以前、イットウダイ科・イットウダイ属のアヤメエビスをご紹介しましたが、アヤメエビスには同じイットウダイ属に「そっくりさん」がいます。以前の投稿にも登場しました「スミツキカノコ」と、今回ご紹介するクロオビエビスです。アヤメエビスとスミツキカノコはあまり似ていなくて、体色や吻の形状がちがいますが、クロオビエビスは本当によく似ており、間違えられることもあります。
クロオビエビス
アヤメエビス
クロオビエビスの特徴は頬の鱗列数が4であること、体の背側面に4~5本の赤黒い縦線が入ることです。このうち写真から頬の鱗列数が4であるとはわかりにくいのですが、体の背側面に4~5本の縦線があるということはこの写真からもあらわれています。また背鰭の鰭条の鰭膜も少しアヤメエビスとは違うようです。私が使用している「魚類検索」ではこの特徴は触れられていないのですが、背鰭鰭膜の赤黒い斑紋も特徴的ではあります。
しかし幼魚の同定はどうなるでしょうか。静岡などで採集されているクロオビエビスの幼魚の中には、おそらくアヤメエビスが多数含まれているように思われます。ただし標本がないとなんともいえません。
背鰭・臀鰭の後方及び尾柄の黒色斑はあまり目立ちません。
クロオビエビスはインドー西太平洋に広く分布する種類です。日本ではアヤメエビスほどは獲れないでしょうが高知県以布利や琉球列島などで採集されています。写真の個体は石垣島で夕暮れの時間帯に釣りで採集したもの。夕暮れでは写真の撮影が難しくこの個体の写真も若干手振れがあります。ただし遠目に見た限りではわかりにくいです。
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