魚のぶろぐ

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ニシシマドジョウ色々

2017年08月27日 20時12分37秒 | 魚紹介

2013年静岡県で採集したニシシマドジョウ

さて、今回も相変わらずのドジョウの話題。

日本産のドジョウ科のうち、最大の種・亜種を含むのがシマドジョウ属である。20の種・亜種がいるのだ。そのうち私がこれまで出会ったのは意外と少ない。例の本を手にした今年3月の時点で採集したことがあったのはニシシマドジョウ、オオシマドジョウ、トウカイコガタスジシマドジョウ、アリアケスジシマドジョウ、ヤマトシマドジョウの5種である、と思われた。

シマドジョウ属魚類の中でも一般的なものと言えば従来「シマドジョウ」という名前で呼ばれてきた4つのグループ、「オオシマドジョウ」「ニシシマドジョウ」「ヒガシシマドジョウ」そして「トサシマドジョウ」という名前で呼ばれているもの。

私がこれまで採集してきたシマドジョウの仲間はオオシマドジョウとニシシマドジョウの2タイプだと思われた。

2013年に滋賀県で採集したシマドジョウ属

 

特に2013年に琵琶湖にそそぐ河川で採集してきた個体は、尾鰭の付け根の黒色点が上下ともに顕著であり、オオシマドジョウと思われた。

2017年7月に琵琶湖で採集した個体

 

しかし前回ご紹介した大阪でのシンポジウムの後、Twitterのフォロワーの方と琵琶湖へ遊びに行った。私が採集したシマドジョウはオオシマドジョウだと思っていたのだが、フォロワーさんによればニシシマドジョウだというのだ。実際にドジョウ図鑑を見てみると、ニシシマドジョウのうち琵琶湖や淀川水系のものは尾柄部の斑紋が上下ともに明瞭でつながるのが特徴だそうだ。特にこの地域ではニシシマドジョウやオオシマドジョウの分布域が複雑に入り組んだ地域だという。

静岡県産ニシシマドジョウ(トップ画像と同一個体)

滋賀県産の個体(2013年のものと同一個体)

ニシシマドジョウは地域によって斑紋が大きく違っていることが分かった。静岡県で採集したニシシマドジョウは尾鰭の付け根の斑紋は上が明瞭で下が不明瞭なのだ。現在飼育しているものは4年前に採集したもので、飼育を開始したころよりも大きくなっているのだが、残念ながら体側の斑紋は薄くなっている。それでも尾鰭の付け根の斑紋は明瞭であった。ニシシマドジョウは大きいものでは100mmになるとされているが、オオシマドジョウは130mmに達する個体がいるという。ニシシマドジョウは山陰や中部地方に生息し、オオシマドジョウは近畿以西の本州と四国の瀬戸内海側、九州(大分県)に生息している。

いずれにせよこのような斑紋の微妙な違いは地域集団の違いによるものだと思われる。このような斑紋の違いはそれぞれの地域の宝といえる。採集したドジョウを河川に、とくによその河川に放すのは絶対にやめよう。

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