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今年は年明けにもコメントしましたように、古い魚の写真もご紹介したいと思います。
スズキ目・フエダイ科・フエダイ属のベンガルフエダイ。
3兄弟。ベンガルフエダイ・ヨスジフエダイ・ロクセンフエダイ
しましま3兄弟。この仲間は日本に3種いるのだが、いずれも体側に4本以上の青い縦縞があるのが特徴だ。ロクセンフエダイではこの縦縞が5本あって、あとのヨスジフエダイと、このベンガルフエダイは4本なのである。
ベンガルフエダイとヨスジフエダイは極めてよく似ている。ヨスジフエダイとベンガルフエダイの簡単な見分け方は白っぽい(いずれも死後赤みを帯びる)腹部にある。この腹部に数本の点列があるのがヨスジフエダイ、ないのがベンガルフエダイとされるが、ヨスジフエダイであっても模様が出現しないことがまれにあるようなので注意が必要である。
次に背鰭の棘数。ヨスジフエダイでは10~11、ベンガルフエダイでは11~12であるが、ヨスジフエダイでは多くで10、ベンガルフエダイでは11となっている。またヨスジフエダイでは背鰭や尾鰭の外縁は暗色であることが多い。これらの特徴も合わせて同定するとよいと思われる。ヨスジフエダイの写真を使って比較したいところであるが、残念ながらヨスジフエダイのよい画像を持っていないのである。
ベンガルフエダイの分布域は広く、紅海、東アフリカなどのインド洋から西太平洋の熱帯域に産している。日本では八丈島以南で獲れているが、やはり屋久島や琉球列島で見られることが多いようだ。サンゴ礁域や浅い岩礁に生息するとされるが、今回の個体は鹿児島県種子島・屋久島方面で沖合底曳網漁業によって漁獲されたもの。意外と深い場所にも生息しているようである。
フエダイといえば宮崎の夜釣りで人気があり、「シブダイ」と呼ばれる魚のこと。これは極めて美味しいらしい。「らしい」というのは、ろくに食べたことがないから。塩焼き、刺身、汁物などなんでもいけるようだ。しかしフエダイの仲間で美味しいものはほかにも多数いる。センネンダイ、クロホシフエダイ、ヨコスジフエダイなど。もちろん、ベンガルフエダイだってそうだ。このベンガルフエダイは刺身で食べたが極めて美味しかった。
なお「ベンガルフエダイ」と呼ばれるものでも地域によりいくつかの変異があるよう。これにより日本のものがインド洋のものと異なる種とされれば、日本産種にベンガルフエダイの名前は使えなくなるかもしれない。ベンガルフエダイという種の標準和名はインド洋のアンダマン、もしくはサヤデマルハ産のものにつけられている名前だからである。
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