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世界選手権2013と五輪出場枠

2013年04月06日 05時55分15秒 | スポーツ

 フィギュアスケート・世界選手権2013、「枠」でふりかえってみた。

<出るまでのハードル>
 今シーズン導入された、選手権出場に必要なMinimum Total Technical Points(ミニマムポイント)。昨季まではとりあえず予選に出場できた選手が、今季はどうしてもクリアできずに出場できないケースが数多く見られた。
 前回は出場があったが、今回は1人/組も出場しなかった国・地域は、アルメニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、台湾、北朝鮮、ギリシャ、インド、アイルランド、ルクセンブルク、メキシコ、プエルト・リコ、セルビア、南アフリカ、タイ。ヨーロッパ選手権や四大陸選手権では見ることができた選手たちも多かったけど、一段高く設定された世界選手権のミニマムポイントをクリアするのは、すごく大変
 以前の大会や世界ジュニアには出場実績がある国・地域としては、マレーシアやシンガポールもある。来季以降もこのシステムが継続するのか、また別の形の選別方法を取るのか、、、
 ミニマムポイントを少し高めに設定して、それをクリアしている人は予選免除、クリアできてない選手は予選というのはどうだろう? そう簡単にはいかないかしら?!

<オリンピック出場枠獲得の厳しさ>
 ペア・アイスダンスの地上波放送、最後に机に突っ伏して泣くキャシー・リード選手の姿が 五輪出場枠を取れなかった口惜しさでいっぱいだったんだろう。
 世界選手権は、複数枠が取れなかったとしても1人/組は必ず出場できる(ミニマムポイントをクリアすれば)。しかし五輪出場は、きっかり人数が決められていて、1人/組でも簡単には確保できないのだ。
 強豪国が3枠、2枠をどんどん取っていくと、元々1人/組しか出場してない国はますます不利になる。アイスダンスは、複数枠あった国で減らした国は一つもなく、さらにドイツが1枠から2枠に増やしたため、いっそう下位には厳しくなった。
 今大会で各国が得た出場枠は以下の通り。

  男子 女子 ペア アイスダンス 獲得枠数
オーストリア  1          1
アゼルバイジャン          1    1
ベルギー  1          1
カナダ  3  2  3    3    11
中国  1  2  2      5
チェコ  2          2
エストニア  1  1        2
フランス  2  1  2    2    7
ドイツ  1  1  2    2    6
イギリス    1      1    2
イタリア    2  2    2    6
日本  3  3        6
カザフスタン  2          2
リトアニア          1    1
ロシア  1  2  3    3    9
スロバキア    1        1
韓国    3        3
スペイン  2          2
スウェーデン  1  1        2
ウクライナ    1      1    2
アメリカ  2  3  2    3    10
ウズベキスタン  1          1

 残りは男女シングル各6、ペア4、アイスダンス5。9月のネーベルホルン杯で、まだ枠を獲得してない国・地域に限り、上位から順に1枠ずつ割り振られる。(今大会で獲得した種目の枠はそれ以上増やされることはないので、1枠が2枠になったりはしない。)
 あと少しだった選手たち、世界選手権に出場できなかった選手たちが、どっとエントリーしてくるはず。優勝を争う上位陣よりも熱い戦いが繰り広げられそう。キャシー&クリス、きっと大丈夫!がんばるんだ そしてできることなら、高橋成美/木原龍一組のデビューを見たい

<団体戦ポイント状況>
 ソチ五輪から採用となった団体戦。選手権やGPシリーズには、順位に応じて世界ランキングのポイントが与えられるが、各国が各種目で獲得した最も高いポイントを合計して、上位10ヶ国が出場ということになっている。(ポイント一覧はこちらのp.6)
 まずは世界選手権(獲得ポイントがなければヨーロッパ/四大陸/世界ジュニア選手権)のポイントで、どの国がリードしているか計算してみた。種目に*があるのは、まだ五輪出場枠を獲得していないもの。

        男子 女子 ペア アイスダンス
1 カナダ 3826          
2 アメリカ 3142          
3 ロシア 2911          
4 イタリア 2494     *      
5 フランス 2218          
6 ドイツ 2143          
7 中国 2062                *
8 日本 2009         *        *
9 韓国 1424     *     *        *
10 スペイン 1283       *   *        *
11 カザフスタン 1080       *   *        *
12 ウクライナ 991     *     *  
13 イギリス 776     *     *  
14 エストニア 671         *        *
15 オーストラリア 650     *   *   *        *
16 チェコ 611       *   *        *
17 オーストリア 588       *   *        *
18 ウズベキスタン 572       *   *        *
19 ベラルーシ 525     *   *   *        *
20 スウェーデン 505         *        *

 五輪出場枠を最も多く獲得しているカナダが、やはりトップに立っている。世界選手権のインタビューでも「オリンピックのTeam Eventでカナダは優勝候補ですが」等の質問が出ていた。
 3種目以上で出場枠を獲得している国は、ポイントで10位以内に入ればもう出場が可能。中国はアイスダンスが世界選手権に出場できなかったが、四大陸選手権のポイントがそこそこあったので、現時点でいい順位につけている。
 3種目以上に出場できない国は、ポイント合計が10位以内でも団体戦に出られない。また、団体戦出場を希望しない国があれば、次の順位の国に回ってくる。
 9番手の韓国は、男子はまだ可能性があるが、ペアに選手がいない。アイスダンスはジュニアに1組いるが、国籍をクリアしてるかどうか? 団体戦はちょっと難しそう。カザフスタンも女子とペアに選手がいなかったかも、、、
 一方、スペインは女子のラフエンテ選手やダンスのウルタド/ディアス組が出場権を得れば、十分可能だ。あとは団体戦出場を希望するか否か ハビエル・フェルナンデスに個人でメダルを取らせたいなら、団体戦はやめておくのもあり?
 ウクライナは男子のゴドロチャ選手、イギリスはペアのケンプ/キング組が頑張ればなんとかなりそうな感じ。このあたりは個人より団体に期待が大きいかな?!
 この後に加算されるのは、GPシリーズとファイナルのポイント(なければJGPシリーズ)。最も高いポイントはGPファイナル優勝の800ポイントとなる。上位には大きな変動はないだろうが、ボーダーラインのあたりは大逆転があるかも。たとえばスウェーデン、男子のマヨロフ選手や女子のヘルゲション姉妹が頑張って600点くらい加算し、ペアかアイスダンスで出場枠が取れれば、出場可能な国の10番目に入る可能性はなきにしもあらず
 なお、日本は男女両方でファイナル進出者が出ればそれだけで900ポイント以上加算されるので、10位以下に落ちることはたぶんないと思われる

 来週の国別対抗戦が終わると、2012/2013シーズンも終わり。オリンピックイヤーの2013/2014シーズンが待ち構える。

コメント
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