この間は四国の方へ行ってきました。そこで入手した魚。サバ科・ハガツオ属のハガツオ。
ハガツオの体側の模様
ハガツオは名前に「カツオ」とあるが、種標準和名のカツオとはあまり似ていない。カツオよりも長い吻に、カツオよりも大きい顎歯が多数生える。餌の小魚をその歯で咥えて捕食するのであろう。そしてそれゆえ「ハガツオ」なのだろう。また体側の模様もカツオとは幾分ことなる。カツオでは主に釣りあげられたときや、死後に腹部に黒い縦線が多数入るのであるが、本種の場合は背中に細い縦線が多数入っているのである。
2010年のハガツオ(古満目)
なお、ハガツオを入手するのは今回が初めてであるが、見るのは初めてではない。10年ほど前に高知県古満目の大敷でハガツオが水揚げされたのを見ている。またこの年は同じく高知県の以布利の個体を同行者が入手している。ハガツオは以前から何度も見ていたが自分で調理して食べた経験というのはなかった。というのもハガツオは鮮度が落ちるのが早く、なかなか食するチャンスに恵まれてこなかったのである。今回は数本があがり、しかもすぐさばいて食べることができる環境であったため、購入して食べてみることにした。魚が安価なお店ではあるものの、440mmSLで1378g、それで1000円。まあハガツオでそのくらいならば安価といえるのではないだろうか。
ハガツオの刺身。これをニンニク、ぽん酢でいただく。新鮮なだけあって非常に美味である。
ハガツオ属の魚は日本においてはハガツオ1種のみが知られている。しかし、世界では5種が知られている。うち4種がインドー太平洋域と東太平洋に分布し、大西洋には1種のみが産するようであるが、大西洋の種は結構個体によって顔が違う。成長段階かもしれないが、もしかしたら複数種に分けられる可能性もあるのではなかろうか。ハガツオは日本近海に広く分布するほか、東アジアからインド洋にまで生息しているようである。当然ながら生息地ではいずれも食用となっている。
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