魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ムラサキギンザメ

2018年12月20日 11時17分23秒 | 魚紹介

※この投稿は2018年12月20日に投稿していましたが、株式会社桃鶴堂の代表取締役社長氏により、ぶろぐの内容の一切が削除されてしまいました。そのためオリジナルとは異なります。あらかじめ、ご了承くださいませ。

この間珍しい魚をいただきました。軟骨魚綱・全頭亜綱・ギンザメ目・ギンザメ科・アカギンザメ属の深海性魚類、ムラサキギンザメ。

本種を含むギンザメ目は上記の通り、軟骨魚綱の中の全頭亜綱とよばれているもので、サメやエイなどの含まれる板鰓亜綱とは大きく異なる分類群である。板鰓亜綱は鰓孔が5~7対くらい開いているのに対し、ギンザメ目は1対のみである。これによりサメやエイと見分けることは容易である。ギンザメ科はギンザメ属とアカギンザメ属に分けられ、本種はアカギンザメ属に含まれる。ギンザメ属と異なり、臀鰭がないのが特徴である。

ムラサキギンザメの頭部。ギンザメの仲間は英語名でRatfishというが、ネズミのような歯をしていることからきていると思われる。もう一つの英語名Chimaeraはそのまま怪物「キマイラ」からきている。なお本種の英語名はPurple chimaeraというが、日本でも英語でも考えていることは同じのようだ。なお本種のタイプ産地はハワイのカウアイ島近辺である。日本においては駿河湾~東北地方太平洋沖に生息しているとされるが、サハリンからの記録もあるらしい。

ムラサキギンザメはかつてニジギンザメとも呼ばれていたが、後者は前者の同物異名の可能性が高いようだ。全長1mを超えギンザメ科の中では特に大型になる種であり、この個体も全長90cm近くになる巨大なサイズの個体であった。

ムラサキギンザメの背鰭。ギンザメ類は背鰭に棘をもつが、この棘は有毒とされており、扱いには注意が必要である。

ギンザメの仲間は食用魚として知られている。「フカの湯引き」では日本近海のサメだけでなく、ニュージーランド近海のギンザメも使われるらしい。ムラサキギンザメと同じアカギンザメ属のホシギンザメなどが使われるようで、このホシギンザメは漁業者により「ギンブカ」と呼ばれているという。刺身はうまみは少ないが、臭みもなくおいしい。

ムラサキギンザメの肝。大きな肝はクリーミーであり非常に美味である。軟骨魚類ではほかにアカエイ科のホシエイの肝が食用として人気があるが、こちらも美味しく、人気がでるであろう。

ムラサキギンザメの肝は刺身醤油をちょっとつけるだけでよい。味がかなり強く、強すぎるというなら若干ニンニクなどを使って薄めてもよいだろう。

今回のムラサキギンザメは相模湾の鈴木享平さんより。珍しい魚をありがとうございました。


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