昨日はミツボシクロスズメダイをご紹介しましたので、今日はその流れで。スズメダイ科・ミスジリュウキュウスズメダイ属のフタスジリュウキュウスズメダイ。
フタスジリュウキュウスズメダイは名前はミスジリュウキュウスズメダイに似ているが、模様はあまりにていない。グレーの体色、体側に二本の黒色横帯があり、それらは背鰭でつながっているという特徴がある(ただし写真の個体では不明瞭)。成魚では頭部が茶色っぽくなっていることがある。また体側の鱗は縁が黒く目立っているのも特徴的である。名前のリュウキュウとは、琉球の意味であると思われる。
なお、低品質な海水魚飼育サイトでは、本種、ミスジリュウキュウスズメダイ、およびヨスジリュウキュウスズメダイを合わせて「リュウキュウスズメダイ」とし、「リュウキュウスズメダイの飼育方法」などと称しているが、3種とも飼育方法はほとんどおなじ、などという記事を見かけている。たしかにどの種も飼育しやすいが、ヨスジリュウキュウスズメダイなど小さい個体はやや弱く、ミスジリュウキュウスズメダイは逆に小さい個体でも強いなど、種によってある程度性格などに差がある。フタスジリュウキュウスズメダイは結構気が強めだが、水槽に入れてすぐのうちに強い魚がいると追いまわされることがあり、混泳には気をつかう。なお、単独飼育では全く問題なし。食用にはされておらず、私も釣った個体は短期間飼育したのみで、まだ食べたことはない。
フタスジリュウキュウスズメダイは伊豆半島以南の太平洋岸に分布するが、ほとんど越冬できないと思われる。四国沿岸ではたまに成魚が釣れることがあり、越冬していると思われる。琉球列島では普通種で、サンゴ礁域に生息し枝状サンゴの間に見られる。海外では西太平洋、ローリーショールズ、ココスキーリング(ともに東インド洋)に分布しているが、それより西はDascyllus carneusという別種に置き換わる。また中央太平洋ではDascyllus flavicaudusという種に置き換わる。この種は学名の通りで尾鰭が黄色、幼魚のうちはうっすら体が青みをおびる美しい種類ではあるが成魚はやや地味、そして重要なことにおそらく性格はきついと思われる。
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