魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

フィリピン魚36.シモフリカクレウオ

2012年04月12日 21時08分28秒 | 魚紹介

今日のフィリピン魚は、シモフリカクレウオEncheliophis gracilis (Bleeker) をご紹介します。カクレウオ科の魚です。

●カクレウオ科とは

カクレウオ科はアシロ目、アシロ亜目、カクレウオ科に含まれる硬骨魚類の仲間です。アシロ目は従来はスズキ目の中に入れられていましたが、現在はサケスズキ目、タラ目、ガマアンコウ目、アンコウ目とともに「側棘鰭上目」を形成し、スズキ目など4目からなるスズキ目とは別の位置にあります。アシロ科魚類に似ていますが、肛門が前の方にあったり。多くの種で腹鰭を欠いたりしています。このシモフリカクレウオも肛門は体の前方にあり、吻端から肛門前長のほうが、吻端から鰓膜後端(頭長)よりもわずかに長いです。

本種はこの特徴のほか、主上顎骨が皮膚におおわれ露出していないのも特徴で、テナガカクレウオやボウズカクレウオなどと区別できます。

●秘密の牙

本種の顎の先端には牙がなく、この牙をもつシンジュカクレウオなどと区別できますが、口の奥には大きな牙を有しています。これはいったい何に使うのか、わからないですが、面白いものです。

拡大してみますとこんな感じです。

●生態

カクレウオ科は世界中の温帯から亜熱帯の海に生息しています。ただ、クマノカクレウオ属のコオリカクレウオのように南極周辺の地域で漁獲されるものもいるそうです。本種はインド・太平洋のサンゴ礁に生息し、日本では琉球列島以南で見られます。

多くの種類が海底に生息します。そして変わった生態として、ナマコやヒトデ、二枚貝の類と共生するものがいます。本種はナマコ類と共生します。ナマコの体腔内に入り、そこから出たり入ったりします。

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