Thank you for the music

好きな音楽のこと、あれこれ。その他諸々もあり。

曹格「格格blue」(出身:マレーシア 活動:台湾)

2006年02月09日 03時57分12秒 | CD紹介

 なぜか会員になっている台湾のラジオ局HitoRadioのメルマガから見たMV―街中を歩きながらアカペラで歌う―がよかったので、さっそく注文してしまった。昨年ヒットした光良のアルバム「童話」で「少年」をデュエット、曲提供の実績多数。MVでは骨太な感じだったが、いざ聴いてみるとけっこう繊細なボーカルだ。
 9歳のときに「Superwoman」を聴いたのが音楽を志すきっかけだそうで、1曲目にそのカバーをもってきた。英語のオリジナルの歌詞が女性の立場から「私はsuperwomanじゃないの、もっとちゃんと愛して」と歌っているのに対し、空気のような存在だった女性に去られ(かけ)、「僕が悪かった、帰ってきて」と歌うアンサーソングになっている。すごい高音のファルセットも使い、思い入れを全部ぶつけている感じ。(少し前にどこかでこの歌のカバーを聴いたような・・・と思っていたら、鄭秀文が「Sammi vs Sammi」で歌っている「多得他」だった。こちらは「恋は終わったけれど彼のおかげで一人で生きる勇気が出た」みたいな詞になっている。オリジナルは王[雨/文]で初出は90年「YOU'RE THE ONLY ONE」。)
 これ以外は全曲自作曲で、自作詞も2曲ある。プロポーズソング「世界唯一的イ尓」は甘~く聴かせ、「情人節快樂」は許されない恋の一夜の逢瀬を切な~く聴かせる(マレー語の低いモノローグが南っぽくて面白い)。「Fall in love」はうって変わってファンキー、コーラスを従えて堂々たる歌いっぷりだ。「笑我笨(バカだと笑って)」「沈黙玩具」の振られてもあきらめられない情けない男ぶりに対し、「燭光晩餐」「數到五答應我(5数えたら答えて)」の自信たっぷりの口説きぶりとがらりと変わる表現もばっちり。いかにも中華風な「姑娘」なんかを入れるのは、マレーシアで育った華人の、中華への憧れみたいなものだろうか。「I believe I can fly」と決意表明(?!)の「刮目相看」で終わる。
 のどの奥をヒクッと鳴らすような音や本来伸ばす音をブチッと切る発音は、周杰倫や林子良がよくやるのと似ている。一気に声を出さないで、ちょっとじらすように出してくるのが特徴かも。発音は南方系だが丁寧で、ベタな歌詞もまじめに歌ってくれると説得力が出てくる。やっぱり言葉を大切に歌うことは大事だよね。
 プロデューサーの[シ余]惠源は、張恵妹や齊秦・齊豫などと組んできたベテラン。うちの長男のお気に入り[台阝]正宵「一千零一夜」も彼のアレンジだった。さらに懐かしい名前は、プロデュースとコーラスに参加の永邦。04年にカバーアルバム「REFILL」で張國榮の「追」を歌っていた。彼のMVは、ストーリー性があって心にしみる映像なので好きだったのだが(なぜか歌手本人は脇役)、新譜が全然出ないのでどうしているかと思っていた。音楽業界にいるのなら、またどこかで出てきてくれるかも。
 満を持してのデビュー、ロックレコードから売り出している最中だが、実は以前にデビューしたことがあるようなのだ。ワーナー台湾のサイトによると、2001年11月の第1屆金曲紅人獎で大馬區最有潛質新人獎に黄國俊とともに選ばれている、らしい。試聴サイトで検索したら、正規版かどうかはわからないが、それらしいCDのジャケが出てきた。今の姿を見てしまったあとでは、似合わないとしか言いようがない茶髪 「笑我笨」はその幻のデビュー曲らしい。。。実は2度目のデビューだとすると、「刮目相看」の決意表明は深い意味を帯びてくる。
 ジャケや歌詞カードの写真を見ると、過去はすっかり捨ててきた感じだ。タバコは吸ってるわ(それもかなり短くなるまで)、背中にタトゥーは入れてるわ(本物かフェイクか知らないが)、絶対アイドル路線ではない(JJ林俊傑あたりがやったら、ファンに泣かれてしまう^^;)。
 音域が広いのが自慢らしいが、低音でスローだとちょっと弱いので、そこを強化すればかなりいけると思う。声のためには、タバコはほどほどにね~。じっくり成長を見守らせていただきます
格格blue @YesAsia.com

コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする