昨日までは北海道シリーズでしたが今日は小休止。日曜日に長崎からやってきた面白い魚「アミモンガラ」のご紹介。フグ目・モンガラカワハギ科・アミモンガラ属の魚。アミモンガラ属は世界で3ないし4種が知られているが、日本産は1種のみ。
高知県産の幼魚
幼魚は丸っこい形であるが、成魚はかなり細めの体をしている。また幼魚と成魚では尾鰭の形も少し違う。幼魚は尾鰭の後縁が丸いが、成魚では二重湾入系に近い形になるようだ。体には小さな白色斑があるが、これは出るものと出ないものがいるよう。今回は2匹入手したが、片方の個体には多数の白色斑があり、もう片方の個体にはあまり出なかった。
流れ藻につく習性があり、モンガラカワハギ科としては非常に広い範囲に分布している。日本では北海道~沖縄にまで分布し、本州にも太平洋岸・日本海岸問わず見ることができる。海外では地中海をのぞき、ほぼ世界じゅうの熱帯~温帯海域から記録されている。アミモンガラは夏から秋にかけて幼魚が流れ藻やブイ、流木、あるいは浮き漁礁などの浮遊物につく習性があり、そのような場所で浮遊物ごと掬うと採集することができる。上の幼魚は高知県で浮遊物についていたものを採集した。成魚はよく泳ぎ、秋の終わりから冬にかけて、急激に水温が下がって弱ったところを簡単に網で掬うことができるのだ。今回購入した個体は長崎県近海でおそらく定置網か釣りにより漁獲されたものと思われる。
アミモンガラを含むモンガラカワハギの仲間を食するのに注意すべきことは、まず内蔵は食べないほうがよい、ということ。熱帯性のモンガラカワハギ類はいったい何を食べているかわからないのだ。雑食性で魚や甲殻類、貝類、棘皮動物など何でも食う。カワハギ科のソウシハギは内臓に毒をもつことがあるが、これはスナギンチャクの仲間を食することにより、スナギンチャクの毒が蓄積されたことによるものと言われている。今回は内臓をすべて取り除き、その後もよく洗い流した。さばくのも包丁だけでなく、キッチン用のハサミがあると、いろいろと役に立つだろう。
今回は三枚におろし、その後包丁を使って皮をはいだ。今回は刺身でも食することができるような鮮度ではあったが、鍋で食してみることにした。つまみ食いしたら弾力があってかなり美味しいものであった。ただ肝醤油・・・とは考えてはいけないのだ。なお今回は長崎県の印束商店 たくじーさんこと石田拓治さんからいただいたもの。どうもありがとうございました^^
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