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「くちなじ」というのは、フエフキダイ科・フエフキダイ属の魚、とくにイソフエフキLethrinus atkinsoni Seale,1909をさす沖縄の地方名なのですが、最近ではよく似たほかのフエフキダイとあわせて「くちなじ」と言っている様に思います。
2匹の魚はとてもよく似てるのですが、それぞれ別の種類の魚です。
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こちらがイソフエフキLethrinus atkinsoni Seale,1909。フエフキダイ属の魚で、胸鰭や唇が赤く、吻があまり伸びておらず、尾鰭が黄色っぽいなどの特徴があります。生きているときには、体に白色斑があったりするようですが、死後は不明瞭です。
体側には汚れた黄色の縦帯がありますが、あまり目立つものではない感じです。
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イソフエフキは吻があまりとがらず、丸みを帯びています。上唇が赤くて綺麗です。頭部には目立ちませんが青白い小斑が見られます。
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こちらはタテシマフエフキLethrinus obsoletus (Forsskål,1775)。同じくフエフキダイ属の魚です。吻はややとがった感じ、尾鰭は鮮やかな赤色、上唇の赤色は薄い、橙色の胸鰭、腹部に橙色帯があるなど特徴的な種類。
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頭部はとがっていて、フエフキダイらしいルックスの魚。唇は目立った赤色ではありません
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体側の橙色の縦帯が目立ちます。イソフエフキと同じく、生きているときには白っぽい斑紋が出たりすることがありますが、死後はめだちません。
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2種ともに胸鰭をめくるとこのような鱗があります。この鱗は、フエフキダイの仲間の同定では非常に重要なポイントとなります。この2種のほか、ハマフエフキやアマクチビなどは鱗がありますが、フエフキダイやシモフリフエフキ、ホオアカクチビなどではほとんど見られません。
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肉は綺麗な白身。手前がタテシマフエフキ、奥がイソフエフキでした。これをしゃぶしゃぶにしていただきました。両方の種ともに甘みがあり美味でしたが、個人的にはイソフエフキのほうが美味しく感じました。