魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

マメハダカ

2017年04月02日 16時03分24秒 | 魚紹介

連日のハダカイワシシリーズ。

今日はハダカイワシ目・ハダカイワシ科・トミハダカ属のマメハダカ。

ハダカイワシ科のなかでも、トミハダカの仲間は胸鰭が長いものが多く、どの種も腹鰭基底後端を超える。ただしほかの属にも胸鰭が長いのがいるので注意したい。なお、胸鰭が短いヒレナシトンガリハダカという種もいる。マメハダカの体の色彩は濃い茶色で、黒っぽく銀色の鱗がギラギラしているものが多い気がするハダカイワシとしてはちょっと異端な容姿である。

トミハダカ属の魚は日本に11種いて、33種のハダカイワシ属に次いで2番目に多い。ただし私はトミハダカ属の魚は、このマメハダカ以外は見たことがない。マメハダカの特徴は、脂鰭の前に発光腺がないこと、PLO(胸鰭上発光器)が2個、AOa(前部臀鰭発光器)のうち2番目と3番目のものがほかのものより高い位置にあるのが異なる(写真)。同様の特徴はもう1種、ホソマメハダカという種も持っているのだが、この種は体高がマメハダカに比べると低い。

分布域は広く、北海道から土佐湾までの太平洋岸沖合に生息している。この個体は東北地方太平洋沖合で採集された個体をいただいたもの。さらに北のオホーツク海、ベーリング海、アラスカ湾にまで生息しており、寒い場所を好むのかと思われるが、小笠原諸島近海にもいるようだ。実際によく考えたらハダカイワシの仲間は冷たい深海底から夜間に表層付近にまであらわれるということで、水温にはある程度なじみやすいのかもしれない。本種も夜間は水深1000mを超える深海にいるが夜間には浅い場所にやってくるようだ。

コメント
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