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今日もカジカ亜目の魚にしようかと思ったけれど、今回は別の種をご紹介。スズキ目・ゲンゲ亜目・タウエガジ科のタウエガジ。ただゲンゲ亜目もカジカ亜目と近い関係にあるといわれている。
タウエガジ科はあまり聞きなれない名前かもしれないが、穴釣りで釣れるダイナンギンポや、頭部に大きな皮弁があり、水族館の人気者であるフサギンポもこの科の魚。世界で約71種が知られている。
ナガヅカ 京都のシーフーズ大谷さんにて購入。2010年4月
日本に生息するタウエガジ属は5種。最近巷ではナガヅカが多く出回っているようであるが、タウエガジは画像検索してもなかなか出てこない。冷たい海にいる魚は熱帯の魚ほど興味の対象になりにくいということもあるのかもしれない。
生息域は広く、浅海から水深500mほどの場所にまで見られ、底曳網、刺し網、釣りなどの漁法で漁獲される。分布域はやや狭く北海道の全沿岸から青森県、日本海では佐渡近辺にまでの分布となっている。近縁種のナガヅカはもっと分布域が広く、北海道の全沿岸から太平洋岸は千葉県、日本海岸では島根県にまで分布している。
タウエガジの頭部 口がやや小さい
ナガヅカの頭部 口がやや大きい。というか顔がタウエガジよりも小さく見える
タウエガジとナガヅカはよく似ているのだが、タウエガジはナガヅカよりも口が小さいことで見分けられる。また体もナガヅカのほうがかなり大きくなるようだ。ナガヅカの顔は本当に恐ろしげである。
タウエガジの背鰭
キタタウエガジとニセタウエガジもタウエガジに似ているが背鰭の模様が違う。この中で見たことがあるのはタウエガジだけであるが、本種は背鰭に斜め帯が入るのに対し、ほかの2種は背鰭に鞍状斑があるのだ。もう1種、ツチガジは背鰭縁辺部に小さな斑点が入る。
タウエガジを食する際、注意しなければならないことがある。タウエガジは卵に毒があるというのだ。そのため卵は調理前にあらかじめ除去しておく必要がある。卵は食べると下痢や嘔吐などをするおそれがあるのだ。肉は無毒で食用になるが、練製品原料になることが多い。以前同属でやはり卵に毒があるナガヅカを食した時は唐揚げで食べたが、今回も同様の方法で食した。かなり美味で家族からの評判も良かった。
明日はカジカ・・・にしようかと思ったけれど、また別に面白い魚が来ましたので、カジカはまた別の機会に。
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