の雄は青白い小斑も目立ちカラフルです。ただこの種は他のブダイと異なり、性転換はしないといわれています。雌から性転換して雄になる、所謂「二次雄」がいないのです。
沖縄で採集したものです。ブダイの仲間はサンゴ礁の潮溜まりや藻場で普通に見られますが、流れ藻の中でも採集したことがあります。また海草場にもよくみられるものです。