3月の終わりにぶろぐを消されたので、4月から5月の出来事もご紹介していきます。
今回ご紹介するのはシマイタチウオ。アシロ科の魚である。本種はシオイタチウオ属に含まれている。この属にはシオイタチウオ、スミツキイタチウオ、マチダイタチウオなど数種が日本から知られるが、戸田で見られるのは本種、シオイタチウオ、スミツキイタチウオくらいであろう。
本種の特徴は背鰭と臀鰭に複数の黒色斑がある。前述の種の中でシオイタチウオは背鰭と臀鰭には斑点がなく、スミツキイタチウオは背鰭に黒色斑が一つだけあるが臀鰭には斑点がない。また頭部には黒色の線が入ることも特徴である。一方、同じように底曳網で漁獲されるウミドジョウという種は背鰭に斑点があり本種に似るが、腹鰭の軟条が1本しかない(シオイタチウオ属は2軟条)であることで簡単に見分けることができる。
シマイタチウオの生息水深は980mより浅い深海である。ウミドジョウは数10~200mであり、本種のほうがより深い。分布域は広く茨城県~東シナ海、台湾までにおよび、日本海では見られないようである。ただしシオイタチウオは日本海にも分布している(実際に私も京都沖のものを見ている)。またシオイタチウオはシマイタチウオよりも浅い60mくらいからも見られるようである。
今回の個体は「ヘンテコ深海魚便」のなかに入っていたもの。青山沙織さん、いつもありがとうございます。