富士山です。ローカルネタでしょうが冨士山ではありません。
ということで、昨日無事関東から帰ってきました。報告レポはまた後ほど書きますが、少し時間がかかるかも。あすはとりあえずノーマル進行です。
今日のフィリピン魚はアデヤッコPomacanthus xanthometopon (Bleeker)をご紹介いたします。
アデヤッコは、スズキ目、キンチャクダイ科、サザナミヤッコ属の魚です。分布域はインド・西太平洋のサンゴ礁で、日本には八重山諸島に分布するほか、紀伊半島串本からも報告があります。
体や各鰭は黄色と青色という、美しい色彩。鱗は鮮やかな青色です。幼魚はサザナミヤッコなどと同じく青い地色に白色の細横帯が入ります。
アデヤッコは英名でBluehead angelfishといいます。またYellowhead angelfishとも呼んだりします。頭部の青い模様や、眼の付近の黄色域に因んだ名前です。鰓蓋には大きな棘があり、うっかりつかむとかなり痛い目に合いそうです。
背鰭棘は14本です。日本産魚類検索によりますと、この仲間は背鰭棘数は普通13なのに対し、本種では普通14であることが独特です。写真ではNo.9とNo.12があまりよく写っておりませんが・・・。
到着した当日、アデヤッコの写真を撮影しましたのが上の画像。冷凍して数か月後に、鰭などをフォルマリンで固定しまして、再度写真を撮影しましたのがこの写真になります。冷凍しますと、どうしても背鰭や尾鰭の黄色が薄くなってしまっています。そしてよく見たら背鰭があまりよく立っておらず、胸鰭に大きな「泡」が写ってしまっています。残念な写真です。
成魚は40cm近くになり、マリン・アクアリストには人気の魚の一つです。フィリピンやインド洋、インドネシアから輸入されます。石垣島で採れた国産の個体も流通することがありますがこちらは極めて少なく、そしてかなり高価です。
本日はこれより上京予定で、一泊、もしくは二泊します。魚とは、あまり関係ないように見えますが実はかなーり関係があるのです。詳細はまたレポートします。
今日のフィリピン魚はアイゴ科のフォックスフェイスSiganus vulpinus (Schlegel and Müller)です。
フォックスフェイスは、スズキ目アイゴ科、アイゴ属に含まれる魚です。アイゴ科の魚は世界で28種が知られていますが、属はアイゴ属だけで、いくつかの亜属に分けられているようです。
本種は日本にも分布するヒフキアイゴに酷似しており、同種としていることもあるのですが、体側に黒色斑がないことから別種とされています。ただしこの黒色斑の大きさには個体による変異があり、片側だけにあったりするものもいるとのことです。何れにせよ再検討の必要があります。
アイゴ科がほかの魚と比べて変わっているのはこの腹鰭です。アイゴ科の魚はすべてこのように2つの腹鰭棘をもち、その間に3本の軟条があります(上図)。
アイゴ科の背鰭は(少なくとも日本産種は)どの種も13棘、10軟条あります。この種も13本の棘があります。注意しないといけないのは背鰭・腹鰭・臀鰭の棘には毒があるということで、刺されると場合によっては激しく痛む場合があります。
ヒフキアイゴの仲間は吻が長いのも特徴です。日本にはヒフキアイゴが分布するのみです。ヒフキアイゴは西部太平洋に産し、フィリピンなどから輸入されるほか、沖縄産の個体も流通します。このほかインド洋東部からは一見灰色で地味だが、グラデーションが美しいアンダマンフォックスフェイス(アンダマンラビットフィッシュ)、フィジー方面にすむ黒と黄色が特徴のバイカラーラビットフィッシュ(ウスピ)も輸入されています。
コンペイトウEumicrotremus birulai Popovです。コンペイトウは、以前にもブログに載せたことがあったのですが、この憎めない顔がまたかわいいものです。ダンゴウオ科の魚にはほかにもフウセンウオなど、ユニークなキャラクターが揃っています。
今日のフィリピン魚はベラ科のホホワキュウセンHalichoeres miniatus (Valenciennes)です。
ホホワキュウセンはキュウセン属の小型種。サンゴ礁や内湾に生息する普通種のようで、今回のフィリピン魚の封の中にも多数の個体がはいっていました。
分布域は琉球列島以南の西部太平洋で、あまり広域にすむ種ではないのですが、サンゴ礁、内湾、砂底からほかのベラはあまり好まないような河川にも入ることがある種類です。
特徴はその標準和名が示すような「頬の輪状の斑紋」です。ほか、背鰭にも黄色の斑点が入り、黒色斑もあります。英名Circle-cheek wrasseは頬の模様にちなむのでしょう。
こちらは別の個体。前回は本種のほか、カザリキュウセンと、クマドリキュウセンも一緒に入っていました。
今日は悲しいことがありまして、ハタタテハゼがボロボロになって死亡していました。残念です。