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高知県の防波堤で2020年に釣った魚。スズキ目・イスズミ科・イスズミ属のノトイスズミ。
ノトイスズミは分布域が広く、北は青森県から南は琉球列島に見られる。海外ではインドー西太平洋に広く分布し、標準和名の「ノト」とは能登半島のことだという。分布域が広い理由は本種もキヘリモンガラやソウシハギ、アミモンガラなどと同様に流れ藻などの浮遊物によくついているからである。実際に海の表層に浮かぶごみを掬うと本種がついていることもある。
イスズミ科は悩ませる存在といえる。私は磯釣りをあまりしないのであるが、この仲間の同定はかなり難しいことがある。とくに同じ灰色の体をしたテンジクイサキと間違いやすいので注意したほうがよいかもしれない。ただしテンジクイサキは背鰭も臀鰭も高いのに対し、ノトイスズミはこれらが低いので見分けることができるだろう。
イスズミの仲間は釣りあげると頻繁に体色を変える。ノトイスズミは体色が灰色から茶褐色で、お世辞にも美しいとはいえない。体側の縦縁も茶褐色である。一方イスズミは銀色の体で、体側の縦線はオレンジ色が目立つ。そのためこの2種は比較的見分けやすいのではないかと思う。釣りでは引き味は強烈であるものの、メジナのほうが人気がある。味もメジナのほうがよいのであるが、このノトイスズミも決して「まずい」ということはなく、塩焼きで美味しくいただいた。防波堤から釣れる小さなイスズミもな引き味はなかなかのもので、釣る楽しみがある。
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