昨年末に宮崎県の漁師、Wadaさんに送っていただいた魚です。
昨日まで3回連続でアジ科をご紹介しましたが、今回はアジ科ではないもの。ヒイラギ科のセイタカヒイラギ。セイタカヒイラギはその名前の通りでヒイラギ科の魚の中ではかなり体高が高いのが特徴的な種類である。
セイタカヒイラギ属(11種)の魚は日本では2種が知られている。よく似たもう1種のシマヒイラギは背中に明瞭な線があるが、本種にも線がはいる。ただし本種の場合は目立たない。またシマヒイラギの体側には黄色い斑点がはいるのも特徴だが、このセイタカヒイラギの体側には黄色い斑点が入らないのも特徴である。
セイタカヒイラギ属の特徴は胸部の鱗がほとんどないことである。これにより本属魚類によく似たタイワンヒイラギ属と見分けることができる。タイワンヒイラギ属は胸部に細かい鱗がある。タイワンヒイラギ属は4種が知られ、このうち日本にはタイワンヒイラギのみが知られている。またシマヒイラギはAurigequulaという属名が使われることもあるが、色彩など以外では差が見られないという。
このセイタカヒイラギは全長250mmあり、成熟した卵巣が見られた。この種類が宮崎で見られるようになったのはつい最近のことらしいが、どうやら繁殖できるほどのサイズにまで育つということだ。年齢はわからないのだが、越冬しているといえるかもしれない。沖縄では本種は食用魚で、地方名を「ゆだやーがーら」という。
宮崎のWadaさん、ありがとうございました。