キントキダイ科の魚のチカメキントキCookeolus japonicus (Cuvier)です。これも沖合底曳網で漁獲されました。キントキダイ科の魚も何種類か沖合底曳網で漁獲されますが、この種が一番大きく、高価なものです。
●チカメキントキの特徴
チカメキントキは、腹鰭がかなり長く、臀鰭の始部を超えるのが特徴です。この特徴をもつのは日本産ではチカメキントキと、クルマダイ属のみ。クルマダイ属の魚は本種よりも丸っこい格好で、縞模様がある場合も多く、区別可能です。
他のキントキダイ属魚類同様、眼が極めて大きく、僅かな光でも逃さないものです。
●仲間
チカメキントキ属は本種1種のみで、日本~オーストラリアまで、東西でいえば、南アフリカ沿岸~ペルーまでのインド・太平洋熱帯~温帯域、さらに北米と南米の大西洋岸と、極めて広い分布域をもちます。
キントキダイ科は4属18種からなり、日本には4属すべてが分布します。種類数は10種類と、クルマダイ属の未記載種が知られています。
●漁法
日本近海では主に沖合底曳網、釣り、刺網などで漁獲されています。このほかに定置網でも漁獲されますが、あまり大きいのは獲れないようです。
ほか、近年は遊漁の対象種でもあります。専門に狙う船もあります。従来はタイや、イサキ釣りなどの外道で釣れる程度でした。
●調理
肉は白身で、さまざまな料理に使え、味もよいものです。鱗は細かく硬いので普通は皮ごとひきます。
刺身にするとかなり美味しいものです。皮目の桃色と、肉の白色がいい対比となります。ほか、お勧めなのは煮付け。中骨も煮ると、非常に美味しいものです。
チカメキントキとアカイサキの煮付け。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます