この間ソウシハギが届いたお話をしましたが、実は鹿児島からも最近素敵な魚が届いていたのでした。ベラ科・タキベラ亜科・タキベラ属のタキベラ。
タキベラ属には小型のかわいいフタホシキツネベラから、果てはメーター近くなるオマーンホグフィッシュまでさまざま。最近はコブダイ属をタキベラ属の亜属とする意見もあるらしく、そうなると47種が知られる極めて大きなグループとなる。日本で食用とされるものも多く、キツネベラやキツネダイ、ヒレグロベラ、アカホシキツネベラなどは市場でも見る。また上記の意見を採用するならコブダイもこの属の中に含まれる。色がきれいなものも多く、マリンアクアリストにお馴染みのものもいる。ただ深場の種は高水温には注意が必要だろう。
タキベラの体側の模様
キツネベラの体側の模様
タキベラの特徴は赤い体、頭部の黄色い斑点、黄色っぽい斑紋があるが、成魚では不明瞭になることがある。キツネベラとは背鰭の色彩や体側後方の黒色斑などで見分けるようにしたいが、キツネベラ老成魚ではこの特徴も目立たないことがあるので注意が必要。なお魚類検索第三版では胸鰭の先端が黒いことも特徴に挙げられるが不明瞭なこともあるのでこの点も注意が必要だが、ある程度この仲間を見慣れている人なら間違えにくいだろう(老成魚はのぞく)。日本では静岡県以南で見られるが、九州以北では幼魚が多い。海外ではオーストラリアから中央太平洋のサンゴ礁にに見られる。南アフリカやモザンビークなどにはよく似たゴールドサドルホグフィッシュというのが知られている。タキベラはサンゴ礁域に生息し、大型の甲殻類や小魚、軟体動物などを捕食している。そのためヒメジなどの泳がせ釣りで釣れるようだ。ハタ類のほうが好まれるのかもしれないが、引きはつよいようで、よいゲームフィッシュといえるかもしれない。
昔々喜界島オフ会で本種が釣れたので食べさせてもらったが、それ以来ということになる。あれは2010年だったから、11年ぶりということになるだろうか。この間のソウシハギはうまみが少なかったが、このタキベラはうまみにあふれていた。非常に美味しい。刺身のほか煮つけにもしたが、これも美味しかった。
今回のタキベラは鹿児島県の田中水産 田中積さんより。いつもありがとうございます。
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